デビるん~contract a devil~

みつばちブン太

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第1章

セラフィ・聖川・アンジェリカ

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アンジェリカとハジメが向かい合って立っていた

「お前さ、本当に悪魔なのか?」

「だから最初から言ってたじゃない!!
あんたこそ最初に言ってよ!!」

「な、何をいえば良かったんだよ」

「そんなの決まってるじゃない!!
悪魔が取り憑けない体だってことよ!!」

「知るわけないだろう そんなこと」

「ていうかさ、契約しただけで私たち何も得られてないじゃない
あんたは悪魔の力を手にできてないんでしょ?
私だってあんたに取り憑く事が出来ない
何の契約だったのよ!!」

「それはこっちのセリフだよ!!
そもそもさ、お前の力って何なんだよ
俺の影に入る以外に何か力あるのかよ?」

「………、私はまだ子供だから他の力はまだないの」

「ということは、契約すれば悪魔の力の一部を手にする事ができるんだよね?
でもその悪魔に何の力もないとすれば?
もちろん契約した人間は何の力も手にすることはできない。
もっと言ってしまうとだよ、お前が俺に取り憑いたところで
お前の魔力が2倍になったとしても ないものは何も変わらないって事じゃないのか?」

「でもでも、悪魔も悪徳というものを積めばレベルアップして より極悪な悪魔になるんだよ?
今は たいした力はないけど私レベルアップするもん。」

「その悪徳というやつを積めば、テレレレテッテッテー♫みたいな音楽が流れて 悪魔は特殊能力を手にした!!とか表示されるのか?」

「あんたバカにしてる?」

「え!!違うの?」

「レベルアップするには 悪徳を積んでポイントを貯めた後に “魔界の商人”と呼ばれる悪魔を召喚するの
その悪魔がポイントを悪魔レベルに変換してくれるの
でね、一定のレベルまで上がると魔界の商人がオススメの特殊能力を身に付ける事ができるの」

「へぇ、レベル上げれば みんなが同じ能力を手にするわけじゃないんだね
その魔界の商人って悪魔は 見た目 恐ろしいの?」

「ものすっごく怖いよ!!……たぶん」

「たぶん? え?見たことないの?」

「ないよ」

「え?じゃあ 悪徳ポイントをレベルに変換したことはないの?」

「ないよ」

「じゃあお前レベル1のままじゃん」

「そういうことになるのかな?
でも私、日々悪徳を積んでるから魔界の商人を呼んだら一気にレベル上がるはずだよ!!」

「なんで今まで商人を召喚しなかったんだ?
お前、他に悪魔の仲間がいるのか?」

「いないよ、地球にいる悪魔は私だけだよ」

「1人しかいないんなら一刻も早く 1レベルでも高く上げようとするのが常識じゃないのか?
(てかちょっと待てよ?地球に悪魔がアンジェリカ1人なら桐崎響子が倒した卵って普通の蛇の卵じゃねぇのか?あいつよっぽど悪人じゃねぇか!!)」

「だから私は貯めて一気に使う派なの」

「ポイントカードかよ!! 
それより早くレベル上げろよ、そしたら俺も何か力を手にするんだろ?」

「じゃあ今からうちに来てくれる?
そこで魔界の商人を召喚しようよ」

「お前ひょっとして、今まで1人で魔界の商人を召喚するのが怖くて召喚しなかっただけなんじゃ……」

「そ、そんなわけないじゃない!!私はあの大悪魔サタンの孫なんだよ!!」

「まあいいや、周りもすっかり暗くなったから送っていってやるよ」

「本当だよ!!本当に怖いから召喚しなかったわけじゃないからね!!」

「はいはい」

ハジメはアンジェリカに促されるまま歩き始めた








「はい着きましたー」

「はいはい、着いたのね
ってここは教会じゃないか!!」

「そうよ、この敷地に私のお家もあるんだよ」

「え?お前 教会の子なの!!」

「そうだよ、私の名前セラフィ・聖川・アンジェリカだよ?
ちゃんとセラフィっていうクリスチャンネームが付いてるでしょ?」

「え? ………え?、クリスチャンの悪魔なの?どういう事よ?
“冷たーいホットコーヒー”とか “あったかーいアイスクリーム”くらい あり得ない事だろ!!」


「いろんな事情があるんだけどね、おじいちゃんが私を転生させる時に 時間の猶予ゆうよが ほとんどなかったらしいの
それで おじいちゃんは1番悪そうな人の所に私を転生させたの
でも結果、私が転生した所は 絶望的に人相の悪い神父がいる教会だったの」

「お前は そうとう複雑な人生を歩んでるな 少し同情するよ」

教会の門をくぐり 必死に隠そうとするが その存在感が溢れてしまっている建物の隣にある洋風の建物へ向かった


「ママーー、ただいまーーー!!!」

「アンちゃん何してたの!!もう真っ暗じゃない!!」

母親と思しき女性が現れた

「大丈夫だよ、このお兄ちゃんが送ってきてくれたから」

「あら、ずいぶん年上のお友達ね」

母親は少し驚いていたが 何の警戒心もない顔でハジメを見ていた

「娘を送ってくださって ありがとうございます。」

「このお兄ちゃん…、ハジメお兄ちゃんに私のお家は教会だよって言ったら
ハジメお兄ちゃんが どうしても見てみたいって言ったから連れて来ちゃった」

「あ、どうも、二子玉川ハジメと申します」

ハジメとアンジェリカの母親は軽く会釈えしゃくをした

「じゃあとりあえず 私の部屋に上がってもらうね」





アンジェリカの部屋は白で統一されていた、ベッドと勉強机以外はほぼ名詞を付けられるようなものはなく ごくごくシンプルな部屋だった

「この部屋は寝るか勉強するかの時しか使わないから何もないよ」

「でもキレイで清潔感があっていいね、まるで天使の部屋みたいだよ」

「天使だと? おのれ、まだ私を侮辱するか!!」

「いやいや、褒め言葉だよ、

「そう、ならいいんだけど」




「で、早速なんですが 魔界の商人を召喚しようと思うのですが」
取引をする悪代官のような顔でアンジェリカは斜め上にハジメを見上げた

「いきなりだな!! そんなに召喚したかったのか
で、そんなに怖かったんだね、かわいそうにね~
でも大丈夫だよ 今日はお兄ちゃんがいるからね」

「もう めんどくさーい!!
もうやるよ!!」

アンジェリカは部屋の中央に指先でマンホール大の円を描いた

「この円に六つの点を打ち……」

どうやらその点を結ぶと六芒星ろくぼうせいが完成するようだった

アンジェリカが最初の点に指を添えた、六芒星をなぞろうとしたその時



「アンちゃん、アンちゃーん」

一階からアンジェリカを呼ぶ母親の大声により儀式は中断された

「もう!!なーに?ママ」
大きな声でアンジェリカも返す

「今 裏のおばあちゃんがタクシーで帰ってきたから ちょっと手伝ってあげてくれる?」

「はーーい」
アンジェリカは元気よく返した


「めんどくせえなぁ ちくしょうが
裏に住んでるババアがよ 足を痛めちまってね
買い物とか出かけて帰ってきたら
私が手伝いしないと家にすら入れないんだよ あのババアは
手伝いなんかしたくないから 私がお金貯めて あのババアの家をバリアフリーにでもしてやろうかとたくらんでるとこなんだがな
じゃあとりあえず 手伝いに行ってくるから、待っててね
あーちくしょう!!めんどくせえなぁ!!」

ガチャ、バタン!!

トトーン♫トトーン♫トトーン♫

「憎まれ口叩いたくせに 足音はスキップじゃねぇかよ
転生した悪魔なのに
本当にいい子じゃねぇか
俺、感動しちまったじゃねぇか!!」

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