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長野まゆみ『あめふらし』
感想-2
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あめふらし
実態をほわっとさせていますが、最後あたりに出てきます、魂を捕まえておくもの、ですね。
よろづ春夏冬中と比べれば断然、文体が近代的。だからこそ「この界」だとか「破璃玉」だの、ルビ振ってるんですが、ある意味「長野造語」が生き生き、浮上してくる。
また、空蝉、雨宿、以外はすべて、「」がない。だからこそ「あぁ、主人公はあめふらしである橘河なんだ」と。
敢えて主人公目線で書かない三人称なんすね、これ。一貫して橘河の謎が解かれず、しかし長野文体、迷宮入り、世界観入りが果たせますね。
しかし大体は夢オチのような気分で一編一編帰ってきます(笑)ここが長野文体の良さを感じます。私夢オチって案外嫌いだけど、「ははぁ、迷宮」がついてくるのでおもろいところ。
雰囲気小説っちゃぁ、雰囲気小説です(笑)
しかしこの辺から長野さん、露骨BLっすね(笑)
兄が好きなものは、男と猫と爬虫類、ただし蛙はのぞく。
て…(笑)
しかしね、妖艶でありながら性描写がない。これも迷宮する理由のひとつです。ふわっ、気付いたら奥さん妊娠してる、みたいな。幻想、確かにぴったりな言葉です。
なんだろ、隠喩比喩を用いながら時折ダイレクト、飾り気なく台詞(「」ないけど)が来ることがあり、最早ホラーの近さもありますね。人物が浮いていながら台詞に実感がある。台詞だけはっきり降ってくる感覚で、
今日はあなたの命日なの。船が沈んだ日だから、そういうことになってるの。……魂よせをする人に、あなたを呼んでくれってたのんだのよ。高くついたけど、こうして逢えたからかまわない。今まで、どこにいらしたの。お骨は還って来なかったの。あなたは船とともに深い海の底に沈んでしまった。亡骸は今もあそこにあるのかしら。
ここなんすけど(何ページかメモるの忘れた。6編目「わたつみ」より)
そして作品キーワードは「水」「蛇」「線香」ですね。
昔話を読んでいる感覚、やはり児童文学を書いていただけあって、この表現はうまい。漫画で言うCLAMPの「×××HOLiC」みたいな感覚です、はい。
妖怪話とかね、読める方(好まなくても)は好きかもしれないですね。
実態をほわっとさせていますが、最後あたりに出てきます、魂を捕まえておくもの、ですね。
よろづ春夏冬中と比べれば断然、文体が近代的。だからこそ「この界」だとか「破璃玉」だの、ルビ振ってるんですが、ある意味「長野造語」が生き生き、浮上してくる。
また、空蝉、雨宿、以外はすべて、「」がない。だからこそ「あぁ、主人公はあめふらしである橘河なんだ」と。
敢えて主人公目線で書かない三人称なんすね、これ。一貫して橘河の謎が解かれず、しかし長野文体、迷宮入り、世界観入りが果たせますね。
しかし大体は夢オチのような気分で一編一編帰ってきます(笑)ここが長野文体の良さを感じます。私夢オチって案外嫌いだけど、「ははぁ、迷宮」がついてくるのでおもろいところ。
雰囲気小説っちゃぁ、雰囲気小説です(笑)
しかしこの辺から長野さん、露骨BLっすね(笑)
兄が好きなものは、男と猫と爬虫類、ただし蛙はのぞく。
て…(笑)
しかしね、妖艶でありながら性描写がない。これも迷宮する理由のひとつです。ふわっ、気付いたら奥さん妊娠してる、みたいな。幻想、確かにぴったりな言葉です。
なんだろ、隠喩比喩を用いながら時折ダイレクト、飾り気なく台詞(「」ないけど)が来ることがあり、最早ホラーの近さもありますね。人物が浮いていながら台詞に実感がある。台詞だけはっきり降ってくる感覚で、
今日はあなたの命日なの。船が沈んだ日だから、そういうことになってるの。……魂よせをする人に、あなたを呼んでくれってたのんだのよ。高くついたけど、こうして逢えたからかまわない。今まで、どこにいらしたの。お骨は還って来なかったの。あなたは船とともに深い海の底に沈んでしまった。亡骸は今もあそこにあるのかしら。
ここなんすけど(何ページかメモるの忘れた。6編目「わたつみ」より)
そして作品キーワードは「水」「蛇」「線香」ですね。
昔話を読んでいる感覚、やはり児童文学を書いていただけあって、この表現はうまい。漫画で言うCLAMPの「×××HOLiC」みたいな感覚です、はい。
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