うるせぇ!僕はスライム牧場を作るんで邪魔すんな!!

かかし

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8歳の夏

どっちもどっち

ニールがセドリックから少しくらい離れても平気になった頃合いを見計らって、セドリックは発情っぽい何かが神様に仕組まれたモノだとウィル達に説明をした。
ただの夢と切り捨てるには、あまりにも鮮明な夢。
気にし過ぎだと笑われるかと思いながらも話したが、全部話し終わった後にアーサーが頭を抱えたのでどうやらやはりただの夢ではないようだ。

《あの方は………一体何をしてるんだ………》
「最悪だ………思ったよりもニールのこと気に入ってないか?」

幼子の純粋な願いを、神が叶えようとした。
どういう思惑が創造の神イレイラにあったかは分からないが、結果としてそうなってしまっている。
神殿が聞けば発狂しそうな内容だ。
更に言えばあまりにも距離が近過ぎて神隠しに遭う危険性だってある。

《神々が夢に現れることを夢渡りというのだが………涙の件以降も渡っていたのか………》
「私も時折破壊の神メルトラ様が夢渡りをされますが、まさかそんなことになってるとは………もしかして、ニールと頻繁に会ってるのを言ってない?」

クィル神官はそう呟いて、背筋をゾッとさせた。
もしかして、神々の姉弟喧嘩に巻き込まれる可能性があるのではないだろうか。
そうなった時、人間なんて言葉通り存在だ。
勘弁して欲しい。

「嫌いだ嫌いだとは言っていたけれど、どう考えても気に入ってるよね………」
「素直になれないチビ共の嫌いと同じ意味なんだろうな………」

あれは子供がするから可愛げがあるのであって、大人がしても可愛くない。
しかも絶対的な力を持つ神がするのであれば、尚更のこと。
大体、こうして今ニールが時点で、完全に嫌ってはいないということは丸分かりだ。

嫌っている、愛していない。

もし本当にそうなのであれば、ニールはウィルに出会うこともなく死んでいた筈だ。
創造の神イレイラは、愛していない相手に幸福や生を与えることはない。
それなのにわざわざ本来ヒトには訪れない発情を与えるなんて、気に入ってる以外のなにものでもないだろう。
本当に厄介だ。

《とはいえ、神隠しは余程のことがない限りしない筈だ。》

しかしアーサーは頭を抱えながらもそう言った。
創造の神イレイラ創造の神イレイラ自身の基準から逸れる存在を特に嫌う。
その基準から一番逸れているのが、スライム種だ。
唯一、創造の神イレイラが創っていない存在。
完全な不幸を与えることが出来ない、唯一の存在。
そんなスライム種に一番近いニールを、わざわざ懐に入れるようなことはしないだろう。
それに、創造の神イレイラはルッキズムの権化だ。
子供特有の可愛さは持っているが、アムルやセドリックのように見目が良い訳ではない。

「ああ?ニールは可愛いだろうが。」
「そうだそうだ!ニールは世界一だ!」
《おっ。お前ら、欲目って知ってるか?世間一般的に可愛いって言うのは、アムルみたいな子を言うんだ。》

アーサーはちょっぴりイラっとしながらも、豪快に笑う。
しかしアムルはどちらかと言えば綺麗系なので、欲目なのはアーサーもである。
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