うるせぇ!僕はスライム牧場を作るんで邪魔すんな!!

かかし

文字の大きさ
274 / 404
7歳の冬

ナイショ、ナイショ

「終わったぞー。」
「あ!父さん!」
「父さんだー!今日はそんちょうのおしごとおわりなの?」

無事にモリス市長を見送り、ウィルとアーサー、そしてモリス市長から直帰の許可を貰ったリースは子供達を迎えに行った。
どうやらハームンド達と一緒にお絵描きをしているらしく、床に寝転んで楽しそうにはしゃいでいる。
とはいえ各々の父親を見た瞬間、弾けたように起き上がって駆け寄って来たが。
ニールも、そしてクリスとカイルもお兄さんぶっては居るがまだまだ甘えたい盛りの子供だ。
我先にと抱っこを強請ってくる姿が可愛い。

「ああ!モリス市長が終わりにしてくれた!」

とはいえ、明日に回っただけなのだが。
それでもまぁ、今の時期はそんなに忙しい訳ではない。
半日分の仕事であれば、残業することなく終われるだろう。

「じゃあ、父さんもあそぼ!」
「あ、やっぱりダメ!ウィルおじさんもアーサーさんも、まだ入って来ちゃダメ!」

なので息子達とゆっくり戯れて癒しでも………と思ったのだが、突然そう言われてウィルとアーサーごと追い出されてしまった。
………え?一体何事?

「あ、やっぱり追い出された?」
《少し遅かったみたいね。》

混乱し地味に………というか割と泣きたい程にショックを受ける3パパの背中に、セドリックとファフナーがのんびりした口調でそう言った。
少し気になったから、今日の授業内容をアムルに聞いていたのだ。
それじゃあ多分父親達は迎えに行っても追い出されるなと思えば案の定。
呆然と子供部屋を見詰める大人の背中に、ちょっぴり笑いが込み上げたのは内緒だ。

「多分だけど、今日のお絵描きが終わるまで入れないよ。」
《逆にお絵描きが終わればお迎え来るわよ。それまでリビングで待ちましょう?》

ニヤニヤと。
似たような悪い笑みを浮かべるセドリックとファフナーにリース達は怪訝な表情を浮かべるが、廊下で蹲っても邪魔になるのは間違いないので渋々リビングへと向かう。
チラチラと、後ろ髪を引かれるように振り返りながら。

「あら。クリス達は?」
「追い出された………慰めて、マチルダ。」
「あらあら。」

リビングに戻って来た大人達を見て首を傾げたマチルダだったが、ふらふらとリースが寄って来たので言われた通りギュッと抱きしめてやる。
とはいえマチルダもシグルドを呼びに行った時にテーマ内容と描いている物を聞いたので、迎えに行こうものなら追い出されるだろうなと思っていた。
すっかりしょんぼりしている男達に苦笑をしながら、愛しい夫リースの背中を優しく撫でる。
もう少ししたら別の感情で泣いてしまうかもしれない、大きく愛しい背中を。
感想 62

あなたにおすすめの小説

スライム牧場番外編

かかし
BL
「うるせぇ!僕はスライム牧場を作るんで邪魔すんな!!」の番外編です。 思いついたネタを、思いつくままに。 完全不定期更新なのでご容赦ください。

運命の番は僕に振り向かない

ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。 それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。 オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。 ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。 ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。 ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。 ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。 完結しました!ありがとうございました。

愛され方を教えて

あちゃーた
BL
主人公リハルトは自分を愛さなかった元婚約と家族のために無惨に死んだ…はずだった。 次に目が覚めた時、リハルトは過去に戻っていた。 そこは過去のはずなのにどこかおかしくて…

転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。

星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。 前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。 だが図書室の記録が冤罪を覆す。 そしてレイは知る。 聖女ディーンの本当の名はアキラ。 同じ日本から来た存在だった。 帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。 秘密を共有した二人は、友達になる。 人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。

夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。

古森真朝
ファンタジー
 「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。  俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」  新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは―― ※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。

妹に婚約者を取られるなんてよくある話

龍の御寮さん
BL
ノエルは義母と妹をひいきする父の代わりに子爵家を支えていた。 そんなノエルの心のよりどころは婚約者のトマスだけだったが、仕事ばかりのノエルより明るくて甘え上手な妹キーラといるほうが楽しそうなトマス。 結婚したら搾取されるだけの家から出ていけると思っていたのに、父からトマスの婚約者は妹と交換すると告げられる。そしてノエルには父たちを養うためにずっと子爵家で働き続けることを求められた。 さすがのノエルもついに我慢できず、事業を片付け、資産を持って家出する。 家族と婚約者に見切りをつけたノエルを慌てて追いかける婚約者や家族。 いろんな事件に巻き込まれながらも幸せになっていくノエルの物語。 *ご都合主義です *更新は不定期です。複数話更新する日とできない日との差がありますm(__)m

愛さないと言われた妻、侍女と出て行く

菜花
ファンタジー
お前を愛することはないと夫に言われたコレットは、その日のうちに侍女のイネスと屋敷を出て行った。カクヨム様でも投稿しています。