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「あのリボンを送りつけたのはお前だったのか?! 誰からのものかわからず送り返せなくて困っていたところだ。では、早速送り返すことにする」
「そんな……」
アリネアは突然さめざめと泣き出した。だが、グランツはもちろんそんなことで追求する手を緩めることはない。
「さて、君の処遇について話しておこう。まず私の婚約者に対し長期的に付き纏い行為をして散々侮辱し、名誉を著しく毀損した。さらには嘘の噂を流布して貶めようとした。これだけではない、まだある。狩猟会では暴力を加えようとし、リートフェルト家のお茶会に偽造の招待状で乱入し悪態をついた。それらの行為は無礼と一言で片付けるには目に余る行為だ。だから、これらについてきっちり罪を償ってもらう」
アリネアはここにきてやっと自分の立場を理解した様子で、青ざめた顔をしてオルヘルスに助けを求めた。
「罪って、そんな……。た、ただの喧嘩ですわ。親友同士の。ね? オリ、そうですわよね?」
オルヘルスはもちろん助ける気などない。
「ごめんなさい、アリネア様。私、アリネア様を親友だと思ったことは一度もありませんわ」
そう答えると、アリネアはあきらかにショックを受けたような顔をしたあと、わなわなと震えだし怒りを露にした。
「なんですって? 私より格下のくせに!!」
それを聞いてグランツは呆れた顔で言った。
「そもそもお前の言う通り、オリが本当に親友ならば上も下もないはずだ」
「そんな、ですがいくら親友とはいえやはり爵位や生まれ持ったものがありますでしょう?」
「そう言うなら、一つお前にいいことを教えてやろう。今まで黙っていたが、オリは精霊の寵愛を受けている存在だ。これがどういうことかわかるか?」
そう問われたアリネアは目を見開き、オルヘルスを見つめ首を横に振りながら呟く。
「まさか、まさかまさか、そんなはずありませんわ! オルヘルスが?」
「そうだ。本来ならお前ごときが友達だなんておいそれと言える相手ではない。お前の価値観でものを言うとするなら、お前は全てにおいて散々見下していたオリより下と言うことだ」
アリネアは頭の血管が切れるのではないかと思うほど、悔しそうに地団駄を踏むと奇声を発したあと突然怒鳴る。
「そんなの認めませんわ! オリが私より格上だなんて! 幸せになるなんて! 絶対に許しませんわ! 今までだって私が面倒をみないとなにもできなかったくせに!」
そこで誰かが叫ぶ。
「いい加減よさないか!」
全員が声のする方向に注目すると、そこにはコーニング伯爵が立っていた。コーニング伯爵は申し訳なさそうにグランツに言った。
「殿下、口をだすなと言われていたのに申し訳ありません。ですが我が娘ながら、あまりにも非常識な発言に我慢ができませんでした。どうも私は教育を間違えたようです」
アリネアは裏切られたような顔をして、コーニング伯爵を見上げる。
「お父様までオリの味方をしますの?!」
「アリネア、誰かの味方とかそういう問題ではない。今はお前の行いを問われている。それすらわからないのか?」
そう言ってグランツに向き直る。
「娘のことはいかようにでも。それと私からもリートフェルト家に賠償したいと思います」
「そうか、ではアリネアはこちらで投獄させてもらう。極刑も覚悟してほしい」
「わかりました」
そうして泣き叫ぶアリネアは騎士たちに連行され、コーニング伯爵は後日リートフェルト家を訪ねる約束をして帰っていった。
そこでグランツは大きく息を吐いた。
「ひとりは片付いた。あともうひとり」
そう呟くとレクスに目配せした。すると、向こうのほうでエーリクの騒ぐ声がした。
「よせ! やめろ! はなせ!!」
アリネアとの騒ぎで気づかなかったが、どうやらエーリクはこちらに向かってこようとしていたところを取り押さえられていたようだった。
レクスに連れられ、ホールの中央に連れてこられたエーリクにグランツは話しかける。
「さて。エーリク、お前もずいぶん私の婚約者を侮辱してくれたな。もとより、オリを裏切ったのはお前だ。なぜそこまでオリにつきまとう?」
「オリ、お前が……」
そう呟くと、エーリクは恨みがましい眼差しでオルヘルスを下から睨みつけ指差すと叫ぶ。
「お前が私からの婚約破棄をあっさり受け入れるのが悪い!」
オルヘルスは意味がわからなかった。
「どういう意味ですの? 私はエーリクが婚約を解消したいと言うからそれを受け入れただけですわ」
「だから、それがおかしいと言っている! 普通なら男爵令嬢が公爵家に嫁げるのだから、婚約を解消されればもっと追いすがるはずだ。なのにあんなにあっさり承諾するなんておかしいだろ! お前、以前からグランツとできていたんだな?!」
オルヘルスは呆れながら答える。
「エーリク様、私たち愛し合って婚約していた訳ではありませんでしょう? それに、エーリク様はいつもアリネア様と仲良くされていましたし、なんなら私を置いてふたりでお出かけになることも。そんな非常識なかたに追いすがるなんて考えられませんわ」
エーリクはギリギリと歯を噛みしめると、額に青筋を立てて言った。
「この女、言わせておけば……」
そこでグランツが口を挟む。
「言わせておけばなんだというんだ? 前から思っていたが、エーリク。お前オルヘルスが好きなのだろう?」
「なっ?! そんなわけ……」
「そうか? だが、あっさり婚約解消を受け入れたからといってこんなに執着するものか?」
そう言われたエーリクは目を見開き呆然とすると、目を泳がせて呟く。
「違う、私がオリを?」
その様子を見てグランツは鼻で笑うと続けて言った。
「なんにせよ、オリはもうわたしのものだ。諦めることだな」
「なんだと? ホルト家が今までどれだけ国に貢献してきたかわかっているのだろうな。私が爵位を継いだら、どうにだってできるのだぞ?」
「それはないな」
グランツはそう言うと、エーリクの背後を見つめた。
その視線の先を追ってその場にいるもの全員がそちらを見ると、そこにはハインリッヒが仁王立ちしていた。
エーリクは驚いた顔でハインリッヒに尋ねる。
「お、お父様。なぜここに? 領地からしばらく帰れないのでは?」
「そのとおりだこのバカ息子め。お前のせいで私は領地を立て直すため大変だった。今日はなんとか駆けつけることができたがな」
「お父様、私はなにもしていません! 私は嵌められたのです!」
「何もしてない? 嵌められただと? どの口が言うかこのバカ息子め。私がなんとかリートフェルト家と婚約を取り付けたのに、リートフェルト男爵令嬢を大切にせず、あろうことか婚約を勝手に解消しおって!」
「いえ、あれは事情があったのです。そもそもあれは本気ではなくて……」
「嘘をつくな! 事情などないことは知っている。しかも婚約解消したにもかかわらずリートフェルト男爵令嬢に付き纏うなんて情けない。お前は何がしたいのだ」
「違うのです。オリが私に興味をしめさないから……」
「黙れ! なんだそのたわけた言い訳は。聞きたくもない。挙げ句に領民が納めた金をくすめ湯水の如く使うなど言語道断だ。お前にはもう家督はやらん」
「そんな……。嘘ですよね?」
エーリクは顔色をなくし、熱くもないのに額に大量の汗をかき始めた。
「嘘ではない。お前に継がせたらホルト家は終わりだ。しかもお前リートフェルト家から馬を盗み出したそうだな。調べはついている。言い訳はするな」
「なぜそれを……」
そう言うとエーリクはオルヘルスに目を止める。
「お前だな? オリ、お前が言ったんだな?!」
そこですぐにグランツがオルヘルスを背中に隠して言った。
「私だ。お前の行動は逐一ハインリッヒに報告させてもらった。ハインリッヒは領地が飢饉で忙しく走り回っていたというのに、その息子のお前がそれではな。私はハインリッヒに同情している」
ハインリッヒがそれを受けて言った。
「わざわざ私の領地まで追いかけて来てくださったときには本当に驚きました。殿下、あのときはありがとうございました」
「いや、直接なにがあったのか私から説明しなければ、お前も信じなかったろう?」
「確かに、わが息子がそんな愚行を犯しているなんて親としては信じたくないものです」
そうしてふたりが話しているのを、エーリクは虚ろな眼差しで見つめていた。
そんなエーリクにハインリッヒは声をかける。
「エーリク、これから自分の行いを悔いるがいい。私は自分の息子といえど、いや、自分の息子だからこそ容赦はしない」
「そんな……」
アリネアは突然さめざめと泣き出した。だが、グランツはもちろんそんなことで追求する手を緩めることはない。
「さて、君の処遇について話しておこう。まず私の婚約者に対し長期的に付き纏い行為をして散々侮辱し、名誉を著しく毀損した。さらには嘘の噂を流布して貶めようとした。これだけではない、まだある。狩猟会では暴力を加えようとし、リートフェルト家のお茶会に偽造の招待状で乱入し悪態をついた。それらの行為は無礼と一言で片付けるには目に余る行為だ。だから、これらについてきっちり罪を償ってもらう」
アリネアはここにきてやっと自分の立場を理解した様子で、青ざめた顔をしてオルヘルスに助けを求めた。
「罪って、そんな……。た、ただの喧嘩ですわ。親友同士の。ね? オリ、そうですわよね?」
オルヘルスはもちろん助ける気などない。
「ごめんなさい、アリネア様。私、アリネア様を親友だと思ったことは一度もありませんわ」
そう答えると、アリネアはあきらかにショックを受けたような顔をしたあと、わなわなと震えだし怒りを露にした。
「なんですって? 私より格下のくせに!!」
それを聞いてグランツは呆れた顔で言った。
「そもそもお前の言う通り、オリが本当に親友ならば上も下もないはずだ」
「そんな、ですがいくら親友とはいえやはり爵位や生まれ持ったものがありますでしょう?」
「そう言うなら、一つお前にいいことを教えてやろう。今まで黙っていたが、オリは精霊の寵愛を受けている存在だ。これがどういうことかわかるか?」
そう問われたアリネアは目を見開き、オルヘルスを見つめ首を横に振りながら呟く。
「まさか、まさかまさか、そんなはずありませんわ! オルヘルスが?」
「そうだ。本来ならお前ごときが友達だなんておいそれと言える相手ではない。お前の価値観でものを言うとするなら、お前は全てにおいて散々見下していたオリより下と言うことだ」
アリネアは頭の血管が切れるのではないかと思うほど、悔しそうに地団駄を踏むと奇声を発したあと突然怒鳴る。
「そんなの認めませんわ! オリが私より格上だなんて! 幸せになるなんて! 絶対に許しませんわ! 今までだって私が面倒をみないとなにもできなかったくせに!」
そこで誰かが叫ぶ。
「いい加減よさないか!」
全員が声のする方向に注目すると、そこにはコーニング伯爵が立っていた。コーニング伯爵は申し訳なさそうにグランツに言った。
「殿下、口をだすなと言われていたのに申し訳ありません。ですが我が娘ながら、あまりにも非常識な発言に我慢ができませんでした。どうも私は教育を間違えたようです」
アリネアは裏切られたような顔をして、コーニング伯爵を見上げる。
「お父様までオリの味方をしますの?!」
「アリネア、誰かの味方とかそういう問題ではない。今はお前の行いを問われている。それすらわからないのか?」
そう言ってグランツに向き直る。
「娘のことはいかようにでも。それと私からもリートフェルト家に賠償したいと思います」
「そうか、ではアリネアはこちらで投獄させてもらう。極刑も覚悟してほしい」
「わかりました」
そうして泣き叫ぶアリネアは騎士たちに連行され、コーニング伯爵は後日リートフェルト家を訪ねる約束をして帰っていった。
そこでグランツは大きく息を吐いた。
「ひとりは片付いた。あともうひとり」
そう呟くとレクスに目配せした。すると、向こうのほうでエーリクの騒ぐ声がした。
「よせ! やめろ! はなせ!!」
アリネアとの騒ぎで気づかなかったが、どうやらエーリクはこちらに向かってこようとしていたところを取り押さえられていたようだった。
レクスに連れられ、ホールの中央に連れてこられたエーリクにグランツは話しかける。
「さて。エーリク、お前もずいぶん私の婚約者を侮辱してくれたな。もとより、オリを裏切ったのはお前だ。なぜそこまでオリにつきまとう?」
「オリ、お前が……」
そう呟くと、エーリクは恨みがましい眼差しでオルヘルスを下から睨みつけ指差すと叫ぶ。
「お前が私からの婚約破棄をあっさり受け入れるのが悪い!」
オルヘルスは意味がわからなかった。
「どういう意味ですの? 私はエーリクが婚約を解消したいと言うからそれを受け入れただけですわ」
「だから、それがおかしいと言っている! 普通なら男爵令嬢が公爵家に嫁げるのだから、婚約を解消されればもっと追いすがるはずだ。なのにあんなにあっさり承諾するなんておかしいだろ! お前、以前からグランツとできていたんだな?!」
オルヘルスは呆れながら答える。
「エーリク様、私たち愛し合って婚約していた訳ではありませんでしょう? それに、エーリク様はいつもアリネア様と仲良くされていましたし、なんなら私を置いてふたりでお出かけになることも。そんな非常識なかたに追いすがるなんて考えられませんわ」
エーリクはギリギリと歯を噛みしめると、額に青筋を立てて言った。
「この女、言わせておけば……」
そこでグランツが口を挟む。
「言わせておけばなんだというんだ? 前から思っていたが、エーリク。お前オルヘルスが好きなのだろう?」
「なっ?! そんなわけ……」
「そうか? だが、あっさり婚約解消を受け入れたからといってこんなに執着するものか?」
そう言われたエーリクは目を見開き呆然とすると、目を泳がせて呟く。
「違う、私がオリを?」
その様子を見てグランツは鼻で笑うと続けて言った。
「なんにせよ、オリはもうわたしのものだ。諦めることだな」
「なんだと? ホルト家が今までどれだけ国に貢献してきたかわかっているのだろうな。私が爵位を継いだら、どうにだってできるのだぞ?」
「それはないな」
グランツはそう言うと、エーリクの背後を見つめた。
その視線の先を追ってその場にいるもの全員がそちらを見ると、そこにはハインリッヒが仁王立ちしていた。
エーリクは驚いた顔でハインリッヒに尋ねる。
「お、お父様。なぜここに? 領地からしばらく帰れないのでは?」
「そのとおりだこのバカ息子め。お前のせいで私は領地を立て直すため大変だった。今日はなんとか駆けつけることができたがな」
「お父様、私はなにもしていません! 私は嵌められたのです!」
「何もしてない? 嵌められただと? どの口が言うかこのバカ息子め。私がなんとかリートフェルト家と婚約を取り付けたのに、リートフェルト男爵令嬢を大切にせず、あろうことか婚約を勝手に解消しおって!」
「いえ、あれは事情があったのです。そもそもあれは本気ではなくて……」
「嘘をつくな! 事情などないことは知っている。しかも婚約解消したにもかかわらずリートフェルト男爵令嬢に付き纏うなんて情けない。お前は何がしたいのだ」
「違うのです。オリが私に興味をしめさないから……」
「黙れ! なんだそのたわけた言い訳は。聞きたくもない。挙げ句に領民が納めた金をくすめ湯水の如く使うなど言語道断だ。お前にはもう家督はやらん」
「そんな……。嘘ですよね?」
エーリクは顔色をなくし、熱くもないのに額に大量の汗をかき始めた。
「嘘ではない。お前に継がせたらホルト家は終わりだ。しかもお前リートフェルト家から馬を盗み出したそうだな。調べはついている。言い訳はするな」
「なぜそれを……」
そう言うとエーリクはオルヘルスに目を止める。
「お前だな? オリ、お前が言ったんだな?!」
そこですぐにグランツがオルヘルスを背中に隠して言った。
「私だ。お前の行動は逐一ハインリッヒに報告させてもらった。ハインリッヒは領地が飢饉で忙しく走り回っていたというのに、その息子のお前がそれではな。私はハインリッヒに同情している」
ハインリッヒがそれを受けて言った。
「わざわざ私の領地まで追いかけて来てくださったときには本当に驚きました。殿下、あのときはありがとうございました」
「いや、直接なにがあったのか私から説明しなければ、お前も信じなかったろう?」
「確かに、わが息子がそんな愚行を犯しているなんて親としては信じたくないものです」
そうしてふたりが話しているのを、エーリクは虚ろな眼差しで見つめていた。
そんなエーリクにハインリッヒは声をかける。
「エーリク、これから自分の行いを悔いるがいい。私は自分の息子といえど、いや、自分の息子だからこそ容赦はしない」
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