オメガは陽だまりを求めて。

佐々木 おかもと

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第17話

その後、母親のドナーとなった明日夏は「陽だまりを求めて」の映画化には出演する事が出来ないと思い。

それを明日夏、直々に映画関係者へ伝えに行くと、明日夏の気持ちを汲み取ってか映画は延期される事になった。

映画は明日夏の回復後に撮影が開始される予定に変更されたのだ。そんな暖かい現場に明日夏は涙した。

そして、臓器提供者と移植希望者である母親との面会は行われなかった。それ自体は別に珍しいことではない。が、1人。涼実夏は凄く心残りに思っていた。

たった1人の兄とたった1人の母親の和解には繋がらない。その苦しさは涼実夏にしか分からない。ただ、毒親に苦しめられた明日夏は逃げるしか選択肢はないのだ。毒親は自身は変えようとはしない、自分の思い通りに動かそうとする。明日夏の母親の様に。
見栄と権力とプライドと…理由は色々ある。けれど子供をしりたげてもいい理由にはならない。

どうか挫けないでほしい。毒親で苦しんでいるのならば逃げて欲しい。彼らに優しさなんて必要のない。優しさを与えればまたその優しさに付け込まれて依存され…貴方が苦しむ事になる。

明日夏はそう心から願う。


◆◇◆◇◆



術前。白い天井に無数の電気が着いている手術台に寝転がる。
横の術台には少し老けた母親が麻酔で眠っている。明日夏の意識も朦朧としてきている。マスクをした看護師さんや医師が明日夏を囲っている。

これから手術が始まる。新しい世界と新しい体に移り変わる。
これから肝臓の一部を移植する手術を行う。
明日夏は目を閉じて瞼の裏に次に目を覚ましたら真っ先に、会いたい人物を思い描く。
強引でヤキモチ妬きで、でも優しいアイツだ。
そいつの事を考えていると自然と怖い気持ちは無かった。
どうしてか早くこの手術を終わらせて、会いに行ってやらないといけない気がして。少しソワソワしてくるような。でも麻酔のせいで身体は眠たい様なで、凄くもどかしい。
けれど、意識が落ちる時には明日夏は不思議とワクワクとした気持ちだった。


◆◇◆◇◆


小さな光が大きな2つの歪んだ光から逃げ惑う。
2つの歪んだ光は小さな光にまとわりついて、絡みつく。何度も何度も小さな光を押し潰そうとする。その度に小さな光は逃げ惑う。

すると、小さな光は光輝く大きな光と重なって歪んだ光から共に逃げ始めた。すると歪んだ光達は諦めたようにように小さな光達を追うのを止めた。

小さな光達は歪んだ光から逃げることに成功した。小さな光と大きな光達は互いに、絡まり合うように1つになった。


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