突撃!門工サバゲー部!~ウクライナを救った6人のミリオタの物語 第2章「ウクライナ戦場編」~

たぬ吉R&D&P

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突撃!門工サバゲー部2!

2-20「エピローグ、最後の激闘」

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「エピローグ、最後の激闘」
 「俺の零ちゃんになにさらすんじゃー!」
屠龍がモロゾフの顔面に渾身の拳を振り下ろした瞬間「バリバリバリ」と凄い音が響いた。屠龍は後ろ向きに倒れ階段を転がり落ち動かなくなった。(えっ、今のなんだべ?圧倒的に有利な態勢だった屠龍副長がなんでやられたんだべ?)零は何が起こったのかわからなかった。
「貴様―、屠龍に何しやがったー!許せへんぞー!」
と叫んだ疾風が階段の下でターンをかますと、猛スピードでモロゾフ目指して階段を駆け上がった。(やった、このタイミングとスピードなら、跳ね飛ばして疾風部長の勝ちだべ!)零は確信したが、衝突寸前でモロゾフはさっと左にかわし、疾風の首筋に黒い物体を当てた。再び「バリバリバリ」と大きな音が公園に響いた。(あ、あれは、スタンガン?) 疾風はTaurus2と一緒に階段横の植え込みに突っ込んだ。

 「メンドクサイヤツラダ。ココデコイツラモショブンシテオクカ」
とアタッシュケースからトカレフを取り出した。(あー、疾風部長と屠龍副長が撃たれてしまう!誰か助けてけろー!)心の中で叫んだ瞬間、「おっ、ようやく、お呼びがかかったな!騎兵隊の登場やでー!」と飛燕が現れ、「すうーっ」と零の身体に入りこんだ。

 (飛燕のおっちゃん、憑依するなら舩坂さんとかやないの?)、「まあ、零ちゃん、黙っとき!舌噛むで!」飛燕は零の小さな体をさっとブリッジの体勢から一気に起き上がると、モロゾフの正面からのタイガーマスクバリのサマーソルトキックでトカレフを蹴り飛ばした。
 モロゾフは、零の動きに一瞬怯んだが、零に七三の構えで正対した。「あの構えはバエヴォエサンボやな。」、(えっ、ボエボエマンボって踊りずらか?)、「いや、マンボやなくてサンボや!嘉納治五郎の弟子のワシリー・オシェプコフと帝政ロシア軍人のビクトル・スピリドノフが作った軍隊柔術の一つや。スポーツサンボと違って打撃技ありやから、零ちゃん、痣の一つや二つは覚悟してや。こいつはちょっとっ手ごわいぞ!」

 モロゾフがじりじりと距離を詰める。身長差で40センチ近くあり、リーチの差は歴然だ。ジャブをフェイントにしてモロゾフの長い脚でのローキックが飛ぶ。飛燕は零の踵で止めるが体重差は2倍はあり、飛燕はよろめいた。続いて繰り出された、左のフックに対して、飛燕は合気道の小手返しで受け返した。小柄な零の身体を軸にモロゾフは空中で半回転し、背中から階段に落ちうめき声をあげた。(凄い、飛燕のおっちゃん!今の技なんだべ?)と零が言い終わる前に、モロゾフは不安定な態勢から旋風脚風の左足払いを出した。飛燕は軽くジャンプでかわし、モロゾフの膝関節に踵から降りた。よからぬ方向に、モロゾフの足が曲がった。(きゃー、左足が変な角度になってるー!)

 モロゾフは右足一本で立ち上がると、起死回生の浴びせ蹴りに出た。飛燕は逃げずその中に体を飛び込ませ手首をとると四方投げで再びモロゾフの身体は宙を舞った。倒れたモロゾフの左ひじに踵を落とすと、「ゴリッ」っと鈍い音が響き、モロゾフは呻いた。右腕で手すりを握り片足で立ち上がり、手すりを背にして、内ポケットを探った。(飛燕のおっちゃん、ナイフだべ!気をつけて!)零が叫ぶと同時にナイフの先端を零に向けると親指でグリップにある突起を押した。「ちっ、スペナッズナイフか!」

 モロゾフの右手のナイフはグリップだけを残し、約20センチの先端は2メートル先の零に向けて秒速16メートルで打ち出された。(きゃー、やられたベー!)零は死を覚悟したが体に全く痛みは無かった。飛燕は右手の人差し指と中指でナイフを受け止め、目にも止まらぬスピードでモロゾフに投げ返した。モロゾフの右ひじの中央に突き刺さり、右腕がだらりとぶら下がった。
 モロゾフは、曲がった左腕で腰からキウイより少し大きいくらいの黒く丸い物体を取り出した。口でピンを抜いた。「ちっ、RGD-5手りゅう弾までもってやがったのか!」飛燕は瞬時にそれが何であるのかを把握し、周辺を確認した。
「オマエモミチヅレニシテヤル!」
零に体を預けようと倒れかかったその瞬間、飛燕は上段回し蹴りで左手の手りゅう弾を蹴り飛ばした。手りゅう弾は垣根の先の池に飛ばされ、2秒後轟音とともに大きな水しぶきを上げた。
 
 「ちょっとお痛が過ぎんなぁ!」と飛燕は呟くとモロゾフの背後に回り頸動脈を締めた。ものの十秒もかからず、モロゾフは沈んだ。遠くからパトカーのサイレンが近づいてきている。窓から隼がスマホを持って振り回している。
「おーい、遅くなってすまん!みんな大丈夫か?疾風のGPS追いかけてきたでー!」
と階段下に停まったパトカーの後部座席から隼、紫電、彗星が飛び降りてきた。同乗の警察官が、意識を失っているモロゾフに手錠をかけた。隼と紫電が植え込みで倒れている疾風と屠龍の頬を叩き意識を取り戻す。
 
 彗星は真っ先に零のもとに駆けつけ
「ごめんね、遅くなって!酷いことされへんかった?大丈夫やった?」
と零を抱きしめた。
「うん、大丈夫ずら。心配かけてすみませんでしたべ…。」
彗星の腕の中で右手は彗星の胸を、左手は彗星のお尻を撫でまわした。(あー、飛燕のおっちゃん、どさくさに紛れて何してるんだべ!感動のシーンでそれはダメだべよ!)、「まあ、ええやないか。結果オーライ。疾風君も屠龍君も意識が戻って、軽傷で済んだみたいやしな!」、(あーん、飛燕のおっちゃん、もう堪忍してけろー)零が心の中で叫ぶと彗星が真っ赤になり、乱れた吐息で零の耳元で言った。
「はふん、ああん、飛燕さん?それとも舩坂さん?今は人の目があるからやめて。後で時間はとるから…。」

 モロゾフは警察に連行され、門工サバゲー部の6人は後ほど門真署に出頭することを約束させられ、公園に残った。
「もー、疾風部長も屠龍副長も追いかけていったんはええけど、結局は零ちゃんに助けてもろたってどういうことよ!こんなんじゃ、零ちゃんのキスなんか夢の夢やで!」
と彗星が切れると疾風も屠龍も正座して、いいように言われるがままだった。
 「いや、彗星先輩、疾風部長も屠龍副長も命がけで助けに来てくれたんだべ。部長と副長が来てくれてなかったら、私は殺されてたところだったんずらよ。攻めるどころかお礼しないといけないと思ってるべ!」
うつむいていた疾風と屠龍が顔をあげる。
 零は、二人に手を差し伸べ立たせると、まずは疾風、続いて屠龍の両頬に手を添え、唇にキスをした。
「ありがとう、二人の守護神に感謝のチュー!」
といってほほえんだ。(ぎゃー、飛燕のおっちゃん何勝手にチューするだべー!絶対私がキスしたって誤解されたずらよ!どうしてくれるんだべー!)、「まあまあ、お礼せなあかんっていうから、若い男の子にはこれが一番のお礼やろ!まあ最後にいい思い出もたしたりんか!かかかか!」と飛燕は大笑いしたが、疾風と屠龍の意識は肉体を抜け二人は呆然と立ち尽くすだけだった。

 6人で並んで公園の階段を降りた。
「あー、サバゲー全国大会から、ウクライナへ!そして卒業式の今日、この日本でトカレフにGDP-5にスペナッズナイフか…。ほんまもんのサバイバルゲームをこの6人で体験したんやな。最後に零ちゃんにチューもしてもろたし、まあ、ええ思い出やわ。」
と疾風が言った。零は真っ赤になって口をとんがらせ言った。
「もー、気楽に言わないでけろ。日本で実弾なんかありえへんずらよ。やっぱり「サバゲー」は遊びでないとだめずらよ!」

 6人は一緒に笑った。笑顔の5人の一番後ろで零は飛燕に話しかけた。
「飛燕のおっちゃん、おっちゃんって実はすごい人やったずらか?凄い柔術だったし、余裕でスペナッズナイフは素手で止めるし、陰陽師の人が言ってたように、レジェンド兵士と同じくらいの凄い人やったってことずらか?」
「うんにゃ、わしはただのスケベな浮遊霊やで!さあ、警察の調書が終わったら、もう一回彗星ちゃんとハグさせてや!約束やで!」
飛燕は満面の「エロ顔」で零に答えた。

END


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