オメガは陽だまりを求めて。

佐々木 おかもと

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第9話

明日夏はわけが分からず瀬戸にその意味問うが、それは瀬戸も同じだった。アルファの本能なのだろう。欲しいと思ったオメガを自分のモノにしてしまおうとするのは、今の瀬戸は本能と理性どちらも働かせているのだろう。明日夏は何処か怯えているような瀬戸を宥めた。

「とりあえず落ち着け。今日のお前変だぞ?」

どうしてそんなにも瀬戸は動揺しているのか、明日夏にはわからなかった。明日夏を無理やりに抱き処女を奪ったのは紛れもなくこの男である。いつもの自信ありげなその瞳も今は、明日夏を失うのを恐れているようだった。

些細なヤキモチは大きな嫉妬に変わり、瀬戸を暴走させた。
明日夏の匂いを邪魔するような田倉の匂いに瀬戸は、思わず噛みついてしまったのだった。

「…悪い。明日、撮影は?」

瀬戸は明日夏の商売道具である身体を傷つけてしまった事を気にしているようだった。

「大丈夫。ドラマの撮影だけだ。それよりお前何があったんだ?とりあえず中に入れ…?」

明日夏は酷い顔をした瀬戸を自宅に引き入れた。


◆◇◆◇◆


向かい合うように明日夏と瀬戸は座った。そして、先に口を開いたのは瀬戸だった。

「さっきは悪かった…。俺自信、なんであそこまでイラついてたのか分からない。ただお前から田倉の匂いがするのが、今も凄く不快だ。」

そう口を尖らせ、不機嫌にいう瀬戸に明日夏は呆気にとられていた。
憎たらしくも可愛らしい…そんなふうに思ってしまったのだった。

明日夏は瀬戸のなのだそれを思い出し、口にしてやった。

「俺たちは仮にも恋人なんだろう?…嫉妬くらい大目にみてやるさ。」

明日夏はそう言いながら、風呂に入る支度をし始めた。

瀬戸が呆けながらその様子を目で追う。他のアルファの匂いが嫌なのなら落とすしかないだろう。

「なに呆けてるの…俺から他の奴の匂いがするのが嫌なんでしょ。」

そう明日夏が言った事でやっと意味を理解したようだった。


◆◇◆◇◆


ザァァアっと人肌程の温度のシャワーを流しっぱなしに明日夏と瀬戸は舌を絡ませキスをしていた。

「ん…はぁ…」
「…ん、」

瀬戸は明日夏を壁に追いやり逃げ場を無くすように、キスをする。誘ったのは明日夏だったが主導権は完全に瀬戸にあった。

壁に背を預け、股を開かせられた明日夏はあまりの恥ずかしさに涙が出てきていた。
前を擦られ息が上がる。漏れる嬌声に明日夏は更に恥ずかしさを覚えた。

「うっ…んぁ…いぁ…ふっ。」
「ははっ…甘すぎだろ。」

田倉の匂いを打ち消すほどの明日夏のフェロモンに瀬戸は思わずそう呟いた。
そして、瀬戸は明日夏の口に自分の指を入れた。舌を弄るように口内を掻き混ぜ初めた。明日夏は訳が分からずされるがままだったが、キスをした時に敏感な所を探られていた様で容赦なくそこを責め立てられてしまった。
ビクビクと身体を跳ねさせ、匂いを濃くする明日夏に瀬戸は優越感を覚えた。この優越感はどこから湧くものかなんて考える余裕は今の瀬戸には無いが、この時確かに瀬戸は明日夏の事しか考えていなかった。

明日夏のトロトロに蕩けたそこに瀬戸の雄がゆっくりと押し入ろうとする時、明日夏は無我夢中で瀬戸にしがみつきながら鳴いていた。

「あっ…はっん!い…んん…ぁん"!」
「く…っ!」

行為の記憶は無いが明日夏のそこは久しぶりに迎え入れた雄を、スルスルと飲み込んでいった。発情期中ではない為子宮は開いていないが、愛液はそこから溢れ出してくる。

「ふっ…何だよ。やっぱり淫乱じゃねーかっ!」

そう言って腰を深く突き上げた瀬戸に、明日夏は大きな声を漏らした。風呂場という事もあって反響する声に更に羞恥心が燻られる。

「あっ…!嫌っ…はげっし…んっ…はぁ…っ!」

グチュグチュと突き上げられる度に快感が駆け巡って行く。明日夏はもう訳が分からずただ喘ぎ泣く事しか出来なかった。


◆◇◆◇◆


明日夏は気付けば見慣れたベッドの上に横たわっていた。明日夏の隣には逞しいアルファの男がすやすやと息を立てて気持ちよさそうに寝ている。

あの後、瀬戸は明日夏を連れベッドでもう一度明日夏が気を失うまで抱き潰したのだった。

アルファの瀬戸にとって明日夏こフェロモンは理性を飛ばすには手っ取り早い物だろう。

そんな事を明日夏は考えながら、同じ匂いのする男の胸元に顔を埋めた。

暫し二度寝の時間を楽しむように。




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