気が付いたけど、人間を襲う必要ってあるのかな?

来佳

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3章

32話

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捨て台詞のように僕を猫呼ばわりしてはいたが、半分、いや3割くらいは僕のせいであんなことになってしまったので少し気がかりだ。そのせいで、あの日から宿舎には行けず、食事にでる魔石は何となく食べれずにいる。
いこういこうと思うものの足は全く動かない。嫌なことで、それもたいして僕の生活を左右するほどのことでもないから、ついつい先延ばしにしてしまっている。
しかし、そうやって時を過ごしても意味はないので、3日目にしてやっと重い腰を上げることにした。

朝食をいただき、そそくさと宿舎に向かう。
まずは逃げ出せていた時のことを考えて、鼻に力を集めてねずみの匂いを追う。前回捕まった辺りはまだ匂いの残滓を感じるので、もし逃げおおせていれば見つけることが出来そうだ。
まず残滓はやはり宿舎に向かい入っていったようだ。これを追いかけてもいいが、まずは穴に向かってみることにする。穴にいれば嬉しいし、いなくともまだどうなってるかはわからない。事実を直視する前に心の準備をすることは大事なことなのだ。

さて穴に押し入りまた鼻に頼る。ここの匂いはかなり薄い。もうかなりの間訪れてないようだ。よし、これは心を決めないとなとついに宿舎へと行く。
中はいつも通りの雑多な匂いがする。少々強いねずみの匂いもするので、これはもしかしてと少し喜ぶ。
匂いを便りにずんずんと近づいていく。どうやら食堂の方向にいくと強くなっているようだ。これはどうなのだろうかと思うが、ここまで来たのだ行くしかないと心を決めて扉を開く。
扉を開けて周りを見回すと、居た、ねずみだ。

「やぁ。無事だったんだね」

とつい本心がでる。

「おうよ。なかなかおめえが顔を出さねえから心配したぞ」

本心に対しては何もわかってないようで、むしろ僕の心配をしてくれる。
ねずみはどうやらここで飼われることができたようで、赤い布で作られた服まで着せられて、大分歓迎されてるようだ。

「ちょっと忙しくてね。君は偉くいい待遇のようだね。よかったよかった」

「いい待遇なもんか。あいつらおいらに変なもん着せやがって。それに脱いだり、破いたりすると怒りやがるんだ。勝手にしといて勝手なやつらだ」

「ははは。それでも食事にはありつけるだろう?」

「まあな。そこだけはいいところだ。ここで力を蓄えて、あいつらに目にものを見せてやる」

「その意気だよ。もしそういうことになったら是非僕にも言ってほしい。必ず手伝うよ」

そう援護してやると、ねずみは一緒にやるぞと気炎を上げる。とりあえず元気でやっているようでよかった。
生存を確認した僕はとりあえずねずみと少々あの日あったことを喋って邸宅に帰った。
ねずみは宿舎で飼われ、僕は邸宅で飼われている。こうして棲み分けできているなら問題もない。
最初の食糧問題もペット問題もこれで解決と言えるだろう。僕は安堵の気持ちから久々にぐっすりと眠れたのだった。

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