天使とぼくと時々戯れ言

玉城

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さよならのはじまり

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 天使が囁く。眠ってしまえ。忘れてしまえ。
 ぼくは瞼を閉じる。抗えない。深く深く深く。もう目覚められない。
 太陽が月を隠す。光は消える。闇。暗い感情が渦巻く海。深い深い深い。その深淵をだれも知らない。
 空気が止まる。空が凪ぐ。静けさ。
 さよならのはじまりは、いつも突然。

*

訃報って、いつも突然ですよね。誰かが死ぬことをどうして意識して生きて行けるでしょう?そう、多くの人は「死ぬ」ということを生きることから隔てて生活している。
 命あるものは必ず死ぬのに。
 そして、失ってはじめて「もっとこうすればよかった」と気づく自分がいる。死を目前にすると「なぜ」と思わずにいられない。しかしそこに答えはないから、考えることを放棄する。
自分の命を、他者の命を、いつかは必ず迎えるその終わりを少しでも考えたとき。少しだけ自分の行動が変わればいい。
 優しくなりたいなって思う、今日この頃です。
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