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9話
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あれから俺は、彼女の活動に積極的に参加をした。しかし世界中で抗議活動が行われているにもかかわらず、各国の方針が変わることはなく、日に日に暴動を報じるニュースも増えていった。
俺は来週に国会前で行われる大規模な抗議活動に参加する予定だ。今の状況から、この抗議が暴動化する可能性があると思い、俺は奏に参加しないよう伝えたのだが、彼女はどうしても参加すると言って聞かなかった。その為、俺は彼女が心配で参加を決めたというのが正直なところだ。俺に何ができるでもないが、何もしないことはできなかった。
俺は念の為に、当日必要になりそうなものを買いに外に出た。空は今にも雨が降りそうな暗い雲で覆われていた為、コンビニのビニール傘を持って出発した。
歩きながら先日の奏とのドライブを思い出して1人にや笑をする。そういえば車の中で聞いたのだが、奏も今は休職中で、理由は俺のものと同じだった。恐らく治験者のほとんどが同じような状況なのだろう。目当ての店が近づいて来たとき、少し遠いが俺の背後に人の気配を感じた。ただ歩いている人ではなく、俺をつけているように感じた。俺は振り返ったが、そのような人はいなかった。
俺は店に入り、水やらタオルなどを購入した。帰り道では特につけられている感じはなかったが、俺は嫌な予感をしていた。というのも、少し前に見たテレビのニュースで、海外で不老不死の薬の治験者が殺害されたという報道を見たからだ。俺が調べる限りでは、あるカルト宗教団体が絡んでいそうだった。そのカルト宗教的には人間が不老不死になることを認められないのだろう。
ポツポツと降りだした雨は、俺の嫌な予感を助長させた。ビニール傘を開いて、足早に家へ向かった。家に着いたころには、雨は本降りになっていた。帰宅し、先程買ったものをリュックに詰めていく。家の中からでも聞こえる雨音は俺の動きを止めた。
「念の為に...」
俺はスマホを手に取った。
俺は来週に国会前で行われる大規模な抗議活動に参加する予定だ。今の状況から、この抗議が暴動化する可能性があると思い、俺は奏に参加しないよう伝えたのだが、彼女はどうしても参加すると言って聞かなかった。その為、俺は彼女が心配で参加を決めたというのが正直なところだ。俺に何ができるでもないが、何もしないことはできなかった。
俺は念の為に、当日必要になりそうなものを買いに外に出た。空は今にも雨が降りそうな暗い雲で覆われていた為、コンビニのビニール傘を持って出発した。
歩きながら先日の奏とのドライブを思い出して1人にや笑をする。そういえば車の中で聞いたのだが、奏も今は休職中で、理由は俺のものと同じだった。恐らく治験者のほとんどが同じような状況なのだろう。目当ての店が近づいて来たとき、少し遠いが俺の背後に人の気配を感じた。ただ歩いている人ではなく、俺をつけているように感じた。俺は振り返ったが、そのような人はいなかった。
俺は店に入り、水やらタオルなどを購入した。帰り道では特につけられている感じはなかったが、俺は嫌な予感をしていた。というのも、少し前に見たテレビのニュースで、海外で不老不死の薬の治験者が殺害されたという報道を見たからだ。俺が調べる限りでは、あるカルト宗教団体が絡んでいそうだった。そのカルト宗教的には人間が不老不死になることを認められないのだろう。
ポツポツと降りだした雨は、俺の嫌な予感を助長させた。ビニール傘を開いて、足早に家へ向かった。家に着いたころには、雨は本降りになっていた。帰宅し、先程買ったものをリュックに詰めていく。家の中からでも聞こえる雨音は俺の動きを止めた。
「念の為に...」
俺はスマホを手に取った。
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不老不死の薬…何か続きがとても気になったのでお気に入り登録させてもらいました。良かったら作品も観てくださいね(^^)/