うるせぇ!僕はスライム牧場を作るんで邪魔すんな!!

かかし

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8歳の夏

ちょっとちがう

「セディお兄ちゃん、べんきょうおしえてー。」
「良いよ。どこで躓いた?」

あの3日間の発情期もどきですっかり落ち着いたのか、ニールは普段通りなんでも屋さんをお手伝いしたり勉強をしたりして過ごしている。
今日もアムルから与えられた課題を必死になって解いていたのだが、徐々に難しくなる問題達に頭が爆発しそうになった。
本当なら逃げ出して遊びたい。
しかしカイル達と一緒に将来的に街の学校に行きたいと相談した際に、じゃあ勉強を頑張る時間を長くしようとアムルに提案されたのだ。
学校では、ほぼずっと勉強をするのだからと。
学園での生活をアムルやセドリックに聞いたのだが、これは確かに慣れないと難しいと3人ニール達1匹ヘルギは困惑しつつも実践することにしていた。

「これ………ヘルギに聞いたけど、せつめいむずかしくてわかんない………」

むぅっと唇を尖らせてそう言うニールに、セドリックは苦笑した。
ヘルギはかなり頭が良い。
時にシグルドやアムルを唸らせるくらいには賢いのだが、直感型なので教えるのには向かない。
ここは分かってるだろうという思い込みで、説明をすっ飛ばすことがあるのだ。

「良いよ。おいで。」
「うん!」

手招きすれば、ニールは当たり前のようにセドリックの膝の上に乗る。
あの夜を超えてから、ニールはスキンシップが多くなった。
多くなったというか、ウィルやシグルド達に対しては基本的にこんな感じなので、あの夜で漸くつがいとなったということなのだろう。

セドリック自身も、精神が安定したような気がする。
過剰なまでの独占欲が、多少抑えられるようになった………気がするのだ。
多分、きっと、メイビー。

「わかったぁ!」
「本当?ここから先、やってみる?」
「うん!」

セドリックの解説を真剣な顔で聞きながら問題と向き合っていたニールだったが、やがて納得がいった瞬間ににぱっと花が咲くような可愛い笑顔をセドリックに向けてくれた。
100点満点に可愛い。
精神的に落ち着こうが、恋による盲目さは落ち着かないものだ。
寧ろに関しては日々悪化の一途を辿っているような気がする。

「できたっ!」
「見せて。………うん。正解。ここから先の問題はこの問題を応用したら解けるから、やってごらん。」
「うん!でも先にクリスとカイルにおしえてくる!セディお兄ちゃんはまっててね!」
「うん。待ってるよ。」

よしよしとセドリックに撫でられてご機嫌だったニールだが、今教えてもらったことが零れてしまう前に復習したいと膝の上から降りた。
復習に丁度良いのは、他人に教えることである。
でもセドリックにもっと引っ付きたいので、教え終わったらまた戻ってこよう。
ニールは勉強道具一式を持って駆け出した。

「………随分レベル高いんだけど、アムル分かってんのかな。」

そんなニールの背中を見ながら、セドリックはぽつりと呟いた。
確かに8歳くらいの範囲内ではあるが、あくまで貴族の子供の話だ。
ニール達が行きたいのは平民の学校なので、レベル差がありすぎる。
そこを分かっているのだろうかと思うけれど、多分、分かってないのだろうなぁ。
元貴族だし。
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