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「あ、ん、ゔぅ、も、むり」
「センパイ、もっと頑張って? ね?」
耳元で囁かれる言葉は、全てが甘く全てが自分に向いていた。秘所を蹂躙する熱、身体を撫でさする手のひらは、辻の身体を溶かしてゆく。
どうしてこうなっているのか、気持ちよさと眠気の狭間で考える。
「センパイ、かわいい、好き」
「あ、あぁ、んん、っ」
学生時代に好きだった後輩と同じ会社で働く事になって、昔が懐かしくて嬉しくて、飲みに誘われたから調子にのって飲んで、酔っ払って。
何か、とんでも無いことを口走った気がする。
腹の奥で、何度も虐め抜かれた弱いところを突かれる。その度に辻の口から嬌声が溢れ出ていた。
「も、伊藤、あっ、イく、んん」
「ぅ、は、センパイ、好きって本当? っ、明日、言ったこと忘れてるとか、ないッ⁇」
辻を何処までも攻め立てながら、伊藤が縋るように追い立てる。
二人して絶頂の瞬間を迎えた頃には、辻の意識は微睡の中へと落ちていったのだった。
学生時代、辻は伊藤が好きだった。しかし、男同士。
多感な時期だった辻には、同性を好きになるという事実が上手く受け入れられなかった。
自分は普通なのだと、彼女を作っては分かれ、当時は酷く荒れていた。部活を通して仲の良かった伊藤とは、いつの間にか話さなくなり気が付けば大人になっていた。
伊藤はベッドで静かに寝息を立てる辻の寝顔を見ながら、昔の苦い思い出に顔を顰めている。
いつだったか、部活で活躍をみせる先輩が憧れで、好きになった。男同士とか、年下だとか、そういったものが気にならないくらいに。けれど、そんな伊藤を遠ざける様に、辻は彼女を作っていた。
きっと、自分の気持ちに気付かれたのだろうと、そう思っていた。だから離れたのだろうと。
当時の伊藤の気持ちに止めを刺したのは、辻とその彼女の会話だった。
辻は当時の彼女に、詰め寄られていた。
その際に、伊藤との関係を疑われた。実は、男が好きなのだろう、と。
「ち、違う!! 俺は男なんて……アイツなんて好きじゃない!」
伊藤の耳には今でも、その言葉が残っている。
辻は自分が、男が好きだと、伊藤が好きだと認めてしまわぬよう嘘を吐いた。認めてしまったら、きっと今以上に辛いだろうから。
けれど、時間が解決した筈の感情は、未だ二人の胸の奥で燻っていたようで。
久しぶりに再会した今日、真剣が鞘に収まるように二人は夜を共にした。もちろん、綺麗さっぱりに心の内を吐き出してから。
かなり多量の酒の力を借りて。
「センパイ、もっと頑張って? ね?」
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