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1章
魔術
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さて、月日の流れは早く、俺が生まれてから既に五年の歳月がたち、俺はいまや五歳となっていた。
この年になると俺はとうとう危険な所に行かないようにという条件と共に、村を散策する権利をお母さんから手に入れることができたため、俺は毎日のようにあちこちを散策している。
そのおかげで俺はこの世界の文化レベルや、発展具合、それからこの村の人々の様子など様々なことを知ることができた。
まず、これは当初から予想していたことではあったがやはり、この世界では科学というものの発展は乏しい、否、むしろそう言った概念自体が存在しないと言った方が正しいだろうか? というのも、人々は何をするにも、魔法や魔道具をその代用品として使用しているからである。
例えば、火を起こしたければ火の属性元素が込められた火石というものに魔力を注いで火を起こし、水が欲しければ魔法が使えれば魔法で、なければ近くの井戸などに汲みに行くといった感じだ。
そして、二つ目が、今言ったことからも察することはできると思うが、化学が発展していない以上、文化レベルもかなり低い所でその発展を止めている。本来人間の文化の発展と成長というものは科学の発展と切っても切り離せないものがあるのだ。人々は科学を発展させ、その過程、又は結果としてその生活レベルを高く引き上げていく。だが、この世界にはそんな研究をせずとも魔法、正確には魔術なのだが、そんな便利なものが人々の間で当たり前のものとして浸透してしまっているが故にその発展はある一定に位置を持って停止。そのままの状態が続いてしまっているというのが現状らしい。
この現状は元の世界で言えば中世同じくらいのレベルとそこまで違いはないだろう。まぁもっとも、魔術が浸透してしまっているという点で既に同列には語れないのだが、それは言っても詮無い事だろう。
とにかく、俺はそうして情報収集の場所を室内から屋外へと変え、生活している。
と、同時に。お母さんには申し訳ないが、俺は堂々と一般的には危険とされる地域へと侵入し、調査、及び訓練を行っていたりもする。
実はこの村の近くには広大な森が広がっており、そこには魔物から何まで、多種多様な生物が生息しているのだ。俺はここに興味を持ち、また、この世界の魔物と呼ばれる存在がどれほどのものなのか非常に興味を持ったのである。
だが、この村はそう大きな村ではなくい上に村の人々も人がいい人ばかりだ。恐らく俺くらいの子供が一人でそんな場所へと立ち入ろうとすれば、何かしらのルートでお母さんへ情報が伝わり、俺の行動が白日の下にさらされることになってしまうだろう。
そうなれば、最悪俺は一人での外出という権利そのものを失ってしまうという事態になりかねない。故に俺は、いつも陰影魔術により自身の姿を少し希薄にし、その存在を悟られにくくした上で、森へと侵入していた。正直俺の陰影魔術なんてものはたかが知れており、あっちの世界において少し知識と経験のあるものにならすぐにでも見破られてしまう程度のものだが、それでもこの世界の人々のレベルなら十全に通用し得る。
「―――Magicae circuit, satus-sursum」
《―――魔術回路、起動》
俺は今日もいつも通り物陰に隠れ、魔術回路を起動。問題なく魔力が流れていることを確認すると指を弾いた。
―――パチンッ
小気味のいい音があたりに響く。
直後、魔術回路に意味が与えられ魔術が発動。俺の存在は希薄になり、俺の思惑通り他者に認識されにくくなった。
この程度の魔術なら回路さえ起動していれば詠唱も鍵言も必要ない。ただ指を弾くというその動作を鍵言の代わりとするだけで、魔術回路に意味を与え、魔術を発動することができる。
これがもっと複雑かつ、強大な神秘を引き起こす魔術であればこうはいかないだろう。
「よし、問題ないな。それじゃあ早速向かうとしよう」
そうして俺はまずはウォーミングアップと言わんばかりに、身体中の魔術回路に魔力を巡らせたまま、森の中へと全力疾走で突入する。
森に入るとすぐに陰影魔術を解き、暗い森の中を子供とは思えぬ速さで駆けていく。
魔術回路は起動して、そこに魔力を流しているだけでも通常よりは秀でた身体能力を手に入れることが可能だ。多少の無理をして魔術回路を作る副次的効果ともいえるかもしれない。体中を巡る神秘の源である魔力が少なからず肉体そのものに影響を与えるのである。
よって、今の俺はただ走っているだけとはいえ、その速度は中々のものがある。恐らく今の俺ならこの体でも自転車位なら軽く併走できるだろう。もっとも、自動車やバイクにとなると流石に魔術を使わないと難しくなってくるが、現状そこまでの速さは必要ではないから問題はない。
とにかく、そうして俺は森の中を駆け抜けていく、すると、間もなく近くで魔力反応があった。魔物である。彼らは多かれ少なかれ、魔物たる所以としてその体内に魔力を所持しているため、魔術師である俺には一定以上近づけばその存在を把握できるのだ。
「―――おっ早速かな?」
俺はそう悟ると、詳しい距離と位置を確かめるために探索魔術を発動させる。と言っても、この魔術を使うのに詠唱の必要はない。なぜなら名前こそ探索魔術などと大層なものではあるが、その実、この魔術は自分の魔力を一定範囲に放ち、その反響などから場所を察知する簡易ソナーのようなものなのだ。やることも、物に当たると反響するように、魔力を変換し、そこから脳内にその情報からイメージを創り出せるようにするだけなので、そこまでの詠唱は必要としない。
故に、この程度のものであれば、ある一定の動作を行うことで、その意味を成すように魔術回路、つまり体に覚えさせておけばそれのみで事足りる。この魔術のように使用頻度の高いものならなおさらだ。
俺は右手の中指と人指し指の二本指を立てると、それを額の前に持って行き、直後それを下方へと振り下ろす。瞬間、森の中を俺を中心にして魔力の波が地を這うように伝わっていき、やがて帰ってくる。
すると、俺の頭の中にはこの周辺半径にして数十メートル程の範囲に存在するもののイメージが鮮明に浮かび上がってきた。
―――一、二、三、四、五。ふむ、数は五か。距離は……うん、そんなに遠くないな。このペースで走ってたらあと数秒後には出くわす感じだ。なら、こちらも相対に備えるとしよう。
魔術回路は既に起動している。あとは強い想像と共に鍵言を唱え、そこに意味を与えてやるだけでいい。
「―――Access」
《―――接続》
そう想像、否、正確には記憶と言った方が正確か。
俺の得意とする数少ない魔術の内の一つであるこの魔術には、何よりも正確な記憶が必要となるのだ。
その形状、重さ、質感、その構造。そして傷の位置や色褪せ具合……その全てを鮮明に思い出さねばこの魔術は完成しない。
俺は自分の記憶に残る相棒、そのうちの一つを鮮明に想像する。
その無骨な感触、輝きを失った黒鋼、俺がこの感触を思い出せるようになるまでについた。否、つけられた無数の細かな傷。……その全ては未だに、例え身体が変わった今であっても鮮明に思い出せた。
「―――All process complete,Standby」
《―――全工程完了、待機》
ここに想像は成った。あとは鍵言を唱え、それを形にするだけ……。それだけで前世において俺が愛用した数ある武器、その内の一振りをこの場に再現することができる。
「―――Black-gladius,Generate!」
《―――黒剣、生成!》
直後、俺の右手、その手中に無骨な黒色の剣が出現した。その感触は寸分たがわず前世で振るっていたものと一致している。
これこそが俺の数少ない得意魔術の一つ、俺の記憶の中にある武装をこの手に再現することができる魔術、【記憶武装】だ。この魔術のおかげで、基本的に俺は魔力の尽きぬ限り、獲物をその手から失うことはない。前世でもかなり助けられた魔術の一つである。
だがこの魔術、一見便利なようで実はなかなかその制約が厳しい。先も言った通り、この魔術の使用には生成する武器の正確な記憶が必要になる。対象となった武器の構造から、質感、形状、重さ、自分の手に持った時の感覚まで、細かな記憶が必要となってくるのだ。そのために俺がどれほどの苦労をしたことか……
おかげで俺が生成できる武器もせいぜい数種類が限度だ。
その上、生成できる武器は自分の両手で持てる物のみとなればなおさらである。
まったくどうして、難儀な魔術であった。
それにしても、ここ数日外に出る許可を得るたびにこうして森までやって来てはこいつを手に修業しているけど、やはり使い慣れた武器を手にすると少し気合が入るな。これなら今日もいい動きが出来そうだ。
そして、俺が黒剣の感触を確かめながら暗い森を駆けること数秒後、俺は標的である数匹の魔物を視界に捉えた。
標的の名はゴブリン、緑色のぶよぶよとした皮膚を持ち、醜悪な容姿と小柄な体躯を併せ持つ魔物だ。彼らはそれぞれ武器を操り、個体差はあるが中にはそれなりにそれらを使いこなせる奴もいたりする。ここ数日で何度も戦った相手だ。
俺は視界に捉えたゴブリン共目指して、森を駆け抜ける。
身体強化は使わない、それでは鍛錬にならないし、身体強化が使えない時の対処が出来なくなってしまう。それ故に、身体への補助は魔術回路を流れる魔力による副産物のみ。
やがて距離が近づき、ここで奴らもようやく俺の存在を認識したのかキーキーと耳障りな声で喧しく騒ぎ始めた。
不快な鳴き声が森に響く、標的を前に、俺は右手の剣を再び強く握りなおす。
「さてと、それじゃあ……やるかな!」
俺は自信を鼓舞するようにそう言うと、眼前のゴブリンに向かって行った。
この年になると俺はとうとう危険な所に行かないようにという条件と共に、村を散策する権利をお母さんから手に入れることができたため、俺は毎日のようにあちこちを散策している。
そのおかげで俺はこの世界の文化レベルや、発展具合、それからこの村の人々の様子など様々なことを知ることができた。
まず、これは当初から予想していたことではあったがやはり、この世界では科学というものの発展は乏しい、否、むしろそう言った概念自体が存在しないと言った方が正しいだろうか? というのも、人々は何をするにも、魔法や魔道具をその代用品として使用しているからである。
例えば、火を起こしたければ火の属性元素が込められた火石というものに魔力を注いで火を起こし、水が欲しければ魔法が使えれば魔法で、なければ近くの井戸などに汲みに行くといった感じだ。
そして、二つ目が、今言ったことからも察することはできると思うが、化学が発展していない以上、文化レベルもかなり低い所でその発展を止めている。本来人間の文化の発展と成長というものは科学の発展と切っても切り離せないものがあるのだ。人々は科学を発展させ、その過程、又は結果としてその生活レベルを高く引き上げていく。だが、この世界にはそんな研究をせずとも魔法、正確には魔術なのだが、そんな便利なものが人々の間で当たり前のものとして浸透してしまっているが故にその発展はある一定に位置を持って停止。そのままの状態が続いてしまっているというのが現状らしい。
この現状は元の世界で言えば中世同じくらいのレベルとそこまで違いはないだろう。まぁもっとも、魔術が浸透してしまっているという点で既に同列には語れないのだが、それは言っても詮無い事だろう。
とにかく、俺はそうして情報収集の場所を室内から屋外へと変え、生活している。
と、同時に。お母さんには申し訳ないが、俺は堂々と一般的には危険とされる地域へと侵入し、調査、及び訓練を行っていたりもする。
実はこの村の近くには広大な森が広がっており、そこには魔物から何まで、多種多様な生物が生息しているのだ。俺はここに興味を持ち、また、この世界の魔物と呼ばれる存在がどれほどのものなのか非常に興味を持ったのである。
だが、この村はそう大きな村ではなくい上に村の人々も人がいい人ばかりだ。恐らく俺くらいの子供が一人でそんな場所へと立ち入ろうとすれば、何かしらのルートでお母さんへ情報が伝わり、俺の行動が白日の下にさらされることになってしまうだろう。
そうなれば、最悪俺は一人での外出という権利そのものを失ってしまうという事態になりかねない。故に俺は、いつも陰影魔術により自身の姿を少し希薄にし、その存在を悟られにくくした上で、森へと侵入していた。正直俺の陰影魔術なんてものはたかが知れており、あっちの世界において少し知識と経験のあるものにならすぐにでも見破られてしまう程度のものだが、それでもこの世界の人々のレベルなら十全に通用し得る。
「―――Magicae circuit, satus-sursum」
《―――魔術回路、起動》
俺は今日もいつも通り物陰に隠れ、魔術回路を起動。問題なく魔力が流れていることを確認すると指を弾いた。
―――パチンッ
小気味のいい音があたりに響く。
直後、魔術回路に意味が与えられ魔術が発動。俺の存在は希薄になり、俺の思惑通り他者に認識されにくくなった。
この程度の魔術なら回路さえ起動していれば詠唱も鍵言も必要ない。ただ指を弾くというその動作を鍵言の代わりとするだけで、魔術回路に意味を与え、魔術を発動することができる。
これがもっと複雑かつ、強大な神秘を引き起こす魔術であればこうはいかないだろう。
「よし、問題ないな。それじゃあ早速向かうとしよう」
そうして俺はまずはウォーミングアップと言わんばかりに、身体中の魔術回路に魔力を巡らせたまま、森の中へと全力疾走で突入する。
森に入るとすぐに陰影魔術を解き、暗い森の中を子供とは思えぬ速さで駆けていく。
魔術回路は起動して、そこに魔力を流しているだけでも通常よりは秀でた身体能力を手に入れることが可能だ。多少の無理をして魔術回路を作る副次的効果ともいえるかもしれない。体中を巡る神秘の源である魔力が少なからず肉体そのものに影響を与えるのである。
よって、今の俺はただ走っているだけとはいえ、その速度は中々のものがある。恐らく今の俺ならこの体でも自転車位なら軽く併走できるだろう。もっとも、自動車やバイクにとなると流石に魔術を使わないと難しくなってくるが、現状そこまでの速さは必要ではないから問題はない。
とにかく、そうして俺は森の中を駆け抜けていく、すると、間もなく近くで魔力反応があった。魔物である。彼らは多かれ少なかれ、魔物たる所以としてその体内に魔力を所持しているため、魔術師である俺には一定以上近づけばその存在を把握できるのだ。
「―――おっ早速かな?」
俺はそう悟ると、詳しい距離と位置を確かめるために探索魔術を発動させる。と言っても、この魔術を使うのに詠唱の必要はない。なぜなら名前こそ探索魔術などと大層なものではあるが、その実、この魔術は自分の魔力を一定範囲に放ち、その反響などから場所を察知する簡易ソナーのようなものなのだ。やることも、物に当たると反響するように、魔力を変換し、そこから脳内にその情報からイメージを創り出せるようにするだけなので、そこまでの詠唱は必要としない。
故に、この程度のものであれば、ある一定の動作を行うことで、その意味を成すように魔術回路、つまり体に覚えさせておけばそれのみで事足りる。この魔術のように使用頻度の高いものならなおさらだ。
俺は右手の中指と人指し指の二本指を立てると、それを額の前に持って行き、直後それを下方へと振り下ろす。瞬間、森の中を俺を中心にして魔力の波が地を這うように伝わっていき、やがて帰ってくる。
すると、俺の頭の中にはこの周辺半径にして数十メートル程の範囲に存在するもののイメージが鮮明に浮かび上がってきた。
―――一、二、三、四、五。ふむ、数は五か。距離は……うん、そんなに遠くないな。このペースで走ってたらあと数秒後には出くわす感じだ。なら、こちらも相対に備えるとしよう。
魔術回路は既に起動している。あとは強い想像と共に鍵言を唱え、そこに意味を与えてやるだけでいい。
「―――Access」
《―――接続》
そう想像、否、正確には記憶と言った方が正確か。
俺の得意とする数少ない魔術の内の一つであるこの魔術には、何よりも正確な記憶が必要となるのだ。
その形状、重さ、質感、その構造。そして傷の位置や色褪せ具合……その全てを鮮明に思い出さねばこの魔術は完成しない。
俺は自分の記憶に残る相棒、そのうちの一つを鮮明に想像する。
その無骨な感触、輝きを失った黒鋼、俺がこの感触を思い出せるようになるまでについた。否、つけられた無数の細かな傷。……その全ては未だに、例え身体が変わった今であっても鮮明に思い出せた。
「―――All process complete,Standby」
《―――全工程完了、待機》
ここに想像は成った。あとは鍵言を唱え、それを形にするだけ……。それだけで前世において俺が愛用した数ある武器、その内の一振りをこの場に再現することができる。
「―――Black-gladius,Generate!」
《―――黒剣、生成!》
直後、俺の右手、その手中に無骨な黒色の剣が出現した。その感触は寸分たがわず前世で振るっていたものと一致している。
これこそが俺の数少ない得意魔術の一つ、俺の記憶の中にある武装をこの手に再現することができる魔術、【記憶武装】だ。この魔術のおかげで、基本的に俺は魔力の尽きぬ限り、獲物をその手から失うことはない。前世でもかなり助けられた魔術の一つである。
だがこの魔術、一見便利なようで実はなかなかその制約が厳しい。先も言った通り、この魔術の使用には生成する武器の正確な記憶が必要になる。対象となった武器の構造から、質感、形状、重さ、自分の手に持った時の感覚まで、細かな記憶が必要となってくるのだ。そのために俺がどれほどの苦労をしたことか……
おかげで俺が生成できる武器もせいぜい数種類が限度だ。
その上、生成できる武器は自分の両手で持てる物のみとなればなおさらである。
まったくどうして、難儀な魔術であった。
それにしても、ここ数日外に出る許可を得るたびにこうして森までやって来てはこいつを手に修業しているけど、やはり使い慣れた武器を手にすると少し気合が入るな。これなら今日もいい動きが出来そうだ。
そして、俺が黒剣の感触を確かめながら暗い森を駆けること数秒後、俺は標的である数匹の魔物を視界に捉えた。
標的の名はゴブリン、緑色のぶよぶよとした皮膚を持ち、醜悪な容姿と小柄な体躯を併せ持つ魔物だ。彼らはそれぞれ武器を操り、個体差はあるが中にはそれなりにそれらを使いこなせる奴もいたりする。ここ数日で何度も戦った相手だ。
俺は視界に捉えたゴブリン共目指して、森を駆け抜ける。
身体強化は使わない、それでは鍛錬にならないし、身体強化が使えない時の対処が出来なくなってしまう。それ故に、身体への補助は魔術回路を流れる魔力による副産物のみ。
やがて距離が近づき、ここで奴らもようやく俺の存在を認識したのかキーキーと耳障りな声で喧しく騒ぎ始めた。
不快な鳴き声が森に響く、標的を前に、俺は右手の剣を再び強く握りなおす。
「さてと、それじゃあ……やるかな!」
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