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8歳の春
幸せな夜
楽しかった誕生日パーティーは、もうおしまい。
キラキラのガラスクズのモービルは、また来年以降も使えるからと割れないように大事に木箱の中にしまった。
思ったよりも時間が掛かった着せ替え時間で開けきれなかったプレゼントは、明日以降流れ作業にはなるが大人達で開封していく予定だ。
と、いうのも………
「ハームンドー。」
「寝るぞー。」
ハームンドが思ったよりも、おめかしを気に入ってしまったからだ。
今も帽子を被ったまま姿見の前でじぃっとしている。
可愛い。
可愛いのだが、お父さんとしては早く寝て欲しい。
「いっぱい作ってもらってるから、今日はもう寝て明日から被ろうな。」
ウィルがそう声を掛けるが、ハームンドはイヤイヤとボディを横に振った。
滅多とないワガママはスペシャル級に可愛いのだが、子供は寝る時間なので………そして朝食の時間がすごく早いので本気で寝て欲しい。
帽子を脱がせてニールに渡し、ハームンドを小脇に抱える。
多分、人間の子供だったら泣いているだろう勢いで暴れるハームンドはすっかり拗ねてしまったらしく、ヘルギの後ろに隠れて不機嫌そうにヘルギのボディにぐりぐりと自分のボディを擦り付けた。
「ハームンド、明日のおぼうしをえらんでからねんねしよっか。」
そんなハームンドのボディをそっと撫でてやりながら、ニールはそう慰めた。
折角のお誕生日、悲しい感情で終わってしまうのは可哀想だ。
そんなニールの言葉を聞いて、ハームンドはそろそろとヘルギの後ろから出て来た。
「どれにする?」
色々な種類の帽子が入っている木箱を、ハームンドはキラキラの詰まった宝石箱を見るような雰囲気で見ている。
どのお帽子にしようかな………。
ハームンドは一度箱から離れると、ウィルのズボンをグイグイと引っ張り始めた。
どうしたのかと思えば、木箱の前でしゃがむように促される。
「お父さんにえらんでほしいみたい!」
「ご機嫌が直って何より。じゃあ、これにするか?」
ウィルが手に取ったのは、三毛柄の猫耳が付いた帽子。
ニールのお気に入りのサイズ違いだ。
「ニールとお揃い。ニールも明日この帽子被ってやれ。」
「うん!」
ウィルとニールの言葉に、ハームンドはぴょんぴょんと跳ねて喜んだ。
大好きなお兄ちゃんとお揃い!嬉しい!
そんなハームンドを見てニールも嬉しくなって、ハームンドを抱き上げた。
猫耳帽子のハームンド、絶対可愛い。
ハームンドのひんやりボディに頬をすりすりしてやれば、ハームンドも真似するようにすりすりとボディを押し付けてきた。
可愛い………。
仲良しな光景を見て、ウィルとシグルドはしみじみとそう思った。
ヘルギは間に挟まりたそうに見ている。
それはそれで、絶対に可愛い。
「ヘルギもしよー!」
ニールはそう言って、ハームンドを抱えたままベッドに寝転んだ。
流石にヘルギとハームンドとを抱えることは出来ないので。
ヘルギは1回だけぴょいっと跳ねると、遠慮なくハームンドにぴったりとボディを寄せてすりすりとした。
ニールとヘルギで、ハームンドを挟む形だ。
なんだこれ。
幸せ空間か。
「シグルドとヘルギのネクタイも揃いのやつありそうだな。探してみるか。」
よしよしとベッドのカタチのシグルドを撫でる。
というか、探したら全員同じ柄のやつありそうだ。
ウィルはそう思いながらふわりと一つ、欠伸をした。
キラキラのガラスクズのモービルは、また来年以降も使えるからと割れないように大事に木箱の中にしまった。
思ったよりも時間が掛かった着せ替え時間で開けきれなかったプレゼントは、明日以降流れ作業にはなるが大人達で開封していく予定だ。
と、いうのも………
「ハームンドー。」
「寝るぞー。」
ハームンドが思ったよりも、おめかしを気に入ってしまったからだ。
今も帽子を被ったまま姿見の前でじぃっとしている。
可愛い。
可愛いのだが、お父さんとしては早く寝て欲しい。
「いっぱい作ってもらってるから、今日はもう寝て明日から被ろうな。」
ウィルがそう声を掛けるが、ハームンドはイヤイヤとボディを横に振った。
滅多とないワガママはスペシャル級に可愛いのだが、子供は寝る時間なので………そして朝食の時間がすごく早いので本気で寝て欲しい。
帽子を脱がせてニールに渡し、ハームンドを小脇に抱える。
多分、人間の子供だったら泣いているだろう勢いで暴れるハームンドはすっかり拗ねてしまったらしく、ヘルギの後ろに隠れて不機嫌そうにヘルギのボディにぐりぐりと自分のボディを擦り付けた。
「ハームンド、明日のおぼうしをえらんでからねんねしよっか。」
そんなハームンドのボディをそっと撫でてやりながら、ニールはそう慰めた。
折角のお誕生日、悲しい感情で終わってしまうのは可哀想だ。
そんなニールの言葉を聞いて、ハームンドはそろそろとヘルギの後ろから出て来た。
「どれにする?」
色々な種類の帽子が入っている木箱を、ハームンドはキラキラの詰まった宝石箱を見るような雰囲気で見ている。
どのお帽子にしようかな………。
ハームンドは一度箱から離れると、ウィルのズボンをグイグイと引っ張り始めた。
どうしたのかと思えば、木箱の前でしゃがむように促される。
「お父さんにえらんでほしいみたい!」
「ご機嫌が直って何より。じゃあ、これにするか?」
ウィルが手に取ったのは、三毛柄の猫耳が付いた帽子。
ニールのお気に入りのサイズ違いだ。
「ニールとお揃い。ニールも明日この帽子被ってやれ。」
「うん!」
ウィルとニールの言葉に、ハームンドはぴょんぴょんと跳ねて喜んだ。
大好きなお兄ちゃんとお揃い!嬉しい!
そんなハームンドを見てニールも嬉しくなって、ハームンドを抱き上げた。
猫耳帽子のハームンド、絶対可愛い。
ハームンドのひんやりボディに頬をすりすりしてやれば、ハームンドも真似するようにすりすりとボディを押し付けてきた。
可愛い………。
仲良しな光景を見て、ウィルとシグルドはしみじみとそう思った。
ヘルギは間に挟まりたそうに見ている。
それはそれで、絶対に可愛い。
「ヘルギもしよー!」
ニールはそう言って、ハームンドを抱えたままベッドに寝転んだ。
流石にヘルギとハームンドとを抱えることは出来ないので。
ヘルギは1回だけぴょいっと跳ねると、遠慮なくハームンドにぴったりとボディを寄せてすりすりとした。
ニールとヘルギで、ハームンドを挟む形だ。
なんだこれ。
幸せ空間か。
「シグルドとヘルギのネクタイも揃いのやつありそうだな。探してみるか。」
よしよしとベッドのカタチのシグルドを撫でる。
というか、探したら全員同じ柄のやつありそうだ。
ウィルはそう思いながらふわりと一つ、欠伸をした。
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