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橙色海岸にて名付ける
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ライブは最高潮に終わる。
いつもそれが少し寂しくて、ついつい飲みに行っちゃうが、
「卯月~ぃ、渋谷で飲んでぅかぁねぇ~!」
留守電を残す。
山口と高畑は
「のん…」
「ちょ、大丈夫かよ」
心配そう。だって俺今日ライブ前からわりと飲んでてライブでは
「あひゃー!踊ぉーぜみんなー!」
ジャンプしてギター弾けたもん。39にして。多分、明日は筋肉痛で動けないもん、俺。
ファンの子とか、「最高です抱いてください」に対しハグしまくってもうライブテンションの汗と変な汗とでびしゃびしゃだったもん。
「Let's dancing everybody there~♪
Let's dancing everybody show~♪」
「ノリノリだねのん」
「えへへー♪たーのしかったな!」
「ホントに音楽バカだなぁ、のんは」
3人でこんな調子で居酒屋に行ったはいいが。
「待った、吐く」
着いて我に返る、
やべぇ、非常に酒が回っている。
「え、のん!?」
高畑のそれに構えずひたすらにトイレを探し、
「う゛ぇぇぇ゛」
吐いた。
何これジャグジーやん。
「あぁ、全くのんはぁ、」
気付けば山口が「はいよしよし~」と背を擦ってくれてる。果たしてもらいゲロとかしないのだろうか山口。
しかし山口は始終苦笑いだった。
「どう?どう?あと胃液?はい、水」
飲んだ。で、
「お゛ぇぇぇ゛」
しばらく繰り返して。
治まった頃には俺がスッキリ、山口はちょっと口に手を押さえて笑顔ながらも顔面蒼白。
「え、山ちゃん、大丈夫?」
「うん、先席ついてて」
仕方ない。
扉を閉めたらやはり「っぅぇっ、」が聞こえてきた。
ごめん山口と思いながらトイレの前に座っていれば高畑が「あ、のん」と言ってきて。
「おやじさんが、お前ら帰ってこないって心配してるけど大丈夫か?
歯ブラシくれたよおやじさん」
「あー、マジで?流石だね。ありがとうございます。
山ちゃんがもらいゲロしてるー。ちょっと行ってくる~」
親父さんに挨拶しようとここは高畑に任せることにした。はぁ、と言う高畑の溜め息が聞こえる。
顔見知りの店でよかった。
歯ブラシは恐らく、前回来たときに「ゲロ吐いたら歯ぁ磨きたいよね」という話をしたからだろう。流石店主、わかってくれてる。
厨房を覗きおやじさんと目が合い、「すんません、曽根崎ですぅ」と挨拶すれば、
「のんちゃん、今回は初パターンだね」
と、アゴヒゲ、元バンドマンでドラマーだったおやじさん、杵島さんがにかっと笑った。昔のドラマーらしい、体格の良さだ。
「あー、歯ブラシ奥ね~」と言って厨房の隣のスペース(化粧室みたいなところ)を指差してくれた。
「ありがとーございまぁす」
礼を言って、洗面台?を借りた。
正直このスペース、長年通っているが謎なのだ。
ホテルのアメニティだろう、包装された、小さな歯みがき粉入りの歯ブラシ2セットと、焼酎のカップが鏡台に置いてあった。
借りて歯みがきをしていれば高畑に連れられた山口が顔面蒼白で「俺も…」と言った。
すぐに高畑が「コップなんか借りてくるわ」と去って行く。
「マジごめん山ちゃん」
「いや、いいよ…」
山口も歯ブラシの包装を開ける。すぐに「あっ」と言ったので「なに?」と聞いてから口を濯いだ。
「これラブホの歯ブラシだ」
なんてことを言う。しかし、
「ふはっ、」
笑ってしまった。
「やるねぇおやっさん」
「すげぇな、最近出来たとこだよ」
「マジで?どこ?」
「あの通り入ったとこ」
指でジェスチャーしながら山口が説明するが、「わかんないや」実際ぴんと来なかった。
「あー、じゃぁツアー終わったら行こっかのん」
とか至って普通にふざけたことを言うので、
「うん、可愛い子連れて来れたらね」
と、返したところで「なんちゅー話してんの?」と高畑がやってきた。
「ノリが若くねぇか二人して」
「いひゃ、」
高畑が山口にコップを渡す。
「却って俺は歳を感じたよー」
「ほーだね」
「ろ、露骨過ぎる親父ギャグ?だよねー」
山口は普通にまた「ほーだね」と言ったが、高畑に「のんはそゆとこダメー」と言われた。
ははぁ、楽しくなってきたな。
早く卯月も来ないかな。
なんならジャグジーを呼んでもいいや。
あれ、てか。
「ねぇ高畑」
「ん?なに」
「ジャグジーって名前なんだっけ」
メールの電話帳を見て聞いてみる。
しかし二人とも、「あっ」だの「えーっと」だの言ってる。
確かメアドを交換したときにジャグジー、本名を入れていたんだ。(赤外線で誕生日とかまで入っていた、しかもガラケー)
「なんだっけ」
「三味線だよね。もう見慣れない奴なんじゃない?」
「いや、見慣れない後輩たくさん入ってんだよ、スマホだから」
「あーね。同期が微妙だよなあれ」
「いやそれはいいよ高畑。ジャグジー」
「確か凄くあいつの名前褒めてたよのん。変わった名前じゃなかった?」
「いや変わった名前の最近のバンドマンたくさんいるんだよ」
「あーね。古典芸能っぽいやつじゃん?」
「うーん…」
しばらく探してみた。
赤川次郎丸
絶対違う。
川崎歌音
絶対女だ。
あとわかんねぇな。
「つかツキコ呼んだなら聞けば?」
「あっ、確かに」
そうしよう。
早く来ないかな卯月。
いつもそれが少し寂しくて、ついつい飲みに行っちゃうが、
「卯月~ぃ、渋谷で飲んでぅかぁねぇ~!」
留守電を残す。
山口と高畑は
「のん…」
「ちょ、大丈夫かよ」
心配そう。だって俺今日ライブ前からわりと飲んでてライブでは
「あひゃー!踊ぉーぜみんなー!」
ジャンプしてギター弾けたもん。39にして。多分、明日は筋肉痛で動けないもん、俺。
ファンの子とか、「最高です抱いてください」に対しハグしまくってもうライブテンションの汗と変な汗とでびしゃびしゃだったもん。
「Let's dancing everybody there~♪
Let's dancing everybody show~♪」
「ノリノリだねのん」
「えへへー♪たーのしかったな!」
「ホントに音楽バカだなぁ、のんは」
3人でこんな調子で居酒屋に行ったはいいが。
「待った、吐く」
着いて我に返る、
やべぇ、非常に酒が回っている。
「え、のん!?」
高畑のそれに構えずひたすらにトイレを探し、
「う゛ぇぇぇ゛」
吐いた。
何これジャグジーやん。
「あぁ、全くのんはぁ、」
気付けば山口が「はいよしよし~」と背を擦ってくれてる。果たしてもらいゲロとかしないのだろうか山口。
しかし山口は始終苦笑いだった。
「どう?どう?あと胃液?はい、水」
飲んだ。で、
「お゛ぇぇぇ゛」
しばらく繰り返して。
治まった頃には俺がスッキリ、山口はちょっと口に手を押さえて笑顔ながらも顔面蒼白。
「え、山ちゃん、大丈夫?」
「うん、先席ついてて」
仕方ない。
扉を閉めたらやはり「っぅぇっ、」が聞こえてきた。
ごめん山口と思いながらトイレの前に座っていれば高畑が「あ、のん」と言ってきて。
「おやじさんが、お前ら帰ってこないって心配してるけど大丈夫か?
歯ブラシくれたよおやじさん」
「あー、マジで?流石だね。ありがとうございます。
山ちゃんがもらいゲロしてるー。ちょっと行ってくる~」
親父さんに挨拶しようとここは高畑に任せることにした。はぁ、と言う高畑の溜め息が聞こえる。
顔見知りの店でよかった。
歯ブラシは恐らく、前回来たときに「ゲロ吐いたら歯ぁ磨きたいよね」という話をしたからだろう。流石店主、わかってくれてる。
厨房を覗きおやじさんと目が合い、「すんません、曽根崎ですぅ」と挨拶すれば、
「のんちゃん、今回は初パターンだね」
と、アゴヒゲ、元バンドマンでドラマーだったおやじさん、杵島さんがにかっと笑った。昔のドラマーらしい、体格の良さだ。
「あー、歯ブラシ奥ね~」と言って厨房の隣のスペース(化粧室みたいなところ)を指差してくれた。
「ありがとーございまぁす」
礼を言って、洗面台?を借りた。
正直このスペース、長年通っているが謎なのだ。
ホテルのアメニティだろう、包装された、小さな歯みがき粉入りの歯ブラシ2セットと、焼酎のカップが鏡台に置いてあった。
借りて歯みがきをしていれば高畑に連れられた山口が顔面蒼白で「俺も…」と言った。
すぐに高畑が「コップなんか借りてくるわ」と去って行く。
「マジごめん山ちゃん」
「いや、いいよ…」
山口も歯ブラシの包装を開ける。すぐに「あっ」と言ったので「なに?」と聞いてから口を濯いだ。
「これラブホの歯ブラシだ」
なんてことを言う。しかし、
「ふはっ、」
笑ってしまった。
「やるねぇおやっさん」
「すげぇな、最近出来たとこだよ」
「マジで?どこ?」
「あの通り入ったとこ」
指でジェスチャーしながら山口が説明するが、「わかんないや」実際ぴんと来なかった。
「あー、じゃぁツアー終わったら行こっかのん」
とか至って普通にふざけたことを言うので、
「うん、可愛い子連れて来れたらね」
と、返したところで「なんちゅー話してんの?」と高畑がやってきた。
「ノリが若くねぇか二人して」
「いひゃ、」
高畑が山口にコップを渡す。
「却って俺は歳を感じたよー」
「ほーだね」
「ろ、露骨過ぎる親父ギャグ?だよねー」
山口は普通にまた「ほーだね」と言ったが、高畑に「のんはそゆとこダメー」と言われた。
ははぁ、楽しくなってきたな。
早く卯月も来ないかな。
なんならジャグジーを呼んでもいいや。
あれ、てか。
「ねぇ高畑」
「ん?なに」
「ジャグジーって名前なんだっけ」
メールの電話帳を見て聞いてみる。
しかし二人とも、「あっ」だの「えーっと」だの言ってる。
確かメアドを交換したときにジャグジー、本名を入れていたんだ。(赤外線で誕生日とかまで入っていた、しかもガラケー)
「なんだっけ」
「三味線だよね。もう見慣れない奴なんじゃない?」
「いや、見慣れない後輩たくさん入ってんだよ、スマホだから」
「あーね。同期が微妙だよなあれ」
「いやそれはいいよ高畑。ジャグジー」
「確か凄くあいつの名前褒めてたよのん。変わった名前じゃなかった?」
「いや変わった名前の最近のバンドマンたくさんいるんだよ」
「あーね。古典芸能っぽいやつじゃん?」
「うーん…」
しばらく探してみた。
赤川次郎丸
絶対違う。
川崎歌音
絶対女だ。
あとわかんねぇな。
「つかツキコ呼んだなら聞けば?」
「あっ、確かに」
そうしよう。
早く来ないかな卯月。
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