婚約破棄された結果、真実の愛を見つけて人生謳歌します

香取鞠里

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「リリアン、好きだ」

「ロッキー、好きよ」

 ふわりと唇を重ねる。

 幸せだ。

 けれど、私がロッキーとお屋敷の部屋で過ごしていたとき、私に来客が訪れた。

 誰だろう。

 外に出ると、以前婚約破棄を告げてきたルークが立っている。


「前子どもができたと言ってた女性と破談したんだ。どうも価値観が合わなくてね。僕には君の方が合っていたように思うから、もう一度婚約してくれないか?」

 はあ?って感じだ。

 こいつのせいで実家に帰らされた私は、どれだけ惨めな思いをしたと思っているんだ。

 今すぐ蹴り倒してやりたかった。


「嫌よ」

「どうして? 君は僕のことが好きだったんじゃないのか?」

「あなたなんて、こっちから願い下げよ! それに私、今、とっても幸せなの!」


 私がロッキーを呼ぶと、ロッキーは不思議そうな顔をしてこちらにきた。

 そして、ロッキーの腕に抱きついてルークに告げる。


「私は彼と結婚するの。だから帰って」

 話を合わせてとロッキーを見つめると、ロッキーはわかったとばかりに微笑んでくれる。


「リリアンの婚約者のロッキーです。彼女に何の用ですか?」

 ルークは悔しそうに歯を食い縛ると「クソ!」と叫んで屋敷を出ていった。


「ありがとう、ロッキー。私、あの人のこと許せなくて……。いい仕返しができたわ」

 ロッキーと出会ってからルークのことは軽く話していた。

 黙っていても、村中で話になっているからロッキーも少しは耳にしていただろうし。

「いいよ、それよりリリアン、本当に僕と婚約する?」

「……え?」

「結婚しよう、リリアン。一生幸せにするよ」

「嬉しい。私でよければ喜んで!」


 婚約破棄された結果、真実の愛を見つけたリリアンは人生を謳歌しています。


 おしまい
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