『ル・リアン』 ~絆、それは奇跡を生み出す力!~

光り輝く未来

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須尚正(3)

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 採用面接から少し経った日の午後、意を決して部室に向かった。
 プロへの挑戦を断ることを告げるためだ。

 部室に入ると、彼らが待ち構えていた。
 いつもの椅子に座ったわたしは、突き刺さるような視線を避けて、うつむき加減で声を絞り出した。
 彼らは腕組みをして睨みつけるような目で聞いていた。

「済みません」

 エレガントミュージック社からの採用通知を右手に握りしめたまま、頭を下げた。

「なんでだよ~」

 タッキーがやり切れないというような表情で言葉を吐き出した。

「留年までしたのに」

 ベスが虚ろな目で天井を見上げた。
 キーボーは何も言わず窓の方を見ていた。

「済みません」

 掠れた声でもう一度言うと、その後は沈黙が続いた。
 永遠に続くかと思うほど長い沈黙だった。
 息苦しさに窒息しそうで、逃げられるものなら逃げ出したかった。
 血が出るかと思うほど唇を噛んだ。

「俺たちは、やるよ」

 沈黙を破ったのは、キーボーの絞り出すような声だった。

「スナッチがいなくても、俺たちはやるんだ」

 そしてタッキーとベスに向かって、「やるよな、俺たちだけでも」と念を押した。
 2人は当然というように大きく頷いた。

 何も言えなくなってうつむくと、「これっ切りだな」という声が耳に届いた。
 タッキーの最後通牒つうちょうだった。

 顔を上げると、ベスが頷いていた。
 キーボーは睨みつけるような目で見ていた。

「済みません」

 それ以外の言葉が見つからなかった。

「済みません」

 ただ頭を下げるだけだったが、ギーという音がしたので顔を上げると、部室のドアが開いて、出ていく姿が見えた。
 バタンとドアが閉まって見えなくなると、大事な宝物を失ったような気がして、目の前から光が消えたように感じた。
 頭を抱えてしゃがみこんだ。
 そして動けなくなった。

        *

 3人と別れたあと、家に閉じこもった。
 大学に行く気がまったくしなくなった。
 しかし、家に居ても何も手に付かず、ほとんどの時間ボーっとしていた。
 卒論の仕上げに取り掛からなければならなかったが、集中することはできなかった。
 それに、断っておきながら、バンドへの未練を断ち切れないでいた。
 あんな別れ方をしたままで終わらせたくはなかった。
 悶々とした日が過ぎていった。

 卒論にまったく手が付かなくなったので、ギターを弾くしかすることが無くなった。
 アンプに繋ぐわけにもいかないので、しょぼい音しか出せなかったが、それでも机に向かっているよりはましだった。
 しかし、気がつくとバンドの持ち歌を弾いていて、これは逆効果になってしまった。
 彼らとの思い出が次々に浮かび上がってきて切なさが募ってきた。

 何をやってもダメだ……、

 ギターを置いてベッドに倒れ込むと、天井のクロスの小さなシミが見えた。
 ため息が出た。

        *

 そんな日が10日ほど続いたあと、久し振りに部室に寄った。
 ドアには鍵がかかっていた。
 何故かほっとした。
 3人の声が聞こえたらドアを開けずに帰るつもりだったからだ。

 鍵を開けて中に入った。
 部室の中は何も変わっていなかった。
 タッキーの定位置に座ると、彼のニオイがした。
 ベスの定位置も、キーボーの定位置も一緒だった。
 でも、自分の定位置にそれはなかった。
 完全に消えていた。
 ここに居場所はないと思うと、『お払い箱』という言葉が頭に浮かんだ。
 すぐに立ち上がって、部室をあとにした。

 学食に行こうかと思ったが、彼らと顔を合わすかもしれないと思うと、足は向かなかった。
 大学を出て5分くらい歩いたところにある定食屋に行った。
 安くてボリュームのある人気の店だ。

 店に入るとサラリーマンや学生で賑わっていたが、それでも入り口近くのカウンター席が空いていたので、そこに座った。
 迷わず生姜焼き定食を頼んだ。
 それが運ばれてくるまですることもないので、天井近くに備え付けられたテレビをぼんやりと見ていた。

 政治や経済のニュースをやっていた。
 興味のないものばかりだった。
 それが終わると、いきなり荒れた海が映し出された。
 海難事故のニュースだった。
 オホーツク海で漁船が転覆したらしい。
 漁船が大きな横波を受けて転覆したのだという。
 直ちに海上保安本部の飛行機が現場に向かって捜索を始めたが、近くに救命いかだの姿はなく、浮き輪も救命胴衣も発見されていないという。
 救助のために巡視船が向かっているが、到着するまでにかなりの時間を要するので、救助のために残された時間は多くないとアナウンサーが深刻な表情で伝えていた。

 画面が変わって漁港が映し出された。
 乗組員の家族が漁協の建物に集まっていた。
 誰もが悲痛な表情を浮かべていた。

 若い女性がクローズアップされた。
 両手で顔を覆っていた。
 その祖母らしき人が彼女の背中を擦っていた。
 祖父らしき人が彼女の肩に手を置いてインタビューに答えていた。
 彼女の婚約者がその船に乗っていて、来月結婚式を挙げる予定なのだという。

「この子が赤ん坊の時に漁に出ていた両親が海で亡くなって、その上婚約者まで……」

 声が途切れた。
 唇が震えていた。
 目は真っ赤になっていた。
 凍てつくような空気がその場を支配した。
 それが永遠に続くかと思われた時、老人が無理矢理という感じで涙を拭って、掠れた声を絞り出した。

「無事帰ってくることを」

 その途端、彼女が嗚咽を漏らした。
 祖母の目から大粒の涙が零れた。
 インタビュアーも目を真っ赤にしていた。
 居たたまれなくなったように画面が変わり、荒れた北の海が映し出された。
 海鳴りが聞こえたような気がした。
 それは、彼女の悲痛な叫びのように感じた。
 もうテレビを見ていられなくなった。

 トイレに行って個室に入り、トイレットペーパーを破って鼻を噛んだ。
 オシッコはしなかった。
 手を洗って席に戻った。

 食欲はなくなっていたが、運ばれてきた生姜焼き定食を見たらお腹が鳴った。
 朝食を食べていなかったからペコペコだった。
 美味しいとは感じなかったが、なんとか食べ終えた。
 しかし、みそ汁はほとんど残した。
 北の海に見えて飲む気がしなかった。

 助かりますように。

 みそ汁に向かって手を合わせた。

        *

 その夜のニュースで海難事故の続報を見た。
 生存者を見つけることができなかったと伝えていた。
 船は沈没してしまっていた。
 白い波が立つ海面が映されていたが、そこに命の気配を感じることはできなかった。
 捜索は続いていたが、絶望的だとアナウンサーが告げていた。
 絶望的という言葉に心が凍った。
 しかし、もうどうしようもないということも事実だった。
 白い波頭はとうが踊る画面を見ながら、彼女はどうしているだろうかと思いを馳せた。
 すると、顔を両手で覆った彼女の姿が浮かんできた。
 嗚咽が耳の奥でこだました。
 でも諦めてはいないはずだ。
 婚約者が必ず生きて帰ってくることを信じているはずだ。
 祈り続けているはずだ。
 そうであって欲しい。
 テレビに映っている北の海に向かって手を合わせた。

        *

 その夜、彼女の夢を見た。
 ベッドにうつ伏せになっていた。
 横顔が見えたが、疲れ果てて眠っているようだった。

 机の上にはウエディングドレス姿の写真があった。
 前撮りの時の写真だろうか、その横には彼氏とのツーショット写真が飾られていた。
 幸せ絶頂の笑顔だった。

 招待者リストも置かれていた。
 式次第もあった。
 毎日何度も目を通してその日が来るのを待ちわびていたのだろう。
 でも、その日は来ない。
 永遠に来ない。
 永遠に……。

 真夜中に目が覚めると、何かに引っ張られるように体が起き上がり、椅子に座らされた。
 机の上にはノートが広げられていた。
 ボールペンを持つと勝手に手が動いた。
 何かが取り付いているように動き続けた。

 しばらくして手が止まった。
 ボールペンを置いて、書かれたものを読んだ。
 詩のようだった。
 彼女の身に降りかかった悲惨な状況が綴られていた。
 両親の死、フィアンセの死、そして、彼女の祈り。

 ギターを手にすると、メロディーが浮かんできた。
 生音でつま弾きながら次のメロディーを探した。
 それを繰り返してラジカセに録音した。

 昼前に曲が完成した。
 テープを取り出して、タイトルを考えた。
 夢の中の彼女の顔を思い浮かべて、これから独りぼっちで生きてかなければならない残酷な運命に心を寄せた。
 すると、自然に言葉が出てきた。
『ロンリー・ローラ』

 これ以上のタイトルはなかった。
 テープの表面おもてめんに書いて、その下に作詞作曲スナッチと書き加えた。
 そして、彼らが受け取ってくれますように、とテープに祈りを込めた。

        *

 翌日の夕方、大学から帰宅して食事を済ませたあと、風呂に入って髪を洗っている時だった。

「電話よ」

 すりガラス越しに母親の大きな声が聞こえたので、すぐさまシャワーを止めた。

「誰?」

「木暮戸さん」

「キーボー? あっ、え~っと、あとでかけ直すって言っておいて」

 急いで風呂から出て髪を乾かし、服を着て、電話が置いてある玄関に急いだ。

 受話器に手を置いた。
 しかし、それを持ち上げることができなかった。
 電話が繋がった時に何を言ったらいいのか思い浮かばなかったからだ。
「どうも」
「電話を貰ったそうで」
「風呂に入っていたので遅くなりました」
「お変わりありませんか?」
「どんな御用でしょうか」
「スナッチです」
「須尚です」……、
 頭に浮かんだセリフはどれも陳腐で使えるフレーズではなかった。
 困った。
 もっと気の利いた言葉はないかと探したが、やっぱり何も思い浮かばなかった。

 ぐずぐずしていると、リビングから母親が出てきて、トイレに入ろうとした。
 しかし、ドアを開けたまま立ち止まって、怪訝そうな表情でこっちを見た。
 そして、「何してるの? そんなところで長居してたら湯冷めするわよ」と言ってから、ドアをバタンと閉めてトイレに入った。

 トイレから出た母親がもう一度訝しげな目でこっちを見てリビングに戻ると、いきなりクシャミが出た。
 それに押されたわけではないが、左手で受話器を持ち上げた。
 右手でダイヤルを回すと、すぐに電話が繋がって、お母さんが出た。
 キーボーがいる地下の部屋に電話を回してくれた。

 彼の声が聞こえると、何故か懐かしく感じた。
「どうも……」と言ったあと続かなかったが、彼はすぐに本題に入った。
 部室に置いてあったカセットテープを聴いたこと、とても良かったこと、それはタッキーやベスも同じだということを伝えてくれた。
「ありがとう」と言われた時は、ちょっとジーンとした。
 でも、また「どうも」としか言えなかった。
 すると、「明日の午後は空いているか」と訊かれたので、「大丈夫です」と答えると、「ギターを持って部室に来て欲しい」と頼まれた。
「わかりました」と言って電話を切ろうとしたが、思いとどまった。
 自分が先に切るわけにはいかない。
 キーボーが電話を切るのを待った。

 電話が切れた。
 プープーという音が聞こえてきた。
 しかし、受話器を戻すことはできなかった。
 手に持ったまま、プープーという音を聞き続けた。
 その音は「セーフ、セーフ」と言っているように聞こえたからだ。
 だからしばらくそのままでいた。
 すると、またクシャミが出て、大きな「ハックション」が玄関に鳴り響いた。
 鼻をすすると、3人の顔が次々に浮かんできた。
 でも、その顔は別れた時の険しい顔ではなかった。
 ほっとして受話器を戻した。

        *

 翌日部室に行くと、何事もなかったように3人が迎えてくれた。
 あの日の陰険なムードは完全に消えていた。
「どうも」と言って自分の定位置に座った。

 4人でカセットテープを聴いたあと、コード進行を説明した。

「Cm→A♭→B♭→Cmの循環で始めて、サビは、E♭→F→G7→E♭→F、そして……」

 それ以外にも何か所か確認したあと、ギターでイントロのリフを弾いて、ベースラインを、次に、ドラムを、そしてキーボードをと順に音を合わせていった。
 それが終わると、ヴォーカルパートについて説明をした。
 
「キーボーがリードヴォーカルを、ベスがハーモニーをつけてください」

 2人は、わかったというふうに頷いた。

 これ以上確認することはなかった。
 タッキーに視線を送ると、「ワン、トゥー、スリー、フォー」とスティックを叩きながらカウントを始めた。
 それを合図に演奏が始まった。
 イントロを弾き終わると、歌が始まった。
 サビの部分でキーボーの高音が伸び、掛け合いのようにベスのハスキーヴォイスが絡んできた。
 ドキッとするくらいスリリングな絡みに気持ちが乗ってきた。
 間奏のギターを弾き始めると、連符の速弾きが決まった。

        *

 練習を繰り返して完成の域に達したところでスタジオを借りた。
 デモテープを作るためのレコーディングをするためだ。
 8トラックのプロ仕様オープンリールに幾つもの音を重ね、ハーモニーは念入りに吹き込んだ。
 そして、イントロとエンディングのギターはツイン・リードで決めた。

        *

 デモテープをレコード会社に送った。
 その数は10社以上だった。
 しかし、どこからも返事はなかった。
 待てど暮らせどなんの連絡もなかった。

 全国のアマチュアバンドが自作曲を録音してレコード会社へ送ると自動的に新人発掘部門や企画部の担当者に届けられることになっているらしいが、その数が半端ではないことは知っていた。
 だから、担当者が聞くことができるデモテープはほんの僅かだということも知っていた。
 ほとんどが開封されないまま段ボールの中に放り込まれていると聞いたこともある。
 確かに、どこの馬の骨ともわからないアマチュアバンドのデモテープを積極的に聞こうとする担当者はいないかもしれない。
 しかし、余りにも遅すぎると思った。
 まさか段ボールに詰め込まれてほったらかしにされていることはないだろうが、日が経つにつれて焦りの気持ちが強くなっていった。
 デモテープの出来に自信があっただけに、その反動は強かった。

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