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漂流編
探索 05
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「ふかふかこの寝床すごい! なし、チクチク!!」
マリチャパは空いている寝室のベットに寝転ぶと転がったり布団を触ったりと大はしゃぎだ。いつもはわらを敷いて寝ているらしい。
「この向かいにフレーナが、その隣の部屋で俺は寝るから何かあったら言ってくれ」
「右側にトイレがあるから上がらないで平気だよ~」
「わかった!! 寝る!!」
とりあえずこの惑星で初めての人類と遭遇だ。分かった事を整理する事もかねて早めに寝る事を提案したのだ。
俺は部屋を出ると斜め隣の寝室に向かうと後ろからフレーナが付いてくる。
「いや、さすがに今日は別々に寝ような」
「うん、わかってる、でもほら忘れてる事ない?」
目を閉じて顔を上げてくるフレーナ……俺はそっとキスをした。
「えへへ、大好きだよ」
とろけるような笑顔のフレーナ……うーん、だんだん俺も本気で可愛いと思い始めてきている。このままで良いのか悪いのか。
……そして俺は今、完全に油断して周りの気配など気にしていなかった。
「おおっ!? 二人なにしてる? くっ付いた? なんで?」
「うわ、寝たんじゃ無かったのか!?」
「忠告フレーナ。トイレ行く!! マリチャパ思慮深いと村で噂、えへん」
どうやらフレーナの忠告を聞いてトイレに行こうと部屋を出た所、俺達の行為を見てしまったらしい。
「それなに!? 知らないマリチャパ!! 気になる凄い!!」
そして、グイグイと好奇心旺盛に聞いてくる。何やらマリチャパの興味を大きく引いてしまったらしい。
「こ、これはね、凄く仲良しな男女の挨拶なんだよ」
「駄目、女同士? 男女だけなのか? エイジ、マリチャパとする、それなら!!」
「いや、まて、会ったばかりの人は駄目な掟だ」
「そう、駄目だよ~ボクとエイジだけだよ」
「そうだったか、仕方がない掟なら……行く、トイレ!!」
掟という言葉が効いたのか、マリチャパはあっさりと諦めて行ってしまった。
何故か凄い食いついてきたな。男女別々に生きていた異星人が人間のキスを見て驚愕するアニメが大昔にあったが、まさにそんな感じなのか?
「ふふふ、見られちゃったね……それじゃあお休みエイジ」
フレーナは最後にギュッと抱きついてくると自分の寝室に入っていった。くっ、計算かも知れないが可愛いな。
しかしマリチャパの好奇心は凄い事がわかった。今後同じように質問攻めにされぬ様、迂闊な事はしないでおこう。
その後、俺はネジコに確認出来る範囲で調べて貰ったマリチャパの生体データを見る。
『スキャンデータに採取出来た髪の毛や老廃物から調べた結果、人類との適合率が99%だニョ』
ん? 1%も違うと人間とサルくらい変わってしまうとか聞いた事があるぞ……いやそれは遺伝子の話か。よくわからないがどうみても同じ人間に見える。
『もっと詳しく調べるのなら本格的な検査が必要だニョ。とりあえず簡単にわかる事から体内でイクシアに使用する……へその下あたりにある……器官に少し違いが見られるニョ』
体の中のイクシアを扱う為の器官は後天的に作られたものであって、イクシア発見前の人類には無かったはずだ。だが、マリチャパには違いはあれど同じ物が体内にあるというのはどういう事だろう?
『まだ情報が不足しているので断定は避けるニョ。もっとこの星を探索して他の人間にも接触してみないとなんとも言えないニョ。それまではネジコがいかにキュートなのかをしっかりと考えておくのがよいニョ』
まぁ、今の時点でそれがわかってもあまり意味が無いか、あくまでも頭の片隅に止めておこう。他にもアレルギーなどは持たなかったようなので、今後の食事は惑星外の物を出しても大丈夫だとの事……さて夜更かしは程々に寝る事にするか。
翌日も快晴だった。森の外はさぞかし暑いのだろうな。もっとも俺達のボディスーツは温度調節も可能なので問題ないのだが。
道中はマリチャパが戦い方を教えて欲しいと言われて、簡単にレクチャーしながら進んで行った。槍はメインウェポンじゃ無いが、この森なら俺のテクニックでも十分戦えるからな。
フレーナがイクシア魔法を教えると、小さな炎の魔法を習得できたようで大喜びしていた……何年掛けても出来なかったらしい。教える人間が違うだけでアッサリ習得出来るものなのだろうか?
「村、もうすぐ。歓迎、みんなきっと」
「どんな村なんだろうね? 辺境惑星の村と似た感じかな?」
「まぁ、着いてからのお楽しみだな」
1時間ほどで森が開けた場所に出た……遠くに集落っぽいのが見える。もちろん事前に探索データを元にしたマップで確認済みなのだが、入り口らしき場所に人が集まっている様だ。
「歓迎してくれるのかな?」
「いや、どうやって俺達が来た事がわかるんだよ? 違う事情だろう?」
「父上いた!! おーーーーい!!」
マリチャパは父親を見つけたらしく走り出した。15歳で1年も離れていたのならまだ寂しかったのかもしれないな。
俺達二人が入り口付近にやってくると、歓迎ムードと言うよりも微妙な空気で出迎えられた。なにやら二つの集団が睨み合っている様に見える。
「おぉ、エイジ、フレーナ……困った、せっかく歓迎違った」
「マリチャパ、恩人、前達? 感謝、族長、ボリチャパ、俺」
赤毛に獅子の様な鬣風のヘアスタイルで、その体にはマリチャパと同じ赤ラインのタトゥが見える。そして、猪革の腰蓑の真ん中……股間の部分に30センチほどの立派な白い角が反り返っていた。
「すまぬ、恩人、立て込み中だ、今」
「ひょろひょろ、こいつ何だ!! 弱そう!! くくくくっ」
向かい合う様に立っていたパイナップル頭風の大男は青いラインのタトゥをしている。そして何より目を引くのは腰蓑の真ん中にマリチャパの父親より大きな……50センチほどある……股間の角を装着している。
「エイジ……これって」
「言うなフレーナ、余所様の文化にケチをつけちゃいかん」
話を聞いた感じ、ムカチャパ族と仲が悪いと言われているブウラグン族が度々ちょっかいを掛けてくるらしいのだが、今回は留学? から帰ってきたブウラグン族族長の次男坊が嫁探しにわざわざ仲の悪いこちらまで来たらしい。
「帰れ、ボブラグン!! 嫌いお前!!」
「んん!? マリチャパ、まさか!? 良い匂いだ、なんだ!?」
驚いた顔でボブ……面倒だから略す……はマリチャパを見ると急に鼻息を荒くする。
「おおお、いい女なった、今、クソガキどチビ、昔!? 決めた、番俺の、気に入った!!」
「お前なんか、番、誰がなるか!! 体洗え、臭いから!!」
「族長の娘、マリチャパ。やれない、次男坊」
どうやらボブは1年で美人になったマリチャパに一目惚れしたらしい。というか、服は元のだけど、髪型とかもろもろフレーナが色々やったせいじゃね? そして本人も父親も反対という事だな……なんか置いてけぼりな感じだ。
「角、俺、デカい。聞け、俺言うこと。くくくくっ」
「くっ……一本角蜥蜴、もっと大きい、倒す」
「無茶、父上!! 困難、あれより大きい角!!」
「エイジ、ボク、話について行けないんだけど」
「あー、気持ちはわかる。多分、倒した蜥蜴の角の大きさでヒエラルキーが決まるって事じゃない?」
部族を跨いでも角の大きさで強者が決まるルールなのか。大きな角を持つ蜥蜴を倒すことで自分の武勇を示しているのだと思う……問答無用で殴り倒しちゃ駄目なのか?
「んん? むふーーーっ!? 良い尻、いい女、こいつも。変な服、髪色、俺、気にしない!!」
ボブはこちらを……正確にはフレーナを見ると再び鼻息を荒くする。凄いエロ目で気持ち悪い。
「えー、駄目だよ~ボクはエイジの物だもん」
そう言いながら嬉しそうに俺のに抱きつく。ボブはそれが気に食わないのか荒い鼻息のままこちらに向かって来る。
「不幸、こんなヒョロヒョロ、番。幸せ、子供産む、強い俺の」
俺はフレーナに向けて伸ばされたボブの手を掴むと背中側に引っ張り捻った。
やはりか……隊の中ではそれほどでも無かったのだが、この惑星では俺の強さで十分過ぎるほど通用する様だ。
「うがあああっ! 離せ!! 許さない、逆う、お前!!」
多分関節技なんて知らないのだろう、自分より小さな体の男に一瞬で拘束され、逃れようとすれば激しい痛みが肩にはしりボブは大いに混乱している。
「掟破り、森の部族以外。自業自得、お前。離してやって、すまない、客人」
マリチャパパにお願いされたので突き飛ばしながら離してやると、体勢を崩して地面に倒れた……地面と体の間に角があるので余計に痛そうだ。
しばらく痛みで動けなかったが、何とか復活すると今度はマリチャパの方へ向かっていく。
「文句言わせない、それなら、マリチャパ、俺の番にする」
「くっ、嫌だ。臭い、お前、嫌い」
「……マリチャパ」
とりあえずボブは当初の目的であるマリチャパにターゲットを絞った。マリチャパは嫌がっているが、角が自分より大きいボブにマリチャパパは逆らえない様だ。
「エイジ、助けてあげようよ」
「うーん、規約では何の協定も結んでいない惑星住民の問題に手を出すのはNGなんだがなぁ」
「帰還が困難な状況で惑星住民に協力を仰ぐのはギリギリセーフじゃ無かったっけ? これはその為の準備って事でどう? それにこのまま見過ごすのはボクとしてはちょっとねぇ~」
「……そうだな」
確かに仲良くなった相手を見捨てるのは俺としても後味が悪すぎる。ここは一つ手助けをすることにしよう。
……俺はボブとマリチャパの間に割って入った。
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部族の会話は見にくいですがあとちょっとなので我慢してください。ヒロも凄い面倒くさいです。
面白かったらぜひ【お気に入りに追加】や【感想】をよろしくお願いします。
それを励みにより一層、頑張ります。
マリチャパは空いている寝室のベットに寝転ぶと転がったり布団を触ったりと大はしゃぎだ。いつもはわらを敷いて寝ているらしい。
「この向かいにフレーナが、その隣の部屋で俺は寝るから何かあったら言ってくれ」
「右側にトイレがあるから上がらないで平気だよ~」
「わかった!! 寝る!!」
とりあえずこの惑星で初めての人類と遭遇だ。分かった事を整理する事もかねて早めに寝る事を提案したのだ。
俺は部屋を出ると斜め隣の寝室に向かうと後ろからフレーナが付いてくる。
「いや、さすがに今日は別々に寝ような」
「うん、わかってる、でもほら忘れてる事ない?」
目を閉じて顔を上げてくるフレーナ……俺はそっとキスをした。
「えへへ、大好きだよ」
とろけるような笑顔のフレーナ……うーん、だんだん俺も本気で可愛いと思い始めてきている。このままで良いのか悪いのか。
……そして俺は今、完全に油断して周りの気配など気にしていなかった。
「おおっ!? 二人なにしてる? くっ付いた? なんで?」
「うわ、寝たんじゃ無かったのか!?」
「忠告フレーナ。トイレ行く!! マリチャパ思慮深いと村で噂、えへん」
どうやらフレーナの忠告を聞いてトイレに行こうと部屋を出た所、俺達の行為を見てしまったらしい。
「それなに!? 知らないマリチャパ!! 気になる凄い!!」
そして、グイグイと好奇心旺盛に聞いてくる。何やらマリチャパの興味を大きく引いてしまったらしい。
「こ、これはね、凄く仲良しな男女の挨拶なんだよ」
「駄目、女同士? 男女だけなのか? エイジ、マリチャパとする、それなら!!」
「いや、まて、会ったばかりの人は駄目な掟だ」
「そう、駄目だよ~ボクとエイジだけだよ」
「そうだったか、仕方がない掟なら……行く、トイレ!!」
掟という言葉が効いたのか、マリチャパはあっさりと諦めて行ってしまった。
何故か凄い食いついてきたな。男女別々に生きていた異星人が人間のキスを見て驚愕するアニメが大昔にあったが、まさにそんな感じなのか?
「ふふふ、見られちゃったね……それじゃあお休みエイジ」
フレーナは最後にギュッと抱きついてくると自分の寝室に入っていった。くっ、計算かも知れないが可愛いな。
しかしマリチャパの好奇心は凄い事がわかった。今後同じように質問攻めにされぬ様、迂闊な事はしないでおこう。
その後、俺はネジコに確認出来る範囲で調べて貰ったマリチャパの生体データを見る。
『スキャンデータに採取出来た髪の毛や老廃物から調べた結果、人類との適合率が99%だニョ』
ん? 1%も違うと人間とサルくらい変わってしまうとか聞いた事があるぞ……いやそれは遺伝子の話か。よくわからないがどうみても同じ人間に見える。
『もっと詳しく調べるのなら本格的な検査が必要だニョ。とりあえず簡単にわかる事から体内でイクシアに使用する……へその下あたりにある……器官に少し違いが見られるニョ』
体の中のイクシアを扱う為の器官は後天的に作られたものであって、イクシア発見前の人類には無かったはずだ。だが、マリチャパには違いはあれど同じ物が体内にあるというのはどういう事だろう?
『まだ情報が不足しているので断定は避けるニョ。もっとこの星を探索して他の人間にも接触してみないとなんとも言えないニョ。それまではネジコがいかにキュートなのかをしっかりと考えておくのがよいニョ』
まぁ、今の時点でそれがわかってもあまり意味が無いか、あくまでも頭の片隅に止めておこう。他にもアレルギーなどは持たなかったようなので、今後の食事は惑星外の物を出しても大丈夫だとの事……さて夜更かしは程々に寝る事にするか。
翌日も快晴だった。森の外はさぞかし暑いのだろうな。もっとも俺達のボディスーツは温度調節も可能なので問題ないのだが。
道中はマリチャパが戦い方を教えて欲しいと言われて、簡単にレクチャーしながら進んで行った。槍はメインウェポンじゃ無いが、この森なら俺のテクニックでも十分戦えるからな。
フレーナがイクシア魔法を教えると、小さな炎の魔法を習得できたようで大喜びしていた……何年掛けても出来なかったらしい。教える人間が違うだけでアッサリ習得出来るものなのだろうか?
「村、もうすぐ。歓迎、みんなきっと」
「どんな村なんだろうね? 辺境惑星の村と似た感じかな?」
「まぁ、着いてからのお楽しみだな」
1時間ほどで森が開けた場所に出た……遠くに集落っぽいのが見える。もちろん事前に探索データを元にしたマップで確認済みなのだが、入り口らしき場所に人が集まっている様だ。
「歓迎してくれるのかな?」
「いや、どうやって俺達が来た事がわかるんだよ? 違う事情だろう?」
「父上いた!! おーーーーい!!」
マリチャパは父親を見つけたらしく走り出した。15歳で1年も離れていたのならまだ寂しかったのかもしれないな。
俺達二人が入り口付近にやってくると、歓迎ムードと言うよりも微妙な空気で出迎えられた。なにやら二つの集団が睨み合っている様に見える。
「おぉ、エイジ、フレーナ……困った、せっかく歓迎違った」
「マリチャパ、恩人、前達? 感謝、族長、ボリチャパ、俺」
赤毛に獅子の様な鬣風のヘアスタイルで、その体にはマリチャパと同じ赤ラインのタトゥが見える。そして、猪革の腰蓑の真ん中……股間の部分に30センチほどの立派な白い角が反り返っていた。
「すまぬ、恩人、立て込み中だ、今」
「ひょろひょろ、こいつ何だ!! 弱そう!! くくくくっ」
向かい合う様に立っていたパイナップル頭風の大男は青いラインのタトゥをしている。そして何より目を引くのは腰蓑の真ん中にマリチャパの父親より大きな……50センチほどある……股間の角を装着している。
「エイジ……これって」
「言うなフレーナ、余所様の文化にケチをつけちゃいかん」
話を聞いた感じ、ムカチャパ族と仲が悪いと言われているブウラグン族が度々ちょっかいを掛けてくるらしいのだが、今回は留学? から帰ってきたブウラグン族族長の次男坊が嫁探しにわざわざ仲の悪いこちらまで来たらしい。
「帰れ、ボブラグン!! 嫌いお前!!」
「んん!? マリチャパ、まさか!? 良い匂いだ、なんだ!?」
驚いた顔でボブ……面倒だから略す……はマリチャパを見ると急に鼻息を荒くする。
「おおお、いい女なった、今、クソガキどチビ、昔!? 決めた、番俺の、気に入った!!」
「お前なんか、番、誰がなるか!! 体洗え、臭いから!!」
「族長の娘、マリチャパ。やれない、次男坊」
どうやらボブは1年で美人になったマリチャパに一目惚れしたらしい。というか、服は元のだけど、髪型とかもろもろフレーナが色々やったせいじゃね? そして本人も父親も反対という事だな……なんか置いてけぼりな感じだ。
「角、俺、デカい。聞け、俺言うこと。くくくくっ」
「くっ……一本角蜥蜴、もっと大きい、倒す」
「無茶、父上!! 困難、あれより大きい角!!」
「エイジ、ボク、話について行けないんだけど」
「あー、気持ちはわかる。多分、倒した蜥蜴の角の大きさでヒエラルキーが決まるって事じゃない?」
部族を跨いでも角の大きさで強者が決まるルールなのか。大きな角を持つ蜥蜴を倒すことで自分の武勇を示しているのだと思う……問答無用で殴り倒しちゃ駄目なのか?
「んん? むふーーーっ!? 良い尻、いい女、こいつも。変な服、髪色、俺、気にしない!!」
ボブはこちらを……正確にはフレーナを見ると再び鼻息を荒くする。凄いエロ目で気持ち悪い。
「えー、駄目だよ~ボクはエイジの物だもん」
そう言いながら嬉しそうに俺のに抱きつく。ボブはそれが気に食わないのか荒い鼻息のままこちらに向かって来る。
「不幸、こんなヒョロヒョロ、番。幸せ、子供産む、強い俺の」
俺はフレーナに向けて伸ばされたボブの手を掴むと背中側に引っ張り捻った。
やはりか……隊の中ではそれほどでも無かったのだが、この惑星では俺の強さで十分過ぎるほど通用する様だ。
「うがあああっ! 離せ!! 許さない、逆う、お前!!」
多分関節技なんて知らないのだろう、自分より小さな体の男に一瞬で拘束され、逃れようとすれば激しい痛みが肩にはしりボブは大いに混乱している。
「掟破り、森の部族以外。自業自得、お前。離してやって、すまない、客人」
マリチャパパにお願いされたので突き飛ばしながら離してやると、体勢を崩して地面に倒れた……地面と体の間に角があるので余計に痛そうだ。
しばらく痛みで動けなかったが、何とか復活すると今度はマリチャパの方へ向かっていく。
「文句言わせない、それなら、マリチャパ、俺の番にする」
「くっ、嫌だ。臭い、お前、嫌い」
「……マリチャパ」
とりあえずボブは当初の目的であるマリチャパにターゲットを絞った。マリチャパは嫌がっているが、角が自分より大きいボブにマリチャパパは逆らえない様だ。
「エイジ、助けてあげようよ」
「うーん、規約では何の協定も結んでいない惑星住民の問題に手を出すのはNGなんだがなぁ」
「帰還が困難な状況で惑星住民に協力を仰ぐのはギリギリセーフじゃ無かったっけ? これはその為の準備って事でどう? それにこのまま見過ごすのはボクとしてはちょっとねぇ~」
「……そうだな」
確かに仲良くなった相手を見捨てるのは俺としても後味が悪すぎる。ここは一つ手助けをすることにしよう。
……俺はボブとマリチャパの間に割って入った。
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部族の会話は見にくいですがあとちょっとなので我慢してください。ヒロも凄い面倒くさいです。
面白かったらぜひ【お気に入りに追加】や【感想】をよろしくお願いします。
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