読書感想文

二色燕𠀋

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夏目漱石『夢十夜』

感想-2

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夢十夜はですね。

うーんと、なんか漱石さんって大学で教鞭とったりなんたら論を記したりするくらいにガチガチな方なんですよ、もう小説よんでも「マジメ」みたいな人なんですよ。

しかし夢十夜
珍しく「幻想文学」な短編集で。
てゆうか、短編集?
うん、短編集ではあるね。

「こんな夢をみた」から始まるんです、第五夜まで。
1~10までこう、内容を説明するブログとかあったんですがうーん、そんなことよりも

第六夜、つまり折り返しですね。もう冒頭で気付く、「あれ、多分夢の話じゃないな」と。

夢かもしれないんですよ、でもね。ただ、「こんな夢をみた」の1~5の文体と明らかに変わる。もしかすると「現実かもしれない」。けれど第九夜の最後の一文、
「こんな悲しい話を、夢の中で母から聞いた」多分夢なんですよね。

この物語の面白いところは
折り返しは「こんな夢をみた」の1~5と、6~10、これが対になってるんですよね。けど、単純ではない。

あれ、文体違うか?

と思った6。これで「なんとなく話が似てるな」
そりゃそうなんですわ。
1の対が10、2は9、3は8……5は6と対になっているんですね。

で、なんとなく後半戦は「なるほど」と、前半戦の不明瞭さ、霧を少し晴らしてくれますが、「庄太郎は助かるまい。パナマは健さんのものだろう。」みたいな。はっきり書かずに終わっていく。

まぁ、夢の話だし。

夢のようにどこか不明瞭、前半戦は特にそう。ですが、「あー、夢だからこそ明瞭だ、起きたときってこんな感じに夢を思い出すかも」といった描写。

試しに2と9の違いで抜粋。(似たような場所じゃない抜粋…泣。でも違いが分かりやすいとこ!)

第二夜

両腋りょうわきから汗が出る。背中が棒のようになった。ひざ接目ふしめが急に痛くなった。膝が折れた。膝が折れたってどうあるものかと思った。けれども痛い。苦しい。無はなかなか出て来ない。出てくると思うとすぐ痛くなる。腹が立つ。無念になる。非常に口惜しくなる。涙がほろほろ出る。ひとおもいに身を巨厳おおいわの上にぶつけて、骨も肉もめちゃくちゃに砕いてしまいたくなる。


第九夜

鼠色ねずみいろに洗い出された賽銭箱の上に、大きな鈴の紐がぶら下がって昼間見ると、その鈴の側に八幡宮と云う額が懸かっている。八の字が、鳩が二羽向かいあったような書体にできているのが面白い。


まず第二夜
入り込んでいきますよね、これ。一切の無駄がない、というか箇条書きっぽいのに、所謂連想されていく。

第九夜、もう少し比喩というか、「鳩が二羽向かいあったような書体にできているのが面白い。」
少し現実味がある「面白い。」

第一夜、ここ凄く人気ですね、描写が綺麗と。確かに一番幻想味がある。そこから「夢だ、幻想だ」と入っていく1本の短編集。頭の中が「幻想文学を読んでいる」として動いていきます。夢オチとはこのことだと痛感します。


はい、好きな一文締め。いやどれも好きだったなぁ。
第七夜より

「西へ行く日の、はては東か。それは本真ほんまか。東出る日の、お里は西か。それも本真か。身は波の上。檝枕かじまくら。流せ流せ」
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