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第五部
第五章・最後の夏(その3)
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七月に入るとようやく修学旅行の余韻もおさまり、生徒たちは期末テストの準備に追われることになる。潮音もこの期末テストさえやり過ごせばあとは夏休みだと思って勉強に取り組んだが、勉強の遅れだけでなく梅雨も後半の蒸し暑い天候も潮音をいらつかせた。潮音は先ごろ修学旅行で行った北海道の爽やかな天候が懐かしくなることもあったが、それを家族の前で言うと綾乃からこう返された。
「その代わり北海道は冬めちゃくちゃ寒いよ。だいたい暑い中勉強してるのはみんな一緒でしょ」
潮音もそこまで言われると返す言葉がなかったので、ここはおとなしく机に向かうしかないと観念した。
ようやく期末試験の全ての日程が終了したときには潮音は精神的にヘトヘトになっていたが、それでもようやくテストから解放されていよいよ夏休みという解放感が何にもまして嬉しかった。潮音はテストの最終日の放課後、水泳部の活動に出るためにプールに向かう足取りも軽かったが、その途中でばったりキャサリンに出会った。潮音はキャサリンも剣道部に所属していたことを思い出すと、キャサリンに声をかけた。
「こんなに暑くなると、道着を着て剣道の練習をするのは大変じゃないの?」
「はい。練習が終ったら汗でびっしょりになります。特にこの湿気はきついですね。でも私もロンドンにいた頃から剣道をやっていましたが、やっぱり本場の剣道は違うので、練習するだけでもいろいろと教わることがあります」
潮音はロンドンでも剣道の道場に通っていたことをキャサリンから聞いていたが、ロンドンの剣道道場っていったいどんなところなのだろうと思っていた。しかしそこでキャサリンはさらに話を継いだ。
「剣道部の顧問の城之内先生だけでなく、松崎千晶先輩も私に対して丁寧に指導をしてくれるので、日本に来てずいぶん剣道が上達したような感じがします」
「キャサリンもロンドンに帰ったら、そこで剣道の先生になったら?」
そこでキャサリンは、両手を振って潮音の言葉を否定した。
「そんな…私は今度の大会にも出場できないのに」
「剣道の大会は夏休みに入る直前にあるんだよね。やっぱり松崎千晶先輩が主将として出場するんだ」
「はい。松崎先輩は今度の大会で引退することになるので、先輩のためにも悔いのない大会にしたいとみんな練習を頑張っています。…あ、そろそろ練習が始まる時間になるので急がなきゃ」
「話しこんで悪かったね。キャサリンも練習頑張ってね」
そこで潮音はキャサリンと別れてプールへと向かった。キャサリンも急いで剣道部の練習が行われる体育館に向かったが、潮音はキャサリンの後姿を見送りながらも、キャサリンが剣道の練習に充実した手ごたえを感じているように見えたのが嬉しかった。
期末テストの全ての答案が返されると、潮音は赤点を取った科目もなく、一年生の頃の下から数えた方が早いような成績よりは多少順位も上がっているとはいえ、弁護士を目指すにはまだまだだと感じていた。
しかし梅組の雰囲気が浮れていたのは、夏休みを控えていたせいだけではなかった。梅組の担任である美咲がこの夏休みの間に結婚式を挙げるとあって、生徒たちのうわさ話もその話題で持ち切りだった。美咲とは松風女子学院の同窓生という間柄の山代紗智は、生徒たちから美咲がちやほやされるのを複雑そうな面持ちで眺めていたが。
そのようにして剣道の大会が直前に迫ったある日の放課後、潮音は紫と一緒にバレエのレッスンに出た後でおしゃべりに花を咲かせていた。
「紫はこの夏休みはどうするの? またバレエの合宿に参加するわけ?」
「そうね。来年は受験でバレエどころじゃなくなるから、この夏のうちにバレエに打ち込んでおきたいの。あと学校の補習もあるし」
「紫はこの夏もけっこう大変そうだな」
「潮音こそ夏休みだからといってだらけちゃダメよ。補習や宿題だってあるんでしょ。それにうちの学年の子だって、すでにこの夏から大学入試のために塾や予備校に通い始める子だって少なくないんだからね」
そこで潮音は心の中で愛里紗のことを思い出していた。潮音は塾や予備校だって費用は安くないという話を聞いていただけに、母子家庭で家計に余裕のない愛里紗がそこまでして勉強に打ち込んでいるのだから、自分だってうかうかしていられないと思い始めていた。
「そりゃ自分だって弁護士になりたいって思ったら、もっと勉強しなきゃいけないってことくらいはわかってる。でも受験が大変になる前に、この夏のうちに何かをやっておきたいという気持ちだってあるんだ。寺島さんは勉強しながら小説を書いているし、国岡さんは文化祭に向けて、この前の修学旅行で見た北海道の風景を絵に描こうとしているしね。だったら自分は何ができるかっていうと…やっぱりバレエしかないのかな」
潮音が軽くため息をつくと、紫は潮音の顔をまじまじと見ながらきっぱりと口を開いた。
「潮音は言ってたよね。高校のうちにわき役でもいいから舞台に上がりたいって。でもそうしようと思うなら、バレエの練習だってもっとしっかり頑張らないとね」
そこで潮音は、あらためてため息をつかずにはいられなかった。
「紫だったらそう言うと思ったよ」
「…まあ、あまり根詰めすぎないで勉強もバレエも自分のペースでやればいいよ。潮音がいろいろ頑張ってきたことは私だってわかってるから。…ところで潮音、あんたテストの前に千晶先輩に誘われて喫茶店に行ってたみたいね。千晶先輩だって今は受験勉強と剣道の練習で忙しいはずなのに、いったい何を話していたのかしら」
紫に尋ねられて、潮音はあわてたような顔をした。
「いや…千晶先輩の妹の香澄がえらく私になついているから、そのことでちょっと千晶先輩と話しただけだよ。香澄はあの通り表向きは明るく振舞っているけど、デリケートな一面もあるからもっと香澄のことも考えてほしいとか、そういう話をしたんだ」
「なるほどね…。千晶先輩が学校で生徒会長もやって剣道部でも活躍すると、妹の香澄がそれに引け目を感じる気持ちだってわかるよ」
紫は神妙な面持ちで潮音の話を聞いていた。
「それに千晶先輩にとってはもうすぐ剣道の大会で部活を引退することになるから、ぜひ応援に来てほしいって香澄に言われてるんだ」
「千晶先輩が今度の剣道の大会に出場することは私も知ってるよ。実は私も応援に行こうと思ってたんだ。千晶先輩には私が中等部で松風に入ってから生徒会とかでずっとお世話になってたからね」
「だったら紫も私と一緒に応援に行くのはどう? 紫が応援に来てくれたら香澄だって喜ぶと思うよ」
「うん。それでいいんじゃない。潮音だっていろいろ考えていることがあるみたいだけど、そんなときは千晶先輩が頑張っているところを見たらスカッとするかもよ」
紫も笑みを浮べて、潮音の誘いに乗ることにした。そこで潮音は紫と別れて、帰宅の途につくことにした。
剣道大会の当日は空も曇りがちだったものの、雲も薄くなって切れ目から差す光は明るく、梅雨明けも間近に迫っていることを感じさせた。潮音はこんな蒸し暑い日に剣道の試合をやるのは大変だろうなと思いながらも、紫と待合せて大会の会場となっているアリーナに向かった。
「キャサリンも剣道部にいるけど、大会には出られないみたいだね」
「大会に出るばかりが部活の目的じゃないでしょ。キャサリンだって剣道部を一生懸命頑張ってるみたいだからいいじゃない」
潮音は紫にたしなめられて、自分も中学生のときに浩三と水泳の練習に明け暮れていたときのことを思い出していた。
潮音と紫がアリーナに着くと、すでに香澄だけでなく、香澄の友達の新島清子と芹川杏李の姿もあった。香澄は潮音と紫が会場に着くのを待ちくたびれていたかのようだった。
「藤坂先輩も峰山先輩も、来るの遅いですよ。お姉ちゃんたちは朝早くからこのアリーナに来て準備や練習をしていたのですからね」
香澄がぶつくさ言ったので、清子がまあまあと言って香澄をなだめた。潮音はそこで、清子と杏李にも尋ねてみた。
「新島さんと芹川さんも香澄に誘われて応援に来たんだ」
すると清子と杏李はそろって首を横に振った。
「いや、香澄に誘われたからとかそんなんじゃなくて、私たちもずっと千晶先輩のこと応援していたから今日ここに来たのです。剣道やってる千晶先輩は本当にかっこいいけど、その千晶先輩の姿を見ることができるのもこの大会が最後ですからね」
潮音が周りを見回すと、アリーナの客席には清子や杏李と同じように、千晶のファンと思われる松風女子学園の生徒が何人も集まっていた。今生徒会長をつとめている紫がその場に姿を現すと、生徒たちの間にも少しざわめきが起きた。
やがて開会式が始まると、大会に出場する各校の選手たちがアリーナの中にきちんと整列していた。松風の生徒たちの中には男子部員に視線を向けている者もいたが、その多くは道着を凛々しく着こなして部員たちの列の先頭に立っている千晶の姿に熱い視線を向けていた。それを見て潮音はやれやれとため息をつかずにはいられなかったが、さすがに紫も潮音のそのような表情を見て苦笑いしていた。
しかし潮音も大会に出場する生徒たちの顔つきを見て、男女とも厳しい練習を積んで実績を残してきただけに、どの学校の生徒たちも皆引きしまった精悍な顔つきをしていると直感していた。それだけに潮音は、いくら千晶といえども、その試合を勝ち上がるのは容易ではないと心配にならずにはいられなかった。
「その代わり北海道は冬めちゃくちゃ寒いよ。だいたい暑い中勉強してるのはみんな一緒でしょ」
潮音もそこまで言われると返す言葉がなかったので、ここはおとなしく机に向かうしかないと観念した。
ようやく期末試験の全ての日程が終了したときには潮音は精神的にヘトヘトになっていたが、それでもようやくテストから解放されていよいよ夏休みという解放感が何にもまして嬉しかった。潮音はテストの最終日の放課後、水泳部の活動に出るためにプールに向かう足取りも軽かったが、その途中でばったりキャサリンに出会った。潮音はキャサリンも剣道部に所属していたことを思い出すと、キャサリンに声をかけた。
「こんなに暑くなると、道着を着て剣道の練習をするのは大変じゃないの?」
「はい。練習が終ったら汗でびっしょりになります。特にこの湿気はきついですね。でも私もロンドンにいた頃から剣道をやっていましたが、やっぱり本場の剣道は違うので、練習するだけでもいろいろと教わることがあります」
潮音はロンドンでも剣道の道場に通っていたことをキャサリンから聞いていたが、ロンドンの剣道道場っていったいどんなところなのだろうと思っていた。しかしそこでキャサリンはさらに話を継いだ。
「剣道部の顧問の城之内先生だけでなく、松崎千晶先輩も私に対して丁寧に指導をしてくれるので、日本に来てずいぶん剣道が上達したような感じがします」
「キャサリンもロンドンに帰ったら、そこで剣道の先生になったら?」
そこでキャサリンは、両手を振って潮音の言葉を否定した。
「そんな…私は今度の大会にも出場できないのに」
「剣道の大会は夏休みに入る直前にあるんだよね。やっぱり松崎千晶先輩が主将として出場するんだ」
「はい。松崎先輩は今度の大会で引退することになるので、先輩のためにも悔いのない大会にしたいとみんな練習を頑張っています。…あ、そろそろ練習が始まる時間になるので急がなきゃ」
「話しこんで悪かったね。キャサリンも練習頑張ってね」
そこで潮音はキャサリンと別れてプールへと向かった。キャサリンも急いで剣道部の練習が行われる体育館に向かったが、潮音はキャサリンの後姿を見送りながらも、キャサリンが剣道の練習に充実した手ごたえを感じているように見えたのが嬉しかった。
期末テストの全ての答案が返されると、潮音は赤点を取った科目もなく、一年生の頃の下から数えた方が早いような成績よりは多少順位も上がっているとはいえ、弁護士を目指すにはまだまだだと感じていた。
しかし梅組の雰囲気が浮れていたのは、夏休みを控えていたせいだけではなかった。梅組の担任である美咲がこの夏休みの間に結婚式を挙げるとあって、生徒たちのうわさ話もその話題で持ち切りだった。美咲とは松風女子学院の同窓生という間柄の山代紗智は、生徒たちから美咲がちやほやされるのを複雑そうな面持ちで眺めていたが。
そのようにして剣道の大会が直前に迫ったある日の放課後、潮音は紫と一緒にバレエのレッスンに出た後でおしゃべりに花を咲かせていた。
「紫はこの夏休みはどうするの? またバレエの合宿に参加するわけ?」
「そうね。来年は受験でバレエどころじゃなくなるから、この夏のうちにバレエに打ち込んでおきたいの。あと学校の補習もあるし」
「紫はこの夏もけっこう大変そうだな」
「潮音こそ夏休みだからといってだらけちゃダメよ。補習や宿題だってあるんでしょ。それにうちの学年の子だって、すでにこの夏から大学入試のために塾や予備校に通い始める子だって少なくないんだからね」
そこで潮音は心の中で愛里紗のことを思い出していた。潮音は塾や予備校だって費用は安くないという話を聞いていただけに、母子家庭で家計に余裕のない愛里紗がそこまでして勉強に打ち込んでいるのだから、自分だってうかうかしていられないと思い始めていた。
「そりゃ自分だって弁護士になりたいって思ったら、もっと勉強しなきゃいけないってことくらいはわかってる。でも受験が大変になる前に、この夏のうちに何かをやっておきたいという気持ちだってあるんだ。寺島さんは勉強しながら小説を書いているし、国岡さんは文化祭に向けて、この前の修学旅行で見た北海道の風景を絵に描こうとしているしね。だったら自分は何ができるかっていうと…やっぱりバレエしかないのかな」
潮音が軽くため息をつくと、紫は潮音の顔をまじまじと見ながらきっぱりと口を開いた。
「潮音は言ってたよね。高校のうちにわき役でもいいから舞台に上がりたいって。でもそうしようと思うなら、バレエの練習だってもっとしっかり頑張らないとね」
そこで潮音は、あらためてため息をつかずにはいられなかった。
「紫だったらそう言うと思ったよ」
「…まあ、あまり根詰めすぎないで勉強もバレエも自分のペースでやればいいよ。潮音がいろいろ頑張ってきたことは私だってわかってるから。…ところで潮音、あんたテストの前に千晶先輩に誘われて喫茶店に行ってたみたいね。千晶先輩だって今は受験勉強と剣道の練習で忙しいはずなのに、いったい何を話していたのかしら」
紫に尋ねられて、潮音はあわてたような顔をした。
「いや…千晶先輩の妹の香澄がえらく私になついているから、そのことでちょっと千晶先輩と話しただけだよ。香澄はあの通り表向きは明るく振舞っているけど、デリケートな一面もあるからもっと香澄のことも考えてほしいとか、そういう話をしたんだ」
「なるほどね…。千晶先輩が学校で生徒会長もやって剣道部でも活躍すると、妹の香澄がそれに引け目を感じる気持ちだってわかるよ」
紫は神妙な面持ちで潮音の話を聞いていた。
「それに千晶先輩にとってはもうすぐ剣道の大会で部活を引退することになるから、ぜひ応援に来てほしいって香澄に言われてるんだ」
「千晶先輩が今度の剣道の大会に出場することは私も知ってるよ。実は私も応援に行こうと思ってたんだ。千晶先輩には私が中等部で松風に入ってから生徒会とかでずっとお世話になってたからね」
「だったら紫も私と一緒に応援に行くのはどう? 紫が応援に来てくれたら香澄だって喜ぶと思うよ」
「うん。それでいいんじゃない。潮音だっていろいろ考えていることがあるみたいだけど、そんなときは千晶先輩が頑張っているところを見たらスカッとするかもよ」
紫も笑みを浮べて、潮音の誘いに乗ることにした。そこで潮音は紫と別れて、帰宅の途につくことにした。
剣道大会の当日は空も曇りがちだったものの、雲も薄くなって切れ目から差す光は明るく、梅雨明けも間近に迫っていることを感じさせた。潮音はこんな蒸し暑い日に剣道の試合をやるのは大変だろうなと思いながらも、紫と待合せて大会の会場となっているアリーナに向かった。
「キャサリンも剣道部にいるけど、大会には出られないみたいだね」
「大会に出るばかりが部活の目的じゃないでしょ。キャサリンだって剣道部を一生懸命頑張ってるみたいだからいいじゃない」
潮音は紫にたしなめられて、自分も中学生のときに浩三と水泳の練習に明け暮れていたときのことを思い出していた。
潮音と紫がアリーナに着くと、すでに香澄だけでなく、香澄の友達の新島清子と芹川杏李の姿もあった。香澄は潮音と紫が会場に着くのを待ちくたびれていたかのようだった。
「藤坂先輩も峰山先輩も、来るの遅いですよ。お姉ちゃんたちは朝早くからこのアリーナに来て準備や練習をしていたのですからね」
香澄がぶつくさ言ったので、清子がまあまあと言って香澄をなだめた。潮音はそこで、清子と杏李にも尋ねてみた。
「新島さんと芹川さんも香澄に誘われて応援に来たんだ」
すると清子と杏李はそろって首を横に振った。
「いや、香澄に誘われたからとかそんなんじゃなくて、私たちもずっと千晶先輩のこと応援していたから今日ここに来たのです。剣道やってる千晶先輩は本当にかっこいいけど、その千晶先輩の姿を見ることができるのもこの大会が最後ですからね」
潮音が周りを見回すと、アリーナの客席には清子や杏李と同じように、千晶のファンと思われる松風女子学園の生徒が何人も集まっていた。今生徒会長をつとめている紫がその場に姿を現すと、生徒たちの間にも少しざわめきが起きた。
やがて開会式が始まると、大会に出場する各校の選手たちがアリーナの中にきちんと整列していた。松風の生徒たちの中には男子部員に視線を向けている者もいたが、その多くは道着を凛々しく着こなして部員たちの列の先頭に立っている千晶の姿に熱い視線を向けていた。それを見て潮音はやれやれとため息をつかずにはいられなかったが、さすがに紫も潮音のそのような表情を見て苦笑いしていた。
しかし潮音も大会に出場する生徒たちの顔つきを見て、男女とも厳しい練習を積んで実績を残してきただけに、どの学校の生徒たちも皆引きしまった精悍な顔つきをしていると直感していた。それだけに潮音は、いくら千晶といえども、その試合を勝ち上がるのは容易ではないと心配にならずにはいられなかった。
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