39 / 376
The 2nd episode
12
しおりを挟む
まずは御子貝の方へ。御子貝は、早坂に任せてあるのだが…。
「黙秘しまーす」
「なんだとてめぇ!撃ち殺すぞ!」
…マジか。
「…もしかしてこれ朝からやってんのか」
「…御子貝はちょっと口が上手いんで、乗せるには乗せるんですよ。で、早坂くんが乗ってきたところを、あんな感じになるんですな」
「はぁ~、単細胞だったかあいつ。
うーん、人員一人増やすか。黒田くんをここに導入だな。あぁ、それか…。
瀬川くん確か一課出だったよな。慣れてるかな取り調べ。だがその前にちょっくら行ってくるわ」
仕方なく扉を開ける。
「あ、部長!」
「どうだい早坂くん」
「こいつマジ張り倒していい!?」
「んー、時と場合によるが君は取り調べが下手くそだ。明日から二人でやってね。
御子貝遊助。ちょっと俺と話をしようか」
「へぇ、貴様こんなところにいたのか」
御子貝は俺を睨む。そりゃぁそうだろう。
「傷はどうだ?」
「あぁ、夜は寒くてな。千切れるくらいに痛ぇよクソが」
「威勢がいいな。これは回復の兆しありだな」
「てめぇふざけてんの…」
「身元不明の6件の臓器はどこの誰だ」
「あぁ!?」
「いいから答えろ。一件は24歳杉並区在住のフリーター。捜索願いが出ていたよ。もう一件は江東区の6歳児。こちらは死亡届けが出ている。あと6件がわからない。どうも成人男性が多いようだが?」
「…まぁ、マスターの趣味だからな」
「マスター?」
「あぁ。お前が大っ嫌いなウチのマスターだよ」
「なるほどな…。
孤児院かなんかから引っ張ってきやがったかてめぇら」
「さぁな」
「まぁいいけど。お前が全部罪被って死刑台で死ぬ分には俺は全然構わない」
「は…?」
思った通り。
こいつわりとアホだ。
「当たり前だろ。お前だって、誘拐殺人に麻薬密売と銃刀法違反と威力業務妨害と共謀罪、あと…」
「待った待った!なんだそれ!」
「あ?惚けんなよ。
ちなみに江島の供述だと江島は…あの場合は違法薬物取締法違反と銃刀法違反、威力業務妨害と、共謀罪疑いかな」
「はぁ!?」
「まぁ供述なんてのは自由だからな。お前のマスターはいま外患誘致罪疑いと共謀罪と内乱罪と…まぁ100%死刑だな。最早なんの罪って、ありすぎてわからん」
「全然わかんねぇ」
「まず日本の法律で一番重い罪は外患誘致だ。海外勢力とも協力して日本にテロ行為を行うこと。共謀罪は、テロ行為の共犯、もしくはそれ事態の計画を企てたものへの罰則だ。内乱罪とは、国の平穏を乱す乱闘を起こしたときの罪だ。まぁ、ざっくりとした説明だがな」
「なんで、俺が」
「黙秘してるからだろ。悪いがこっちはな、被害者囲ってるんだ。
江島もわりと喋ってくれてるしな」
「は!?なんて!?」
「さぁな。まぁよく考えろ」
嘘っぱちに決まってんだろバカ。
早坂をちら見すると、唖然としていた。
さて、こいつはこんなもんで良いだろう。次は江島のところに行こうかと思った矢先…。
「流星さん、あの…」
少し慌てたように慧さんが俺に声を掛ける。
「はい」
「江島が…」
何だ?
「いま行きます」
「ははっ!」
御子貝は笑う。
「あいつはイカれてるからな。警官一人この場で殺すくらいワケねぇよ」
「へぇ…」
取り敢えずうざったいので頭頂部の茶髪をひっ掴んで目を見据えてから一発ぶん殴った。
椅子ごとその場に倒れ、「痛ぇな…!」と喚く。
「黙秘しまーす」
「なんだとてめぇ!撃ち殺すぞ!」
…マジか。
「…もしかしてこれ朝からやってんのか」
「…御子貝はちょっと口が上手いんで、乗せるには乗せるんですよ。で、早坂くんが乗ってきたところを、あんな感じになるんですな」
「はぁ~、単細胞だったかあいつ。
うーん、人員一人増やすか。黒田くんをここに導入だな。あぁ、それか…。
瀬川くん確か一課出だったよな。慣れてるかな取り調べ。だがその前にちょっくら行ってくるわ」
仕方なく扉を開ける。
「あ、部長!」
「どうだい早坂くん」
「こいつマジ張り倒していい!?」
「んー、時と場合によるが君は取り調べが下手くそだ。明日から二人でやってね。
御子貝遊助。ちょっと俺と話をしようか」
「へぇ、貴様こんなところにいたのか」
御子貝は俺を睨む。そりゃぁそうだろう。
「傷はどうだ?」
「あぁ、夜は寒くてな。千切れるくらいに痛ぇよクソが」
「威勢がいいな。これは回復の兆しありだな」
「てめぇふざけてんの…」
「身元不明の6件の臓器はどこの誰だ」
「あぁ!?」
「いいから答えろ。一件は24歳杉並区在住のフリーター。捜索願いが出ていたよ。もう一件は江東区の6歳児。こちらは死亡届けが出ている。あと6件がわからない。どうも成人男性が多いようだが?」
「…まぁ、マスターの趣味だからな」
「マスター?」
「あぁ。お前が大っ嫌いなウチのマスターだよ」
「なるほどな…。
孤児院かなんかから引っ張ってきやがったかてめぇら」
「さぁな」
「まぁいいけど。お前が全部罪被って死刑台で死ぬ分には俺は全然構わない」
「は…?」
思った通り。
こいつわりとアホだ。
「当たり前だろ。お前だって、誘拐殺人に麻薬密売と銃刀法違反と威力業務妨害と共謀罪、あと…」
「待った待った!なんだそれ!」
「あ?惚けんなよ。
ちなみに江島の供述だと江島は…あの場合は違法薬物取締法違反と銃刀法違反、威力業務妨害と、共謀罪疑いかな」
「はぁ!?」
「まぁ供述なんてのは自由だからな。お前のマスターはいま外患誘致罪疑いと共謀罪と内乱罪と…まぁ100%死刑だな。最早なんの罪って、ありすぎてわからん」
「全然わかんねぇ」
「まず日本の法律で一番重い罪は外患誘致だ。海外勢力とも協力して日本にテロ行為を行うこと。共謀罪は、テロ行為の共犯、もしくはそれ事態の計画を企てたものへの罰則だ。内乱罪とは、国の平穏を乱す乱闘を起こしたときの罪だ。まぁ、ざっくりとした説明だがな」
「なんで、俺が」
「黙秘してるからだろ。悪いがこっちはな、被害者囲ってるんだ。
江島もわりと喋ってくれてるしな」
「は!?なんて!?」
「さぁな。まぁよく考えろ」
嘘っぱちに決まってんだろバカ。
早坂をちら見すると、唖然としていた。
さて、こいつはこんなもんで良いだろう。次は江島のところに行こうかと思った矢先…。
「流星さん、あの…」
少し慌てたように慧さんが俺に声を掛ける。
「はい」
「江島が…」
何だ?
「いま行きます」
「ははっ!」
御子貝は笑う。
「あいつはイカれてるからな。警官一人この場で殺すくらいワケねぇよ」
「へぇ…」
取り敢えずうざったいので頭頂部の茶髪をひっ掴んで目を見据えてから一発ぶん殴った。
椅子ごとその場に倒れ、「痛ぇな…!」と喚く。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
灰かぶりの姉
吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。
「今日からあなたのお父さんと妹だよ」
そう言われたあの日から…。
* * *
『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。
国枝 那月×野口 航平の過去編です。
月城副社長うっかり結婚する 〜仮面夫婦は背中で泣く〜
白亜凛
恋愛
佐藤弥衣 25歳
yayoi
×
月城尊 29歳
takeru
母が亡くなり、失意の中現れた謎の御曹司
彼は、母が持っていた指輪を探しているという。
指輪を巡る秘密を探し、
私、弥衣は、愛のない結婚をしようと思います。
27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?
藍沢咲良
恋愛
一色唯(Ishiki Yui )、最近ちょっと苛々しがちの27歳。
結婚適齢期だなんて言葉、誰が作った?彼氏がいなきゃ寂しい女確定なの?
もう、みんな、うるさい!
私は私。好きに生きさせてよね。
この世のしがらみというものは、20代後半女子であっても放っておいてはくれないものだ。
彼氏なんていなくても。結婚なんてしてなくても。楽しければいいじゃない。仕事が楽しくて趣味も充実してればそれで私の人生は満足だった。
私の人生に彩りをくれる、その人。
その人に、私はどうやら巡り合わないといけないらしい。
⭐︎素敵な表紙は仲良しの漫画家さんに描いて頂きました。著作権保護の為、無断転載はご遠慮ください。
⭐︎この作品はエブリスタでも投稿しています。
愛のかたち
凛子
恋愛
プライドが邪魔をして素直になれない夫(白藤翔)。しかし夫の気持ちはちゃんと妻(彩華)に伝わっていた。そんな夫婦に訪れた突然の別れ。
ある人物の粋な計らいによって再会を果たした二人は……
情けない男の不器用な愛。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
黄金の魔族姫
風和ふわ
恋愛
「エレナ・フィンスターニス! お前との婚約を今ここで破棄する! そして今から僕の婚約者はこの現聖女のレイナ・リュミエミルだ!」
「エレナ様、婚約者と神の寵愛をもらっちゃってごめんね? 譲ってくれて本当にありがとう!」
とある出来事をきっかけに聖女の恩恵を受けれなくなったエレナは「罪人の元聖女」として婚約者の王太子にも婚約破棄され、処刑された──はずだった!
──え!? どうして魔王が私を助けてくれるの!? しかも娘になれだって!?
これは、婚約破棄された元聖女が人外魔王(※実はとっても優しい)の娘になって、チートな治癒魔法を極めたり、地味で落ちこぼれと馬鹿にされていたはずの王太子(※実は超絶美形)と恋に落ちたりして、周りに愛されながら幸せになっていくお話です。
──え? 婚約破棄を取り消したい? もう一度やり直そう? もう想い人がいるので無理です!
※拙作「皆さん、紹介します。こちら私を溺愛するパパの“魔王”です!」のリメイク版。
※表紙は自作ではありません。
初恋
藍沢咲良
青春
高校3年生。
制服が着られる最後の年に、私達は出会った。
思った通りにはなかなかできない。
もどかしいことばかり。
それでも、愛おしい日々。
※素敵な表紙をポリン先生に描いて頂きました。ポリン先生の作品↓
https://www.comico.jp/articleList.nhn?titleNo=31039&f=a
※この作品は「小説家になろう」「エブリスタ」でも連載しています。
8/28公開分で完結となります。
最後まで御愛読頂けると嬉しいです。
※エブリスタにてスター特典「初恋〜それから〜」「同窓会」を公開しております。「初恋」の続編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる