とある落ちこぼれの俺が異世界転生した話

1

第II話 目覚めし場所

ん……
ここは何処だ……

周りは暗すぎて何も見えない。

「おい！誰かいねえのかよ…って…頭いてぇ…」

こんな頭痛、二日酔いほど苦じゃねえと思いながら、何かあるか手探りで探してみた。

「お？なんかあるな…」

ギィぃぃ………

今のはドアだったようだ。

「うわっ…眩し！」

目が慣れてくると、そこに広がっていたのは

見たこともない街だった。皆んな売店のようなところにいる。

「は？ここ何処だよ!あの看護師のヤロー、絶対ぶっ飛ばしてやるからな…!」

周りの奴らが一斉に俺を見る

俺　「？」

気づいてしまった…恐ろしいことに


俺、服着てないんだけど…?

俺「見ないでくださーーーーーーーーーい！」

顔を赤らめて叫ぶ。
子供には笑われるし、女性にはドン引きされている。
一刻もその場から立ち去りたかった。
とにかくダッシュで路地裏に逃げ込んだ。

俺「はぁ……はぁ……おい…嘘だろ………俺の服が…」
少し落ち着いてきたので、隠せそうなものがないか探してみた。
俺「お、少し汚ねぇけど布切れがあるじゃんか」

それを体に巻いた。
俺「なんか民族衣装みたいになっちまったよ…」
少し恥ずかしいが、まあいいだろう

???「大丈夫ですか？足から血が出てますよ？」
俺「うわっ!!」
???「あっ！すいません!驚かせるつもりはなかったんです!」
俺「ビックリしたぁ…」
内心ホッとしている。もしもヤバい奴らだったら人生詰んでたと思う。
???「どうぞ、このタオルで足の血、拭いて下さい」
俺「え？血出てますか？」
足の方に目を落とすと、おそらく何処かで切ったのだろう、血が出ていた。
俺「うわぁ…深く切っちゃってるなぁ…」
もらったタオルで血を拭き取った。
???「そうだ、自己紹介遅れました。私はミアって言います」
俺「ああ、俺も教えないとな……って…」
あれ…おかしい







名前が思い出せない





俺「えっと…その…俺の名前は….」
ミア「もしかして、記憶がないんですか？」
俺「ぴえん」
俺「家に行けば何か分かるかもしれない…ここって何県だ？」
ミア「県…？」
俺「ここってまさか外国なのか？アメリカとか…そういう方？」
ミア「アメリカってなんですか……？」
俺「へ？」

おい…ちょっと待てよ。こいつ常識が通じないのか？

そう思ったが、この世界の常識を知らないのは俺だった。

ミア「ここはカーマイン王国ですよ。」
俺「なにそれ…俺知らないよ…」
ミア「それより、この世界で生き残るには能力がないとダメですよ。それもちゃんと覚えてますか？」

えぇ…なにそれ

俺「ごめん…俺この世界じゃないとこから来たかもしれない…」
ミア「え？じゃあ転生者さんですか？」
俺「多分…」

ミア「じゃあ、何か特別な能力を持ってるかもしれないですね…」

俺「だいたい予想つく能力なんだよなぁ…」
ミア「それじゃあ、鑑定屋に行きましょうよ！」
俺「おぉ…」

気が乗らないな…
あぁ、こんなことならもう1缶ビール飲んどきゃよかった……