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不眠症
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何気に、こういう瞬間が一番やりがいを感じるんだよなぁ。
あまりのめり込まないようには、気を付けようとは思うのだけれども。
「…疲れたぁ…」
帰宅して早々にリビングの扉を開け、そう吐いていた。
「おー、お帰り」
丁度、クソドラマの四話目の放送時間が終わったらしい。
みるるんが橋の上であのアイドルタレントに「好きだよ!」と告白し主役が振り向き、エンドロール。
この次の次だ、水ぶっ掛け回。
「…でったぁ~!」
「あ、悪い。録画はしてあるよ」
「いやいいんだ、どう?」
タッパーを洗おうと鞄から出すと「あ、置いといていいよ」と芳明は言った。
「着替えてきなよ。てゆうかこの…幼馴染み役だよね?担当」
「そう、着替えてくるね…」
の前にと「ねぇねぇ」と手招きをする。
「ん?」とついでに側まで来た芳明に「ただいまー!」と寄り掛かり「お、おかえり」とキスをし顔が寄ったまま写メを見せた。
15歳スカウト時、まるで女の子のような平中くんのお写真を。
「っわ、マジか、かっわいいなおい!」
「だよねだよね~。今日のペナルティで眼福公開処刑~」
「え、え?それがえ?あんなクソガキ顔になっちゃうの!?何、整形!?」
「コンプレックスすぎていっそ整形ってことにしたいってさ~」
そして俺をじろじろ見る芳明に「はい着替えてきまーす!」とウォークインに入る。
シャツを脱いで気付いた。
…あのヤロ、肩に微妙な痕を付けやがったな…。
全くあんな可愛いかった顔の子がなんなのっ!
思い出したら照れそうになり、ヤバイな一応無になろうとしてはっと浮かんだ。
あの髭クソ監督だ。
…流石に映像編集が、とか、会社も知らないだろう。俺もいまいち記憶にないし。
平中くん云々より嫌だなぁ…あと二話、のうちえっと今日の残りが明日へ繰り越された。めちゃくちゃ早い時間に…平中くんの番宣ついでにチョロっと…。と言うメールが直で来たのだ。
クレームに託つけてあの監督が眞田さんに俺の連絡先を聞いたらしい。
眞田さんはその場で「本人の許可を得ますね」と通話を切ったらしいが、流石に眞田さんから「なんで?」と聞かれた。
言えるわけもなく許可をし、「直接聞いてみます」とした。勿論平中くんにはそこまでの話しはしていない。
その先を要求されたらマズいよな。
これは正直に芳明に言い、過去の事と共に謝罪をしようかなと頭で組み立てる。
当の芳明がタッパーを洗ってくれている音がする。
スウェットに着替えソファーの前に座ると、「結構上手いな平中レイア」と言いながらすぐに芳明は隣に座った。
「なんかあったっしょ?」
察したらしく、少し長めにキスをしてくる芳明にやっぱりちょっと居心地は悪い。
「…ん、まぁその…ドラマ、よかった?やっぱ…」
「んー、美少女系だったくん?うん上手かったよ、声優とか言ってたか。低い声出るときも滑舌良くて、主役二人より目は行ったな、俺はね。
あれってだから番宣で出されてるの?」
「んー、あぁ、そう言われるとなるほどかも…」
視聴者意見、大切なんだよな。まぁ芳明の場合はちょっとだけテレビマン寄りにはなっているんだろうけれども。
「意外と熱い役だなってのは、この前履修でまとめて観たときに話したよなー」
「ね。そうなんだよねー…ただまぁ」
「温度差あんの?さっきくらいの驚きで」
「…まさしく」
「トラブルって聞いてピンと来た。作り方みたいなのが雑だよな、このドラマ。
あの子が少し肩の力を入れすぎなのか、それとも現場が悪いのかなって違和感はあった、普通に観ても。多分ユキが業界にいなくても同じ感想を抱くと思う。
つーか四話目でゴール感って…どんでん返し…あ、いや聞かないでおいた方がいいのか?」
「…芳明が気に入って観たわけじゃなさそうだから言うけど、打ち切りってか十話。そう、お金掛けてなさそうでしょ?て言えばまぁ…わかるかな」
「なるほどね。金掛けすぎて十話もありそうだもんな。あれじゃ確かにな」
「…ごめんね仕事の話で」
「まぁいいよ、テレビの話じゃん」
ふわっと髪を撫でこしょこしょとしてくる芳明の優しさに大変言いにくいが「…芳明に謝るんだけど…」と切り出した。
「浮気?」
「え、……いや違う」
「え、でも今の反応変だよ」
「うーんと………」
パンクしそうで少し胸に手を当てればやっぱり思い出す。
芳明はそれを待ちつつ「まー、君にとってセックスくらいなら浮気じゃないもんなぁ、俺の定義は気持ちがあるかだから…」と言葉を頑張って選んでいるのはわかるがまず、「…若かりし頃の謝罪をしますっ」と言った。
「え?」と、全く読めていなさそうな芳明の、確かに怒ってはいないだろう表情を見て「あの………ヤバイバイトの件…」と告白すれば、それには少し眉を寄せた。
「あれな。なんで今更蒸し返」
「これの監督、が…それの人、でした…」
はぁ、と息を吸う俺に芳明は「…マジかっ!」とビックリしている。
「うっわー…。それ、言うってことは」
「……概ねご想像かと、思いますが、」
「……~っ!だから言ったのにぃ、何それもしかして再会してちょっと待って多分だけどあれまともな人間じゃないよな会ったことないけど、」
「…メール、見ます?」
「見ない。え、なんか悪いことされてる?」
「…吐いちゃった、今日」
はぁ、と怒りを押し殺したような、仕方ねぇなとでも言いたそうな芳明は自分の額に手を当て「……あんときもっと叱っときゃよかったなお前を、」と言った。
あまりのめり込まないようには、気を付けようとは思うのだけれども。
「…疲れたぁ…」
帰宅して早々にリビングの扉を開け、そう吐いていた。
「おー、お帰り」
丁度、クソドラマの四話目の放送時間が終わったらしい。
みるるんが橋の上であのアイドルタレントに「好きだよ!」と告白し主役が振り向き、エンドロール。
この次の次だ、水ぶっ掛け回。
「…でったぁ~!」
「あ、悪い。録画はしてあるよ」
「いやいいんだ、どう?」
タッパーを洗おうと鞄から出すと「あ、置いといていいよ」と芳明は言った。
「着替えてきなよ。てゆうかこの…幼馴染み役だよね?担当」
「そう、着替えてくるね…」
の前にと「ねぇねぇ」と手招きをする。
「ん?」とついでに側まで来た芳明に「ただいまー!」と寄り掛かり「お、おかえり」とキスをし顔が寄ったまま写メを見せた。
15歳スカウト時、まるで女の子のような平中くんのお写真を。
「っわ、マジか、かっわいいなおい!」
「だよねだよね~。今日のペナルティで眼福公開処刑~」
「え、え?それがえ?あんなクソガキ顔になっちゃうの!?何、整形!?」
「コンプレックスすぎていっそ整形ってことにしたいってさ~」
そして俺をじろじろ見る芳明に「はい着替えてきまーす!」とウォークインに入る。
シャツを脱いで気付いた。
…あのヤロ、肩に微妙な痕を付けやがったな…。
全くあんな可愛いかった顔の子がなんなのっ!
思い出したら照れそうになり、ヤバイな一応無になろうとしてはっと浮かんだ。
あの髭クソ監督だ。
…流石に映像編集が、とか、会社も知らないだろう。俺もいまいち記憶にないし。
平中くん云々より嫌だなぁ…あと二話、のうちえっと今日の残りが明日へ繰り越された。めちゃくちゃ早い時間に…平中くんの番宣ついでにチョロっと…。と言うメールが直で来たのだ。
クレームに託つけてあの監督が眞田さんに俺の連絡先を聞いたらしい。
眞田さんはその場で「本人の許可を得ますね」と通話を切ったらしいが、流石に眞田さんから「なんで?」と聞かれた。
言えるわけもなく許可をし、「直接聞いてみます」とした。勿論平中くんにはそこまでの話しはしていない。
その先を要求されたらマズいよな。
これは正直に芳明に言い、過去の事と共に謝罪をしようかなと頭で組み立てる。
当の芳明がタッパーを洗ってくれている音がする。
スウェットに着替えソファーの前に座ると、「結構上手いな平中レイア」と言いながらすぐに芳明は隣に座った。
「なんかあったっしょ?」
察したらしく、少し長めにキスをしてくる芳明にやっぱりちょっと居心地は悪い。
「…ん、まぁその…ドラマ、よかった?やっぱ…」
「んー、美少女系だったくん?うん上手かったよ、声優とか言ってたか。低い声出るときも滑舌良くて、主役二人より目は行ったな、俺はね。
あれってだから番宣で出されてるの?」
「んー、あぁ、そう言われるとなるほどかも…」
視聴者意見、大切なんだよな。まぁ芳明の場合はちょっとだけテレビマン寄りにはなっているんだろうけれども。
「意外と熱い役だなってのは、この前履修でまとめて観たときに話したよなー」
「ね。そうなんだよねー…ただまぁ」
「温度差あんの?さっきくらいの驚きで」
「…まさしく」
「トラブルって聞いてピンと来た。作り方みたいなのが雑だよな、このドラマ。
あの子が少し肩の力を入れすぎなのか、それとも現場が悪いのかなって違和感はあった、普通に観ても。多分ユキが業界にいなくても同じ感想を抱くと思う。
つーか四話目でゴール感って…どんでん返し…あ、いや聞かないでおいた方がいいのか?」
「…芳明が気に入って観たわけじゃなさそうだから言うけど、打ち切りってか十話。そう、お金掛けてなさそうでしょ?て言えばまぁ…わかるかな」
「なるほどね。金掛けすぎて十話もありそうだもんな。あれじゃ確かにな」
「…ごめんね仕事の話で」
「まぁいいよ、テレビの話じゃん」
ふわっと髪を撫でこしょこしょとしてくる芳明の優しさに大変言いにくいが「…芳明に謝るんだけど…」と切り出した。
「浮気?」
「え、……いや違う」
「え、でも今の反応変だよ」
「うーんと………」
パンクしそうで少し胸に手を当てればやっぱり思い出す。
芳明はそれを待ちつつ「まー、君にとってセックスくらいなら浮気じゃないもんなぁ、俺の定義は気持ちがあるかだから…」と言葉を頑張って選んでいるのはわかるがまず、「…若かりし頃の謝罪をしますっ」と言った。
「え?」と、全く読めていなさそうな芳明の、確かに怒ってはいないだろう表情を見て「あの………ヤバイバイトの件…」と告白すれば、それには少し眉を寄せた。
「あれな。なんで今更蒸し返」
「これの監督、が…それの人、でした…」
はぁ、と息を吸う俺に芳明は「…マジかっ!」とビックリしている。
「うっわー…。それ、言うってことは」
「……概ねご想像かと、思いますが、」
「……~っ!だから言ったのにぃ、何それもしかして再会してちょっと待って多分だけどあれまともな人間じゃないよな会ったことないけど、」
「…メール、見ます?」
「見ない。え、なんか悪いことされてる?」
「…吐いちゃった、今日」
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