突撃!門工サバゲー部!~ウクライナを救った6人のミリオタの物語 第1章「国内大会編」~

たぬ吉R&D&P

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第1章

1-12「大会前日」

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「大会前日」
 土曜日の午後。門工サバゲー部の部室の窓から零と彗星が東の空を見ている。門真工科高校の東にそびえる生駒山にはうっすらと低い雲がたれ込めている。
「彗星先輩、明日の予選、天気もちますかねぇ?雨でもやるんですよねー?私、カモフラージュスーツ1着しか持ってないんですけど、どうしたらいいですかねぇ。彗星先輩はどうするんですか?」
「うーん、私は迷彩ポンチョがあるからずぶぬれは考えてないんだけど…。着替えは1着持って行くけど、予備を貸してあげたいけど零ちゃんとは身長差が20センチあるからちょっと無理よねぇ。
 試合間隔は最低30分はあくから一応、アイロンは持って行くようにするわな。ただ下着は自前でな。」
 
 スマホで天気アプリを開くと明日の生駒の天気は曇りのち雨。降水確率50%になっていた。(あー、雨は嫌だなぁ…。山岳フィールドだとドロドロになっちゃうしなぁ…。試合ごとにシャワーは使えないだろうし…、廃屋フィールドはまだましかな…。はぁ…。)
 そこに屠龍が元気よく入ってきた。
「おいおい、明日は大会やって言うのに、零ちゃんは「ため息」か?気合が足らんのとちゃうか?明日は雨かもしれへんから、バッテリーの防水加工したるから銃を出してんか?」
(あー、屠龍副長も雨の予想か…。いやだなぁ…。)と思いながら大会出場条件の中にある「一人1丁以上のカクイ製品を使用のこと」に合わせ5月に新品で買ったM4ショーティとグロッグ18Cとヤフオクで1000円でゲットしたカクゼンのワルサーPPKをテーブルの上に並べた。

 「零ちゃんは、この3丁で行くんやな。零ちゃん、「晴れ女」やし、今までの練習、全部晴れやったから、雨の中での弾込めしたことあれへんかったやろ。予備のマガジンはジップロックに入れときや。バイオBB弾に湿気は大敵やからなぁ。俺も、過去に弾濡らせてしもて、何回か詰まらせてしもたからな、気をつけるんやで。」
「はい、できれば、弾込めする機会がないことを祈ってますけどね。屠龍副長一人でバンバンフラッグ取りまくってくださいね!」
「あぁ、頑張るよ。ただ、俺と隼で組んだ作戦通りにいけへん場合もあるから、そこは、零ちゃんもサイドはアサルトやってもらう場合もあるって思っとってな。」

 屠龍は手際よく、バッテリーに防水テープを巻き動作を確認すると零に返した。
零の銃の選択の際には、疾風と屠龍でひと悶着あった。ともに「正論」なのだが、「違ったメリット」を主張する二人の論争は平行線をたどるだけで結論が出るまでに1週間を要した。
 零自身は、「銃はなんでもいいですよ。」と言い、「そんな考えではあかん!」、「真剣さが足らんぞ!」と二人から「藪からスネーク」で怒られた。
 最終的には零と同じく男として小柄な隼と同じ女子として彗星が出した意見、「149センチ38キロの零ちゃんが楽に使えること」として「小ささ」、「軽さ」を優先したアドバイスから、メインライフルは「M4ショーティ」を選択した。

 「M4ショーティ」は、要人警護や狭い室内での作戦向けにシールズがバレルごとアッパーレシーバーを交換してCQB(近接戦闘)むけにバレル長を10.3インチまでカットし、元のM4カービンの851ミリと比較すると705ミリとコンパクトになり、小柄な零に向いているだろうととの判断から選ばれた。零は「しょうちゃん」と名付けている。
 コンパクトと言いながらも、疾風や屠龍がM16を持った体格と銃の比率以上に銃は大きく見えてしまう。

 3つのステージに備えて、アサルトライフル、サブマシンガン、ハンドガンの3丁装備を主張する疾風と屠龍に合わせて、隼と彗星そして女子に優しい紫電が、サブマシンガン代わりにグロッグ18Cを、ハンドガンの予備(?)、ハンドガンはワルサーPPKを推した。
 下宿で独り暮らしの零の懐事情も考えて、ワルサーPPKに関しては、隼がカクゼンの中古をヤフオクで落札した。
 M4とグロッグは、屠龍と彗星も一緒に同じ店で購入することと「全国大会の本戦に出場したら「店の宣伝」をするから」と彗星の無茶な値切りで店長相手に1時間かけ勝ち取った値引き増額分を零に充ててくれた。
 M4用のカムフラージュカバーは、部室に会ったものを彗星が器用に裁縫道具で仕立て直してくれた。
 
 この1ケ月半、M4に1キロの板鉛を張り付け、朝と放課後の銃の「素振り」300回を隼とともに続け、腕周りは一回り太くなった。3.3キロのM4に1キロの重し、腰のベルトのホルスターにグロッグ18CにロングマガジンをつけたものとワルサーPPKを装着し、部員6人での毎日2キロから3キロのランニングで、今では陸上部の1500メートル選手のクラスメイトと体育の授業の中距離走ではいい勝負をするようになっている。

 部室に疾風と隼と紫電が大きなコンビニ袋をもって入ってきた。
「みんな、いよいよ明日が本番や。この2ケ月弱、ほんまによう頑張った。顧問の先生から、「体育会以上の練習をこなしてきたな。明日は頑張れよ!」って差し入れをもろてきた。」
とテーブルに置いた。隼と紫電がいすを並べ、零と彗星が飲み物を並べていった。(ん?お酒?)と缶をまじまじと見ると「ノンアルコールスパークリングワイン」と書いてあった。(先生も洒落が聞いてるべなぁ)と笑いが出た。
 彗星がロシアのレーションの副食の肉料理をスライスし紙皿に並べた。豚の塩漬けと鳥の燻製だった。

 疾風が立ち上がり、みんなもそれに続いた。疾風が声をかけ、みながそれに応えた。
「じゃあ、みんな、明日の「優勝」を祈念して「かんぱーい!」」
「かんぱーい!」


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