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祈りの魔法・・・【死者への手向け花と永久の夢】※
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フッと可笑しくなって笑ってしまう。遠くに見える争いの音と炎。剣の打ち合う音、弓矢が飛び交い、悲鳴が時折かすかに聞こえてくる・・・
リンデは王子に仕える魔術師だった。この国の中でも有数の強大な魔力を持ち、主である王家の第一王子であるユーリス殿下に仕えられることが何よりもうれしかった。
心優しい、少し優しすぎるところのある主だったがリンデはそんな主が好きだった。
そんな日々がずっと続いていくものだと思っていた・・・主の義母と義弟が王位を手に入れるために反乱を起こすまでは・・・
必死に戦う主と従う騎士たち、リンデも魔法であらゆる支援、攻撃を行った。だが、時が経つにつれて死者が増えていき・・・戦いが始まってもうじき二年が過ぎるというときには、こちらの軍勢はもうほとんどが死者か重症者ばかりになっていた。
そして・・・・・争いを終わらせるために出向いた和睦するための会談が行われる場所で主と私、騎士に待っていたのは無数の剣と・・裏切った数人の騎士の姿だった。
なんとか逃げ出して外には出たが、度重なる裏切りと死にユーリスはついに壊れてしまっていた。
「リンデ!!殿下を連れてこの場から逃げろ!!こんな国の恥さらしどもに殺されるのだけは・・・殿下の命を頼む!!こいつらは俺が引きつける、後を頼む!」
そういって叫び私たちを逃がしたのは、主の傍にいつも控えていた剣将と名高いグラン。
必死にユーリスと共にその場から離れる。しばらくしてから聞こえてきたのは剣の打ち合う金属音としばらくしてから聞こえてきた爆音と熱風、魔力を体内で爆発的に高めて解放する自分の命と引き換えにする自爆技だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「・・・・リンデ、」
「・・はい、なんですか、主様」
「もう、疲れたよ。誰もいない場所に行こう、あの二人で一緒に行って見つけた秘密の場所に・・」
「・・・畏まりました・・」
魔力を開放して【転移】して飛んだのは、かつて遊んだ思い出の場所・・
泉の周りには様々な草花と木々があった。
「・・・ごめんね、リンデ。弱い主で・・」
「いいえ、貴方は弱くなどありません。未来永劫、ユーリス様は私とグランの主です。ユーリス様、覚えていらっしゃいますか。子どもの頃に約束したでしょう。私とグランは貴方以外には仕えないと。」
その言葉に、かつての子どもの頃から知っているユーリスの穏やかな笑みが戻った気がした。
「リンデ、どうせなら君が殺してくれ。・・・もし願いが叶うなら君とグランともう一度また・・・」
私は溢れ出る悲しみを押し殺して、朗々と魔法を唱え始める。魔法の呪文は普段なら簡略化して使っているが、今回は歌のようにして言葉に魔力を乗せる。眠るように死を迎える【死の花】の魔法を・・・
『我は祈る。我は願う。世界の理よ、願いを聞き届け安らかな眠りを。神の御声に導かれ、死者に静寂と安寧を。世界よあるべき姿を取り戻せ。光は光に、闇は闇にすべての生きとし生けるもの、あるべき場所に還り給え・・・』
死の眠りの魔法と共に合わせて唱えるのは、大地の魔法と結界の魔法。庭園の中に様々な植物が急速に成長していく。最後にリンデとユーリスの近くに巨大な真っ白な花を咲かせた大樹が生まれた。
「・・お休みなさい、ユーリス。また・・・3人で会いま、しょ、う・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この世界のどこかには心優しき魔女によって守られた【楽園】が存在するという。優しき魔女が王子にかけた魔法は切れることなくその園を守り続けるのだと伝わっている。
優しき魔女が仲間と共に願った生涯愛した主の願った穏やかな世界を守るために。
世界のどこかに存在する【楽園】を、私利私欲のために利用しようとした争いの絶えない最初の国は森に飲み込まれて消滅したという・・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リンデ・ファル・リーゲルト 21歳
・王国の宮廷魔術師第一席 後方支援型
・得意な魔法 無属性 水属性 光属性
・オパールグリーンのセミロングに薄紫の瞳の美人
・伯爵令嬢 グレンとはお互いの母親が姉妹
ユーリス・レム・アルテフィア 22歳
・王国の才能とカリスマ溢れる第一王子
・父親が母の死後娶った義母と義弟の裏切りによって追い詰められる
・エィンシャン・ゴールドの巻き毛のショートに緑の瞳の美青年
グレン・カルサ・シューゼリア 24歳
・王国の騎士団の若き副団長
・自国・他国からは『剣将』と名高い剣の達人
・こげ茶色の短髪にフォギー・ブルーの鋭い瞳をもつ精悍な青年
・子爵家の嫡男 ユーリスの護衛でもある
リンデは王子に仕える魔術師だった。この国の中でも有数の強大な魔力を持ち、主である王家の第一王子であるユーリス殿下に仕えられることが何よりもうれしかった。
心優しい、少し優しすぎるところのある主だったがリンデはそんな主が好きだった。
そんな日々がずっと続いていくものだと思っていた・・・主の義母と義弟が王位を手に入れるために反乱を起こすまでは・・・
必死に戦う主と従う騎士たち、リンデも魔法であらゆる支援、攻撃を行った。だが、時が経つにつれて死者が増えていき・・・戦いが始まってもうじき二年が過ぎるというときには、こちらの軍勢はもうほとんどが死者か重症者ばかりになっていた。
そして・・・・・争いを終わらせるために出向いた和睦するための会談が行われる場所で主と私、騎士に待っていたのは無数の剣と・・裏切った数人の騎士の姿だった。
なんとか逃げ出して外には出たが、度重なる裏切りと死にユーリスはついに壊れてしまっていた。
「リンデ!!殿下を連れてこの場から逃げろ!!こんな国の恥さらしどもに殺されるのだけは・・・殿下の命を頼む!!こいつらは俺が引きつける、後を頼む!」
そういって叫び私たちを逃がしたのは、主の傍にいつも控えていた剣将と名高いグラン。
必死にユーリスと共にその場から離れる。しばらくしてから聞こえてきたのは剣の打ち合う金属音としばらくしてから聞こえてきた爆音と熱風、魔力を体内で爆発的に高めて解放する自分の命と引き換えにする自爆技だった。
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「・・・・リンデ、」
「・・はい、なんですか、主様」
「もう、疲れたよ。誰もいない場所に行こう、あの二人で一緒に行って見つけた秘密の場所に・・」
「・・・畏まりました・・」
魔力を開放して【転移】して飛んだのは、かつて遊んだ思い出の場所・・
泉の周りには様々な草花と木々があった。
「・・・ごめんね、リンデ。弱い主で・・」
「いいえ、貴方は弱くなどありません。未来永劫、ユーリス様は私とグランの主です。ユーリス様、覚えていらっしゃいますか。子どもの頃に約束したでしょう。私とグランは貴方以外には仕えないと。」
その言葉に、かつての子どもの頃から知っているユーリスの穏やかな笑みが戻った気がした。
「リンデ、どうせなら君が殺してくれ。・・・もし願いが叶うなら君とグランともう一度また・・・」
私は溢れ出る悲しみを押し殺して、朗々と魔法を唱え始める。魔法の呪文は普段なら簡略化して使っているが、今回は歌のようにして言葉に魔力を乗せる。眠るように死を迎える【死の花】の魔法を・・・
『我は祈る。我は願う。世界の理よ、願いを聞き届け安らかな眠りを。神の御声に導かれ、死者に静寂と安寧を。世界よあるべき姿を取り戻せ。光は光に、闇は闇にすべての生きとし生けるもの、あるべき場所に還り給え・・・』
死の眠りの魔法と共に合わせて唱えるのは、大地の魔法と結界の魔法。庭園の中に様々な植物が急速に成長していく。最後にリンデとユーリスの近くに巨大な真っ白な花を咲かせた大樹が生まれた。
「・・お休みなさい、ユーリス。また・・・3人で会いま、しょ、う・・」
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この世界のどこかには心優しき魔女によって守られた【楽園】が存在するという。優しき魔女が王子にかけた魔法は切れることなくその園を守り続けるのだと伝わっている。
優しき魔女が仲間と共に願った生涯愛した主の願った穏やかな世界を守るために。
世界のどこかに存在する【楽園】を、私利私欲のために利用しようとした争いの絶えない最初の国は森に飲み込まれて消滅したという・・・・
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リンデ・ファル・リーゲルト 21歳
・王国の宮廷魔術師第一席 後方支援型
・得意な魔法 無属性 水属性 光属性
・オパールグリーンのセミロングに薄紫の瞳の美人
・伯爵令嬢 グレンとはお互いの母親が姉妹
ユーリス・レム・アルテフィア 22歳
・王国の才能とカリスマ溢れる第一王子
・父親が母の死後娶った義母と義弟の裏切りによって追い詰められる
・エィンシャン・ゴールドの巻き毛のショートに緑の瞳の美青年
グレン・カルサ・シューゼリア 24歳
・王国の騎士団の若き副団長
・自国・他国からは『剣将』と名高い剣の達人
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