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第一部
48話 「夢の中で見た再会」
しおりを挟むその後、見舞いに来てくれた両親と再会して、またぐっちゃぐちゃになるまで泣きじゃくった。
蓮は学校帰りに丁度寄ったところだったらしく、詳しいことはまた後日と言って帰っていた。
両親は帰り際の蓮に物凄くお礼を言ってた。まぁ息子の命の恩人だからな。
それから俺は、精密検査を受けた。特に問題はなかったけど、1ヶ月も寝たきりだったこともあり暫くは入院生活だ。
正直、その必要がないくらい俺の体は元気そのものだった。多分、寝てる間はずっと俺の中に、クラッドがいたからだと思う。魔王の生命力が俺を守ってくれていたんだ。
本当に、何度感謝しても足りないくらいなのに。
もう、何も言えないんだな。
俺を線路に突き落としたイジメっ子たちは、退学になったらしい。
俺のイジメはみんなが見て見ぬふりをしていたけど、さすがに殺人未遂となってはスルーできない。
あの場に目撃者は大勢いたし、俺を助けてくれた蓮も彼らがやったことを告げてくれたそうだ。
蓮は、いじめられていたのが俺だって知らなかったらしく、気付かなくてゴメンって言ってくれた。
馬鹿だよな。そんなの、アイツのせいじゃないのに。
両親も、蓮と同じように気付かなくてゴメンと謝った。
俺が悪いのに、なんで謝るんだよ。俺は、学校でのことを話した。両親は泣きながら全部聞いてくれて、抱きしめてくれた。
ーーー
そして、その日の夜。俺は、夢を見た。
見覚えのある場所と、よく知る2人。
魔王城で、玉座の前で横たわるクラッドとエルの姿があった。
中身の俺が抜けたからなのか、クラッドの姿も元に戻っていた。
「……我が王、クラッド」
リドの声だ。
リドはそっとクラッドの頬を撫で、涙を流してる。
ゴメン。ゴメンな、リド。俺のせいで。
「……クラッド。お疲れ様でした」
「……リ、ド」
クラッドの口が動いた。そうか、俺と入れ替わったから、クラッドの意識が戻ったんだ。
でも、もう。
「我々の小さな王様は成し遂げてくれましたよ。この世界を、変えてくれました」
「……ああ。お前にも、苦労をかけたな……」
「いいえ。最後にこうして、貴方が帰ってきてくれたのですから、十分ですよ」
「そうか……世界はきっと、今より良くなる。魔王と、勇者が、その種を撒いてくれた……いつかきっと、芽吹いて、くれる……」
「ええ……だからもう、貴方も魔王である必要はありません、クラッド」
「そう、だな……お前を、天に戻してやりたかったが……もう、我には……」
「いいんです。貴方のそばにいられれば、他に何もいりません」
「そう、か……愛してる、リド」
「私もです、クラッド。愛しています……」
意識が、遠ざかる。
そうか。クラッドが世界を支配したいと願ったのは、リドのためでもあったんだな。
隔たりがなくなれば、天使と悪魔が想い合うことも出来たかもしれない。
そう、願ったんだ。
でも、よかった。
最後に2人が、一緒にいられて。
良かった。本当に、良かった。
ありがとう、リド。
ありがとう、クラッド。
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