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8歳の春
ウキウキ、イキイキ
「危険性については勿論だけど、もう一つ大きな課題がある。」
「かだい?」
「そう。“商売である”という、実績だな。」
正直、危険性に関してだが村にスライム種が居るということに対する嫌悪感や恐怖心などはシグルドやヘルギ、そして何故かアイドル状態のハームンドのおかげで薄れている。
村の外に居るスライム種に対しては当然警戒しているが、秋の間にスライム達が増えても特に騒ぎにはならなかった。
それどころか、まるで人間の子供が来たとでも言わんばかりのちやほや具合である。
とはいえ、それは弱きモノだから。
ヘルギとシグルドはもう既に仕事をしているが、それも大人の真似事としかみられていない。
未成年(推定)なので。
「価値観って言うのはそう簡単には変われないんだ。」
実際、ヘルギ達なんでも屋さんは現物支給だ。
未成年がやること=お手伝いの枠から、抜け出せてないからだろう。
クックス等の一部の大人は立派だと認めているが、他の大人達はただ便利に使っている。
「それは一種の搾取だ。こちらは現品しか受け取れないのに、こちらが何かしらを要求する際には金を要求する。」
その金をじゃあどうやって稼げば良いのか、そういう問題が出て来ている。
実際、今のヘルギ達はそこの壁に当たりつつある。
最初は現物支給で問題無かったのだが、求められることのレベルが上がるにつれて必要な道具などが出て来てしまい現物では難しくなってきている。
金は便利だ。
必要な物、様々な物に姿を変えることが出来る。
「一度金銭を受け取れるようになれば、話はスムーズだが………」
しかし村人としても、今まで現物で良かったモノを急に現金でと言われても困る話だ。
寧ろがめつい奴だという風に取られてしまう可能性だってある。
まぁ、ここの村人達はそんな風に思う人は居ないだろう。
だが逆に申し訳なさそうに謝罪されるかもしれないと思うと、余計にこちらから言い出しにくくなってしまってる。
「最初が本当に“お手伝い”だったからな。」
ウィルもそう呟いて、うーんと唸る。
思ったよりも、課題は山盛りだ。
そういえば普通になんでも屋と牧場が合流するルートで話をしていたが、実際はどうなのだろうか。
ニールもカイル達も違和感なく真剣に話を聞いていたので、そうだと信じたい。
「でもオレ達がみせいねんなのは、そうだし………がっこうも行ってないしね。」
「そうだ!学校!」
「ああ。」
《その手があったな。》
クリスが首を捻りながら言った言葉に、アムルは勢い良く反応した。
今までにない大きな声に子供達は驚いた表情を浮かべた、ウィルとアーサーは納得したように手を打った。
ちょっと良く分からなくてニール達が首を傾げると、アムルが説明してくれた。
「王都の学園以外にも、学ぶ場所はあるんだ。モリス市長は教育に力を入れてらしてね。それこそ隣街にもあるんだ。主に商人の子供達が入学しているらしいのだが………ニール達も入学しないか?」
「僕達が?」
経営の基礎を学べるしコネクションも作れる。
牧場の開始は随分先になるが、入学しておいて損はない。
「そしてなんでも屋の報酬は、学校に入学する為という体で現金にする。」
この村の人達は、子供が学ぶことを特に推奨している。
なので学校で学びたいのであれば、寧ろ喜んで現金に変更してくれる。
その提案にパッと顔を明るくしたニール達だったが、続けてアムルが言った言葉にニッコリとサッと絶望の色に染まった。
「ああ。勿論、本当に入学しないといけないから勉強の難易度を上げるぞ。入試がどの程度の難易度か分からないので、取り敢えず王都の学園基準にするか。」
「「「ひえっ!」」」
「かだい?」
「そう。“商売である”という、実績だな。」
正直、危険性に関してだが村にスライム種が居るということに対する嫌悪感や恐怖心などはシグルドやヘルギ、そして何故かアイドル状態のハームンドのおかげで薄れている。
村の外に居るスライム種に対しては当然警戒しているが、秋の間にスライム達が増えても特に騒ぎにはならなかった。
それどころか、まるで人間の子供が来たとでも言わんばかりのちやほや具合である。
とはいえ、それは弱きモノだから。
ヘルギとシグルドはもう既に仕事をしているが、それも大人の真似事としかみられていない。
未成年(推定)なので。
「価値観って言うのはそう簡単には変われないんだ。」
実際、ヘルギ達なんでも屋さんは現物支給だ。
未成年がやること=お手伝いの枠から、抜け出せてないからだろう。
クックス等の一部の大人は立派だと認めているが、他の大人達はただ便利に使っている。
「それは一種の搾取だ。こちらは現品しか受け取れないのに、こちらが何かしらを要求する際には金を要求する。」
その金をじゃあどうやって稼げば良いのか、そういう問題が出て来ている。
実際、今のヘルギ達はそこの壁に当たりつつある。
最初は現物支給で問題無かったのだが、求められることのレベルが上がるにつれて必要な道具などが出て来てしまい現物では難しくなってきている。
金は便利だ。
必要な物、様々な物に姿を変えることが出来る。
「一度金銭を受け取れるようになれば、話はスムーズだが………」
しかし村人としても、今まで現物で良かったモノを急に現金でと言われても困る話だ。
寧ろがめつい奴だという風に取られてしまう可能性だってある。
まぁ、ここの村人達はそんな風に思う人は居ないだろう。
だが逆に申し訳なさそうに謝罪されるかもしれないと思うと、余計にこちらから言い出しにくくなってしまってる。
「最初が本当に“お手伝い”だったからな。」
ウィルもそう呟いて、うーんと唸る。
思ったよりも、課題は山盛りだ。
そういえば普通になんでも屋と牧場が合流するルートで話をしていたが、実際はどうなのだろうか。
ニールもカイル達も違和感なく真剣に話を聞いていたので、そうだと信じたい。
「でもオレ達がみせいねんなのは、そうだし………がっこうも行ってないしね。」
「そうだ!学校!」
「ああ。」
《その手があったな。》
クリスが首を捻りながら言った言葉に、アムルは勢い良く反応した。
今までにない大きな声に子供達は驚いた表情を浮かべた、ウィルとアーサーは納得したように手を打った。
ちょっと良く分からなくてニール達が首を傾げると、アムルが説明してくれた。
「王都の学園以外にも、学ぶ場所はあるんだ。モリス市長は教育に力を入れてらしてね。それこそ隣街にもあるんだ。主に商人の子供達が入学しているらしいのだが………ニール達も入学しないか?」
「僕達が?」
経営の基礎を学べるしコネクションも作れる。
牧場の開始は随分先になるが、入学しておいて損はない。
「そしてなんでも屋の報酬は、学校に入学する為という体で現金にする。」
この村の人達は、子供が学ぶことを特に推奨している。
なので学校で学びたいのであれば、寧ろ喜んで現金に変更してくれる。
その提案にパッと顔を明るくしたニール達だったが、続けてアムルが言った言葉にニッコリとサッと絶望の色に染まった。
「ああ。勿論、本当に入学しないといけないから勉強の難易度を上げるぞ。入試がどの程度の難易度か分からないので、取り敢えず王都の学園基準にするか。」
「「「ひえっ!」」」
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