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羽虫、愛でられる
しおりを挟むーー転生早々、使役虫、つまり奴隷にされるとか…不遇転生は続くよ、どこまでも。
私の今いるところは、宿屋の一室。
当然、男と一緒です。
未婚の男女が一室にいるわけですが、全く問題ありませんね!
男が既婚か独身かはわからんが、この人間は、かなり特殊なので、恐らく、独身で彼女とかいなさそう。むしろ、彼女か奥さんいたら「逃げて!ちょー逃げて!!」って、なんとしても伝えたい。
男はあの後、いつの間にか復活し、私をまた謎の石に閉じ込めて、腰の袋に入れてから移動を再開した。
この石は動けない以外は快適で、適温設定だし、周囲の音や匂いもわかる。
これで、もう少し広くて、動けて、電気ガス水道に家具家電完備で、パソコンがあれば、最高の虫籠なのだが…
とうに日も落ちて暗くなったはず。夜間に移動して、この男大丈夫なのか?と多少(自分の身を)心配していたら、男は途中、何か呪文のような物を唱えた。
すると、空気が変わった気がした。
しばらくしたら、ザワザワと他の人間の気配がすることに気付いた。
袋の幕越しに薄ら光が見える。
明かりはまぁいいとして、さっきまでこんなに沢山の人いなかったはず。
それに、伝えづらいけど、匂いとか、感じる空気が変わったのだ。
今のボディが人外だからか、匂いとかそういうのは敏感だ。
それに本能が言うのだ。
ここは私の生まれた森じゃないって。
不安な気持ちのまま、石の中で固まっていると、目的地に着いたようで、外に出されて今にいたる。
ーーそして現在、
男は私を熱く見つめて、ウットリしている。
私は、そんな男を見て、ゲッソリだ。
特にその日は何もすることなく、男はベッドで寝た。
自分の枕元に羽虫の寝床をセットして、寝た。
…その気遣い、いらねぇよ。
なんなら、ギリギリ離れられる距離のチェストの上くらいに寝床を作れ。
それが本当の気遣いだ。
パーソナルスペースをガリガリ削ってくる男にウンザリする。
私は自由を愛する性質なのだ。こんな不自由な生活、ストレスがたまる。
そもそもこの男、羽虫に何を求めてるの?
前世でも、虫を愛でる趣味を持つ人間が少なからずいた。甲虫や蜘蛛、蝶々などなど。
でもさ、羽虫ってマニアック過ぎない?
光るからレア度が高いのかな??
前世、テレビでタランチュラっていう毛の生えた蜘蛛を愛でてる人間を見たことがある。彼は口の中に蜘蛛を入れて、食べちゃいたいくらい好き、と愛情を示してた。
………………。
深く考えないことにして、寝た。
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