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楽屋の裏路地でアンプか何かだ、乱暴に座らせられ、慧はシルバの項に手をまわした。
腰に手を添えぴちゃぴちゃと下品なキスをかましてきたシルバは、上着のポケットから派手な色のボトルと眼鏡拭きのような布を出す。
そのボトルの液体を布に染み込ませ、すぅっと一息吸っていた。
…塗料?そんな匂い。
慧が少し目を瞑りそうになると、シルバはいそいそと下半身を出し、寝るなと言わんばかりに輪郭を掴んで壁に押さえ付けてきた。
匂いに若干くらくらしそうだし、いきなり脳も揺れたし圧で咳も出る。
が、相手はそんな事情に構わず迫り、「噛んだらぶっ殺すぞ」と低い声で言い放つ。
慧が軽く口を開けると、ソレはがっと押し入りガツガツと喉まで突いてくる。
何度か嘔吐いた。
「喉反らすんだよ、喉、」
まるで響きそうなほどの声で「っははは!ははは!」と笑うシルバに、確かにヤバいらしいなと慧がどこか冷静になった頃に口から抜かれた。
「やっぱ思ったより出来んじゃん」
そこまでは覚えていた。
起きたら、慧は自分の記憶にない場所にいた。
耳に入ってくる、CDだ、よくわからないギター技術と癖のある…子供に近い、変わった声。
自分はどうやら安い…中身が剥き出しになったベッドで寝ている。
なんだ?と見回せばまず、側の台にはコンドーム、ローション、それと洗面器が置いてある。
コンクリートの部屋、テレビ、台に置かれたラジカセ…の側には風呂場か何かの扉、しかない場所。
慧の頭に「監禁」の二文字が浮かんだ。
ラジカセの横で…「シルベスタァー、アン、ジョニーィケイ」と歌うシルバが、こちらに背を向け何かをしていた。
身体がダルい…いや、なんだか変な…熱っぽいな、ぶり返したかな…。
…プラスチックのような匂い…。
起き上がろうとすれば、ベッドがギシィ、と音を立てる。
シルバは動きも歌もピタッ、と止め、こちらへ振り向いた。
「ああ起きた」
獲物へ襲いかかるように馬乗りになったシルバは腹の上で「っふふふ、はは、」と高めの声で笑い出す。
明らかに異常だった。
……こんなヤツ、映画やフィクションにすらいないだろう。いたらどうかしている。
…でも、自分も頭、まわらない。
「大変だねぇ」とタオルケットを捲られ知る、慧はシャツを羽織ったのみで、股間は痛いだろうくらいに勃起しているが……痛みがわからない。
シルバもすぐに自身の下半身を出し慧の足を持ち上げ一気にぐっと入れてくるが、自分に緩さを感じた。
…左足が、震えている。
「そんなによかった?思い出した?」
酔いそうな…m7…いやもうわからない、そこにふわっと聞こえる歌詞。
よくわからないまま左手も絡め取られ、ずりずりと擦られる、最早感覚も曖昧になっているのに、頭だけは溺れていく。
身体はかっと熱くなるが、イくもイかないも感覚がわからない。
「まだ出来そうだね」とコンドームに手を伸ばしたシルバに、てゆうか、してなかったのかよと思えば予想外だった、それは股間の根本に縛り付けられ「うっ、」と声が出てまた気付く。
喉が痛い。
ただ、多分腫れた痛さではない。
はぁはぁ、というよりひぃひぃと息ばかりが出て行くが、そうもされるとどこもかしこも痺れているような感覚、なのに出せない。
辛すぎてどうにかなりそうだった。
「…な、にっ………これっ……!」
「覚えてないの?昨夜の、」
ガン、とくる衝撃。
「うぅうっ、」と声が漏れる、喉がいがいがしている。
「寝落ちされたのは初めてだったけどね、死んだかと思った」
ねぇ知ってる?と言うシルバは乳首を舐めてきた。
そこで快感を得た経験はなかったが、まるで身体が自然と捩れる、なんだ、なんだこれは一体。
「んんっ、」
嫌だ。
「あぁ、随分慣れたね、まぁ昨日、あんだけヤッたもんね」
…全然記憶にないんだけど。
「凄かったよ、寝落ち、する前、あぁ、ここだよね、よがってたの、」
「んっ………!」
奥、少し手前あたりを中で何かされているがなんだかわからない、のに「うあぁあっ」と声が出るほど…自分もおかしくなっていた。
はっと反った瞬間抱き止められ、対面座位になる。
「おかげで背中が痒い」と密着され、股間がシルバの腹で擦られる、多分いま物凄く痛いはず、確かに余程したのだろうが彼は低い声で言った、「痛いのが快感になっちゃったりしてね」と。
涙が出た、ただ、薬中一人を押し返すほどの力すらも何故かない、頭が犯されている。
狂ったように「あぁっ、んぁ、あっ、」と喘いでいる自分がまるで遠い感覚。
これは本当にヤバい。
…この一線が越えられないなんて、生き地獄もいいところだ。
「…やめ、た、すけてっ……!」
「はぁ?ギンギンじゃん?見える、これ、君の」
「やめっ、てぇっ、ホン、トにっ!!」
「っははははは!んだよ俺じゃねぇのかコラぁっ!」
急に怒鳴られビクッとした。
次にはあの胡散臭い笑顔で「これはね」と言うシルバに身体の向きをくるっと変えられてしまった。
ヤバい、それだけはマジで勘弁してくれ、と思った瞬間、口元に布を押し当てられ……。
はっ、と意識を失いそうになるほどの痺れ。
一気に血液だか、なんだかわからない、まるで濁流のように…快楽が脳へ流れ込み、明らかにイッた。
「は…あ?」
PTSDが…え、なんで?
疲れ、はぁはぁと両手を付き項垂れるが、まだ自分の股間は上向きで、なのに出た様子すらない。
ずるっと抜かれるのにも身体はビクッと反応した、出たか?いや…全く出てない。
アルバム?はいつの間にかまた最初に戻っていた。C…?マイナー……。
「一日でこんな感度とか、ヤバいねお前」
何言ってんだよ、もう助けてくれと生理現象のように慧がゴムを外そうとすると「ダメだなまだイく?」と…何かの機械音がして恐る恐る振り向いた。
腰に手を添えぴちゃぴちゃと下品なキスをかましてきたシルバは、上着のポケットから派手な色のボトルと眼鏡拭きのような布を出す。
そのボトルの液体を布に染み込ませ、すぅっと一息吸っていた。
…塗料?そんな匂い。
慧が少し目を瞑りそうになると、シルバはいそいそと下半身を出し、寝るなと言わんばかりに輪郭を掴んで壁に押さえ付けてきた。
匂いに若干くらくらしそうだし、いきなり脳も揺れたし圧で咳も出る。
が、相手はそんな事情に構わず迫り、「噛んだらぶっ殺すぞ」と低い声で言い放つ。
慧が軽く口を開けると、ソレはがっと押し入りガツガツと喉まで突いてくる。
何度か嘔吐いた。
「喉反らすんだよ、喉、」
まるで響きそうなほどの声で「っははは!ははは!」と笑うシルバに、確かにヤバいらしいなと慧がどこか冷静になった頃に口から抜かれた。
「やっぱ思ったより出来んじゃん」
そこまでは覚えていた。
起きたら、慧は自分の記憶にない場所にいた。
耳に入ってくる、CDだ、よくわからないギター技術と癖のある…子供に近い、変わった声。
自分はどうやら安い…中身が剥き出しになったベッドで寝ている。
なんだ?と見回せばまず、側の台にはコンドーム、ローション、それと洗面器が置いてある。
コンクリートの部屋、テレビ、台に置かれたラジカセ…の側には風呂場か何かの扉、しかない場所。
慧の頭に「監禁」の二文字が浮かんだ。
ラジカセの横で…「シルベスタァー、アン、ジョニーィケイ」と歌うシルバが、こちらに背を向け何かをしていた。
身体がダルい…いや、なんだか変な…熱っぽいな、ぶり返したかな…。
…プラスチックのような匂い…。
起き上がろうとすれば、ベッドがギシィ、と音を立てる。
シルバは動きも歌もピタッ、と止め、こちらへ振り向いた。
「ああ起きた」
獲物へ襲いかかるように馬乗りになったシルバは腹の上で「っふふふ、はは、」と高めの声で笑い出す。
明らかに異常だった。
……こんなヤツ、映画やフィクションにすらいないだろう。いたらどうかしている。
…でも、自分も頭、まわらない。
「大変だねぇ」とタオルケットを捲られ知る、慧はシャツを羽織ったのみで、股間は痛いだろうくらいに勃起しているが……痛みがわからない。
シルバもすぐに自身の下半身を出し慧の足を持ち上げ一気にぐっと入れてくるが、自分に緩さを感じた。
…左足が、震えている。
「そんなによかった?思い出した?」
酔いそうな…m7…いやもうわからない、そこにふわっと聞こえる歌詞。
よくわからないまま左手も絡め取られ、ずりずりと擦られる、最早感覚も曖昧になっているのに、頭だけは溺れていく。
身体はかっと熱くなるが、イくもイかないも感覚がわからない。
「まだ出来そうだね」とコンドームに手を伸ばしたシルバに、てゆうか、してなかったのかよと思えば予想外だった、それは股間の根本に縛り付けられ「うっ、」と声が出てまた気付く。
喉が痛い。
ただ、多分腫れた痛さではない。
はぁはぁ、というよりひぃひぃと息ばかりが出て行くが、そうもされるとどこもかしこも痺れているような感覚、なのに出せない。
辛すぎてどうにかなりそうだった。
「…な、にっ………これっ……!」
「覚えてないの?昨夜の、」
ガン、とくる衝撃。
「うぅうっ、」と声が漏れる、喉がいがいがしている。
「寝落ちされたのは初めてだったけどね、死んだかと思った」
ねぇ知ってる?と言うシルバは乳首を舐めてきた。
そこで快感を得た経験はなかったが、まるで身体が自然と捩れる、なんだ、なんだこれは一体。
「んんっ、」
嫌だ。
「あぁ、随分慣れたね、まぁ昨日、あんだけヤッたもんね」
…全然記憶にないんだけど。
「凄かったよ、寝落ち、する前、あぁ、ここだよね、よがってたの、」
「んっ………!」
奥、少し手前あたりを中で何かされているがなんだかわからない、のに「うあぁあっ」と声が出るほど…自分もおかしくなっていた。
はっと反った瞬間抱き止められ、対面座位になる。
「おかげで背中が痒い」と密着され、股間がシルバの腹で擦られる、多分いま物凄く痛いはず、確かに余程したのだろうが彼は低い声で言った、「痛いのが快感になっちゃったりしてね」と。
涙が出た、ただ、薬中一人を押し返すほどの力すらも何故かない、頭が犯されている。
狂ったように「あぁっ、んぁ、あっ、」と喘いでいる自分がまるで遠い感覚。
これは本当にヤバい。
…この一線が越えられないなんて、生き地獄もいいところだ。
「…やめ、た、すけてっ……!」
「はぁ?ギンギンじゃん?見える、これ、君の」
「やめっ、てぇっ、ホン、トにっ!!」
「っははははは!んだよ俺じゃねぇのかコラぁっ!」
急に怒鳴られビクッとした。
次にはあの胡散臭い笑顔で「これはね」と言うシルバに身体の向きをくるっと変えられてしまった。
ヤバい、それだけはマジで勘弁してくれ、と思った瞬間、口元に布を押し当てられ……。
はっ、と意識を失いそうになるほどの痺れ。
一気に血液だか、なんだかわからない、まるで濁流のように…快楽が脳へ流れ込み、明らかにイッた。
「は…あ?」
PTSDが…え、なんで?
疲れ、はぁはぁと両手を付き項垂れるが、まだ自分の股間は上向きで、なのに出た様子すらない。
ずるっと抜かれるのにも身体はビクッと反応した、出たか?いや…全く出てない。
アルバム?はいつの間にかまた最初に戻っていた。C…?マイナー……。
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