突撃!門工サバゲー部!~ウクライナを救った6人のミリオタの物語 第1章「国内大会編」~

たぬ吉R&D&P

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第1章

1-2「門真工科高校入学式」

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「門真工科高校入学式」
 2022年4月5日、緑の葉が半分を占める散りかけの桜の樹が校門の両サイドにそびえ立つ門真(かどま)工科高校の門の前には「令和4年度新入生入学式」と筆文字で書かれた看板がワイヤーで止められていた。

 (あー、今日から私の3年間の「花の高校生活」が始まるんだべ!いっぱいいい思い出を作るべよ!あー、青森弁は隠さないとだめだよねー!よろしくね門工(かどこう)!)身長149センチでこれからの3年間で身長が伸びることを期待して購入した袖が余る真新しい制服姿で期待に小さな胸を膨らませて三菱零は門をくぐった。
 体育館での入学式の後、壁に貼られたクラス分け表を見て教室に入り、一通りの自己紹介の後、教科書を受け取ると初日の予定は終わりだった。教室を出ると、1年生の教室から下足室に行くまでの廊下はクラブ勧誘のチラシを持った、各々のクラブのユニフォームを着た上級生たちでいっぱいだった。

 「ねぇ、もう入るクラブ決めてんの?うちの部室でたこ焼きでも食べながら話せえへん?」、「君かわいいなぁ!うちのクラブのマネージャーやらへん?イケメン、マッチョがいっぱいおるで!」、「一緒に青春の汗流さへんか?女の子は少ないよって、モテモテ間違いなしやで!」と溢れる大阪弁と配布チラシの海の中を、「ごめんなさい」、「もう決めてますんで」、「ちょっと通してください。」と零は小さな体を勧誘者の隙間をぬって進んでいった。

 (サバゲー部…、サバゲー部はいないのかな?)と零は探しながら、進んでいった。少し進むと迷彩服を着た2人の大男と中肉中背、そして小柄な男とすらっと背の高いグラマーな女の子がモデルガンを肩にかけ、「来たれ「門工サバゲー部」!一緒にサバゲーで世界を目指さないか!」とべたな文句が書かれたチラシを手に持って並んでいた。その5人組の前で零は立ち止まり5人の顔を順に見つめた。
 一瞬、固まった4人の男より先に背の高い女の子が零に声をかけた。
「あなた、サバゲーに興味あるん?よかったら、部室で話せえへん?フランス軍のレーションもあるで!」

 短く切りそろえられた爪がきれいな細い指でチラシを渡され、零は緊張してしまい
「おねげーしますだ。」
と思わず青森弁が出てしまったが女の子は零を笑うことなく、零には優しく、メンバーには厳しく言った。
「じゃあ、あなたは、私についてきてな。私はマネージャーの愛知彗星(あいち・さとせ)。「さとせ」って呼んでもろたらええで。2年生やねん。よろしくな。
 部長は一緒に行くで!副長、隼君、紫電は引き続き勧誘をしっかりやっとってな。門工サバゲー部存続の危機やねんから気合入れて勧誘したってや!」


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