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第11話
それから涼実夏から電話がかかってくる事は無かった。所詮、両親や親戚からの悪質な嫌がらせだろうと明日夏も割り切ることにしたが、やはり心のどこかでは気になっていた。
「おい。大丈夫かお前?」
明日夏がぼーっとしていると瀬戸が台本の事について確認してきていた。
ドラマ自体はあと数話で終わってしまう所まで来てはいるが、第2クールが動画配信サイトで配信されることが決まっておりまだまだこのドラマは続くらしい。
「ごめん。ぼーっとしてた。どのセリフを変更するんだ…?」
「ったく。ここと、これだ。」
明日夏は、第2クールがあると言えど地上波での瀬戸との共演はもう少しで終わってしまうと考えると寂しいと思ってしまっていた。
「あーすーかーさん!何してるんですか?」
明日夏が瀬戸と台本の訂正をしていると遠くから、からからと愉快な声を出しながら近づいてくる人物がいた。それは、田倉だった。
近づいてきた途端に瀬戸は明日夏を田倉と自分の間から反対側へ移動させた。
「わっ!」
その様子をみた田倉はにやっと口を吊り上げて笑い、瀬戸をからかった。
『何…?瀬戸くん。ヤキモチ妬いちゃったの?かーわーいーいー!』
「チッ。」
そんな様子を横目に明日夏は涼実夏の事を考えていた。
◆◇◆◇◆
雑誌の取材が終わり、家が近いからとマネージャーの付き添いを断り家へ帰宅していると一時、人通りの少ない道へ出た。
嫌な予感がした明日夏は急いでその場を離れるように歩くが、その予感は的中し。
どこか聞いた事のある声に話かけられてしまった。
「おにーさん。どこ行くの?これから暇?」
明日夏は恐る恐る振り返り、その人物を目に捉える。すると、その人物は明日夏にとてもよく似ていた。しかし、明日夏とは雰囲気が違っていた。
明日夏の優しい笑顔も彼には無く、口元に浮かべる笑みは何処か心を取られてしまいそうな不気味さが感じられる。
そんな真反対の2人に明日夏はすぐにあの電話の主だと気付いた。そして、ここまで尾行けられていたという事にも。
「…涼実夏。」
「おっ!なーんだ。名前知ってんじゃん。覚えてないって言ってたから、名前も知られてないかと思ってたわ。」
「…。」
明日夏は相手の意図が読めずにその場に立ち尽くしてしまっていた。
それは涼実夏も同じようで、兄弟揃って心理戦が得意のようだ。
「てか、あんたテレビとキャラが違うみたいで驚いたわ。アンタそんなに警戒心強いの?
あー。でもまぁ。急に親しくもねぇアルファに話しかけられたらビビるか…。」
そういいながら涼実夏は頭を掻きむしった。
明日夏はその悔い改めるような行動に思わず目を見開いた。
「あぁ!今少し見直したでしょ?俺って少なくともあんたの血を引いてるんだから良い奴なんだぜ?」
そう言ってウィンクをしてくる涼実夏に明日夏は苦笑いを零した。
「あぁ、まぁ。で?俺に何のようなんだ?ただ挨拶をしに来ただけじゃないだろう?」
「…俺の、いや。俺達の母さんについて話しておこうと思って。」
「母さんの事…。」
明日夏はあまりいい思い出のない母親の事を思い出していた。
悪いだけではないがいい思い出の少ない母親の事を。決して嫌いでは無かった筈だった。嫌いになりきれなかった。子供が親を嫌いになるのは凄く勇気のいる事だろう。明日夏にはそれが出来なかったのだ。
「おい。大丈夫かお前?」
明日夏がぼーっとしていると瀬戸が台本の事について確認してきていた。
ドラマ自体はあと数話で終わってしまう所まで来てはいるが、第2クールが動画配信サイトで配信されることが決まっておりまだまだこのドラマは続くらしい。
「ごめん。ぼーっとしてた。どのセリフを変更するんだ…?」
「ったく。ここと、これだ。」
明日夏は、第2クールがあると言えど地上波での瀬戸との共演はもう少しで終わってしまうと考えると寂しいと思ってしまっていた。
「あーすーかーさん!何してるんですか?」
明日夏が瀬戸と台本の訂正をしていると遠くから、からからと愉快な声を出しながら近づいてくる人物がいた。それは、田倉だった。
近づいてきた途端に瀬戸は明日夏を田倉と自分の間から反対側へ移動させた。
「わっ!」
その様子をみた田倉はにやっと口を吊り上げて笑い、瀬戸をからかった。
『何…?瀬戸くん。ヤキモチ妬いちゃったの?かーわーいーいー!』
「チッ。」
そんな様子を横目に明日夏は涼実夏の事を考えていた。
◆◇◆◇◆
雑誌の取材が終わり、家が近いからとマネージャーの付き添いを断り家へ帰宅していると一時、人通りの少ない道へ出た。
嫌な予感がした明日夏は急いでその場を離れるように歩くが、その予感は的中し。
どこか聞いた事のある声に話かけられてしまった。
「おにーさん。どこ行くの?これから暇?」
明日夏は恐る恐る振り返り、その人物を目に捉える。すると、その人物は明日夏にとてもよく似ていた。しかし、明日夏とは雰囲気が違っていた。
明日夏の優しい笑顔も彼には無く、口元に浮かべる笑みは何処か心を取られてしまいそうな不気味さが感じられる。
そんな真反対の2人に明日夏はすぐにあの電話の主だと気付いた。そして、ここまで尾行けられていたという事にも。
「…涼実夏。」
「おっ!なーんだ。名前知ってんじゃん。覚えてないって言ってたから、名前も知られてないかと思ってたわ。」
「…。」
明日夏は相手の意図が読めずにその場に立ち尽くしてしまっていた。
それは涼実夏も同じようで、兄弟揃って心理戦が得意のようだ。
「てか、あんたテレビとキャラが違うみたいで驚いたわ。アンタそんなに警戒心強いの?
あー。でもまぁ。急に親しくもねぇアルファに話しかけられたらビビるか…。」
そういいながら涼実夏は頭を掻きむしった。
明日夏はその悔い改めるような行動に思わず目を見開いた。
「あぁ!今少し見直したでしょ?俺って少なくともあんたの血を引いてるんだから良い奴なんだぜ?」
そう言ってウィンクをしてくる涼実夏に明日夏は苦笑いを零した。
「あぁ、まぁ。で?俺に何のようなんだ?ただ挨拶をしに来ただけじゃないだろう?」
「…俺の、いや。俺達の母さんについて話しておこうと思って。」
「母さんの事…。」
明日夏はあまりいい思い出のない母親の事を思い出していた。
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