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泡沫の4
仄暗く愛おしい
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雹樹に最後のお願いをした後、泣きそうな彼の顔を切なく思いながら瑞樰は深い眠りに落ちて行った。
『さよならと、ありがとう言えなかった・・・・・。』
大切な人達に、別れの言葉と今までの感謝を告げられなかったことを残念に思った。それでも、自分の代わりに優しい神様が彼等を守ってくれると約束してくれた。自分勝手で酷い約束、それでも彼は優しいから自分の願いを聞いてくれた。そのことに安堵し、これ以上を望んでは罰が当たると苦笑した。
深く重い眠りの底に沈みこみながら、遠く頭上に淡い光が煌めいているのを感じた。粉雪のようにきらきらと光の粒が遠くに降り注いでいるのを、眠る意識の中で感じた。
『・・・・・・・・、・・・・・・・・・・。』
何かが光の中から呼び掛けているように思った瞬間、ふわりと意識が光の方へと浮き上がった。
光は俗に『輪廻の輪』と呼ばれるものだった。天国や極楽ということもあるだろうが、死んだ者がそこへ行き次の生への準備をするための場所。
このまま、光の中へ行きば輪廻の輪に入り次の生へと向かうのだということを誰に教えられることもなく魂が理解していた。深い眠りに意識は落ちていても、瑞樰も光に導かれるままふわふわと漂い輪廻の輪に向かおうとしていた。
ゆっくりと、光の方へと漂い始めた意識を歓迎するかのように光の粒が優しく包みこむ。
『・・・・・・・・、・・・・・・・・・。』
何かが光の中から、優しく呼びかけてくる。言葉として、理解は出来ないがそれは自分を傷つける様な存在ではない。ふわふわと、導かれるまま瑞樰の意識は光の方へと向かって行っていた。
『さよならと、ありがとう言えなかった・・・・・。』
大切な人達に、別れの言葉と今までの感謝を告げられなかったことを残念に思った。それでも、自分の代わりに優しい神様が彼等を守ってくれると約束してくれた。自分勝手で酷い約束、それでも彼は優しいから自分の願いを聞いてくれた。そのことに安堵し、これ以上を望んでは罰が当たると苦笑した。
深く重い眠りの底に沈みこみながら、遠く頭上に淡い光が煌めいているのを感じた。粉雪のようにきらきらと光の粒が遠くに降り注いでいるのを、眠る意識の中で感じた。
『・・・・・・・・、・・・・・・・・・・。』
何かが光の中から呼び掛けているように思った瞬間、ふわりと意識が光の方へと浮き上がった。
光は俗に『輪廻の輪』と呼ばれるものだった。天国や極楽ということもあるだろうが、死んだ者がそこへ行き次の生への準備をするための場所。
このまま、光の中へ行きば輪廻の輪に入り次の生へと向かうのだということを誰に教えられることもなく魂が理解していた。深い眠りに意識は落ちていても、瑞樰も光に導かれるままふわふわと漂い輪廻の輪に向かおうとしていた。
ゆっくりと、光の方へと漂い始めた意識を歓迎するかのように光の粒が優しく包みこむ。
『・・・・・・・・、・・・・・・・・・。』
何かが光の中から、優しく呼びかけてくる。言葉として、理解は出来ないがそれは自分を傷つける様な存在ではない。ふわふわと、導かれるまま瑞樰の意識は光の方へと向かって行っていた。
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