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第三章 ディープウェアウルフ ~錯誤~
エピローグ 戦馬鹿の想い……
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あれから数日が過ぎ、
ルロイは改めて平穏な日常の
ありがたみを味わっていた。
今日も午後のティータイムを楽しもうと
カップに手を付けようとした時である。
「オラッハー!元気にしてっか、ロイ!!」
奇声混じりの粗野な声と共に、
事務所の玄関扉が勢いよく開かれる。
「ギャリックさん。どうしたんですか?」
嫌な予感と言うのは、
どうしてこう残酷なほどに
当たってしまうものだろうか。
「おう、あれからな、
リドの村で狩狼官やってたんだがな、
暇で暇でしょうがねぇんだ」
「はぁ……」
「で元々、俺は冒険者だからよ。
本業に戻ったって訳さ」
「それは良かったですね」
紅茶を冷ましてちびちび飲みながら、
ルロイはギャリックの話を
聞き流している。
が、流石にボドをはじめとして
リドの村の人々が気がかりではある。
そんなルロイの心情を察してか
ギャリックは含み笑いを浮かべ、
ルロイの肩をたたく。
「あれから、リドの村の小麦の
実入りは良くなってる。
ボドのとっつあんも元気だぜ。
それに、新しく就任した行政官とも
上手くやっているらしい。
丸く収まったってことで
いいんじゃねぇか?」
「それは良かった」
ルロイは嬉しそうに胸をなで下ろす。
「村の爺さんらに聞いたんがよ」
「はい」
「村に言い伝えには続きがあってだな、
人狼が食らったものは森の養分になって
次の農耕の農地の肥やしになるんだと。
つまり、家畜や作物を食い荒らして
回った人狼は最後にその命さえも
自然そのものに返すんだと。
つまり、自分が奪ってきた命も
その土地に循環させるってこった」
「ギャリックさん……」
ギャリックからこんな感傷的な話を
聞かされるとは、
ルロイも思ってはいなかった。
ようやく、
これでよかったのだと思える。
「あーそれでよ、
村全体の農作物の実入りと、
森で獲れる獲物の数もこの秋
中々良いそうでな、
それでレッジョのお偉方も
考えを改めたらしい」
「例の森林開拓の件ですか」
「ああ、農業生産と税収さあえ上がれば
わざわざ森を潰してまで、
修道院を建てる必要はねぇだろうよ。
俺は文字なんて読めねぇから、
難しいこた分かんねぇ。
でもよ、もしかしたらのあの人狼、
本当にあの村の
神様だったのかもしれねぇな。
本当に森と村を守っちまいやがった」
「因果なものですね」
「まったく、俺たちも結果として
手玉に取られちまった訳だし。
俺が剣を交えたあいつは
本当に大した奴だった……」
戦闘狂らしかぬ寂しさと
敬虔さをにじませ、
ギャリックの顔つきは静かであった。
今回の件を通して、
ギャリックもまた自らを見つめ何かに
気づくことが来たのかもしれない。
自分より遥かに大いなる存在に
人は謙虚にならざる負えない時が
きっとある。
「つー、事でだ……」
「もう一度、今度は別の森に
狩りに行こうや、
いや、山でも沼でもいいぞ。
主がいるんならなどこでもいい。
その土地の主と殺りあうのは
滾りまくって幸せだぜぇ。
何、今度はもっと上手くやってやらぁ!」
「勘弁してください!!」
そして、ルロイの嫌な予感は常々当たる。
戦馬鹿に精神的成長など期待した
この自分こそ、
一番救いようがない馬鹿かもしれない。
などともはや冗談にさえ
使えないのである。
ルロイは改めて平穏な日常の
ありがたみを味わっていた。
今日も午後のティータイムを楽しもうと
カップに手を付けようとした時である。
「オラッハー!元気にしてっか、ロイ!!」
奇声混じりの粗野な声と共に、
事務所の玄関扉が勢いよく開かれる。
「ギャリックさん。どうしたんですか?」
嫌な予感と言うのは、
どうしてこう残酷なほどに
当たってしまうものだろうか。
「おう、あれからな、
リドの村で狩狼官やってたんだがな、
暇で暇でしょうがねぇんだ」
「はぁ……」
「で元々、俺は冒険者だからよ。
本業に戻ったって訳さ」
「それは良かったですね」
紅茶を冷ましてちびちび飲みながら、
ルロイはギャリックの話を
聞き流している。
が、流石にボドをはじめとして
リドの村の人々が気がかりではある。
そんなルロイの心情を察してか
ギャリックは含み笑いを浮かべ、
ルロイの肩をたたく。
「あれから、リドの村の小麦の
実入りは良くなってる。
ボドのとっつあんも元気だぜ。
それに、新しく就任した行政官とも
上手くやっているらしい。
丸く収まったってことで
いいんじゃねぇか?」
「それは良かった」
ルロイは嬉しそうに胸をなで下ろす。
「村の爺さんらに聞いたんがよ」
「はい」
「村に言い伝えには続きがあってだな、
人狼が食らったものは森の養分になって
次の農耕の農地の肥やしになるんだと。
つまり、家畜や作物を食い荒らして
回った人狼は最後にその命さえも
自然そのものに返すんだと。
つまり、自分が奪ってきた命も
その土地に循環させるってこった」
「ギャリックさん……」
ギャリックからこんな感傷的な話を
聞かされるとは、
ルロイも思ってはいなかった。
ようやく、
これでよかったのだと思える。
「あーそれでよ、
村全体の農作物の実入りと、
森で獲れる獲物の数もこの秋
中々良いそうでな、
それでレッジョのお偉方も
考えを改めたらしい」
「例の森林開拓の件ですか」
「ああ、農業生産と税収さあえ上がれば
わざわざ森を潰してまで、
修道院を建てる必要はねぇだろうよ。
俺は文字なんて読めねぇから、
難しいこた分かんねぇ。
でもよ、もしかしたらのあの人狼、
本当にあの村の
神様だったのかもしれねぇな。
本当に森と村を守っちまいやがった」
「因果なものですね」
「まったく、俺たちも結果として
手玉に取られちまった訳だし。
俺が剣を交えたあいつは
本当に大した奴だった……」
戦闘狂らしかぬ寂しさと
敬虔さをにじませ、
ギャリックの顔つきは静かであった。
今回の件を通して、
ギャリックもまた自らを見つめ何かに
気づくことが来たのかもしれない。
自分より遥かに大いなる存在に
人は謙虚にならざる負えない時が
きっとある。
「つー、事でだ……」
「もう一度、今度は別の森に
狩りに行こうや、
いや、山でも沼でもいいぞ。
主がいるんならなどこでもいい。
その土地の主と殺りあうのは
滾りまくって幸せだぜぇ。
何、今度はもっと上手くやってやらぁ!」
「勘弁してください!!」
そして、ルロイの嫌な予感は常々当たる。
戦馬鹿に精神的成長など期待した
この自分こそ、
一番救いようがない馬鹿かもしれない。
などともはや冗談にさえ
使えないのである。
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