うるせぇ!僕はスライム牧場を作るんで邪魔すんな!!

かかし

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8歳の春

誕生日すごい!

―――王様になったかも、しれない。

クリスとカイル大親友からは羽兎フェザーラビットの尻尾で作った幸運のお守り。
ウィルからはウエストポーチのように使えるヒモの長い巾着袋。
ニールとシグルドからは手作りの釣り竿。
リースとマチルダからはたくさんのごちそう。
アムルとアーサーはペーパーウェイト。
クィル神官からは羽ペンとペン立て。
ハームンドやちびっ子スライム達は、それぞれヘルギの姿を描いた絵。
しかもハームンドからはだいすきの文字付き!
誕生日すごい!
でも調子に乗りそうで誕生日こわい!

「何で釣り竿なんだ?」
「さいきん、つりをおしえてもらったんだって。まだ子供だから一人じゃできないけど、ときどきおしごと終わりのもんばんさん達としてるんだって。」

その時に大人達が釣り竿を巧みに操っているのを見て、ヘルギは格好良いなと思ったのだ。
いつぞや大興奮でそう話しているのを聞いて、誕生日プレゼントにしようと決めたのだ。
とはいえ作ったことなんてなかったので、ウィルやアーサーに相談してかなり手伝ってもらったのだが。
糸の設置が、難しかった。

「でも気を付けてね。ヘルギがこわいことになったり、あぶないことになったりしたらかなしくて泣いちゃう。」

ニールがそう言えば、ヘルギは真剣にこくりと頷いた。
ヘルギはやんちゃではあるが、家族を悲しませたい訳ではない。
寧ろ悲しみに人(?)一倍敏感なのである。
まぁ、未だにかなりのやんちゃはするが。

「生活もだいぶ楽になったし、今度一緒に釣りに行くか。」

ウィルの言葉に、ヘルギはパッと表情を明るくした。
表情なんて無いので、実際はそんな雰囲気を出したという方が正しいのだが。
正直じっとしなきゃいけない釣りは得意じゃないのだが、大好きなお父さんと一緒に出来るのならば好きになれそうだ。
誕生日すごい!
好きになれそうなことも、増えた。

「僕もしたーい!」
「良いぞ。」
「いいな!お父さん、オレ達も!」
「つりしたい!」
「おっ、するか?危ないからお父さんと居る時だけな。」

一斉に釣りブームが起きそうな雰囲気だが、果たしてどこまで続くのかと父親達は内心苦笑した。
ニールやシグルドはもしかしたら続けるかもしれないが、ヘルギとクリスとカイルは正直、すぐ止めそうな気はしている。
如何せん、ジッとしていることが苦手な子供達なので。
ただ………

《釣りか。忍耐力の特訓にはなりそうだな。》
「にんたいりょく?」
《我慢することだよ。格好良くて強く賢い大人には大事な素質だぞ?》

アーサーがそう説明すると、2人と1匹はキラキラとした眼差しでアーサーを見た。
まぁ、ヘルギに目は無いので雰囲気だが。

「かっこいい………」
「つよい………」

ごくりと、生唾を飲み込むクリスとカイル。
そして興奮したように跳ねるヘルギ。
ちょっと大袈裟に言い過ぎかもしれないと、アーサーはちょっぴり後悔した。
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