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黒の帳 『一つ目の帳』
意外な助け
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「よしよし、めっちゃ泣け。もう大丈夫だから」
「こう、りょうっ…さん…」
私達の足元には、佐野君達三人が転がっている。意識はないようで、声は何も聞こえなかった。
助けてもらっても涙の止まらない私の背中を、紅陵さんがあやす様にとんとんと叩いてくれる。泣き止めとは言わず、もっと泣けと紅陵さんは言う。私のシャツのボタンを留め、私に学ランを着せながら紅陵さんは続けて話した。
「いーっぱい泣いたらスッキリするからな。スッキリして、眠たくなったら屋上で寝ようぜ。学校帰るなら送って行く。気分転換したいならゲーセンに連れて行く。俺が守るからな、大丈夫だ」
「…ぁ…あ、ぃ…あ…」
「どうした?落ち着いてからでいいからな」
誰も来ないと思ってたのに。
何故か、偶然にもこの人が来てくれた。
彼らを退けた後も、私のそばに居てくれる。
何だか龍牙みたいだ。でも、龍牙とは違う。
龍牙はこんな香水の香りはしないし、私に覆いかぶさるように抱きしめることも出来ない。聞いているだけで安心するような低い声は、きっとこの人にしか出せないだろう。
女の子じゃあるまいし、襲われる前に助けてもらったというのに、私は余程恐怖を味わったのか、涙が止まらなかった。紅陵さんは、ずっとそばに居てくれるみたいだ。涙が止まらなくて、紅陵さんに申し訳ない。それに、言わなきゃいけないことがある。しゃくり上げながらも、引き攣る喉から必死に声を絞り出す。
「あっ、あ、ぅ、ありがとっ、ご…ざい、ますっ…」
「…クロちゃん」
紅陵さんが悲しそうに声を出す。そんな声を出さないで欲しい。
貴方が助けてくれなかったら、もっと酷いことになるところだった。感謝を伝えたいのに、泣き止めず、笑顔も感謝の言葉も向けることが出来ない。どうしたらいい、何か言いたいのに、この人に気持ちを伝えたいのに。
「落ち着いてから話せばいいからな。とりあえず屋上だ。あそこなら誰も来ない」
「…すっ、ぁ、すっ、すみませっ、ん」
紅陵さんの胸に頭を預けていたけど、紅陵さんが私の肩をしっかり抱いて扉の方へ向かう。私もその歩みに合わせて、足を踏み出した。
その時、何か液体のようなものを踏んでしまった。ぴちゃ、と音がして、驚いて足を止めた。何を踏んだのかな。下を向こうとしたら、物凄い勢いで頬を包まれ、阻止された。
「…ふふ、クロちゃん泣きすぎだ。あれ、靴ボロボロじゃん。これ転けるぞ。危ないから、ほら」
泣きすぎ、ということは、まさか踏んだのは涙?そんなわけない、と言いたいけど、中々の時間ずっと泣いていたから否定ができない。
私に代わって下を向いた紅陵さんが、私の足元を見て靴を脱がせ始めた。確かに、中学二年生からずっと履いていたクロッケスだし、買い替えていなかった。入学時に洗って、校内を歩くスリッパ代わりにしていたが、そこまでボロボロになっていただろうか。どこかに引っ掛けてしまったのかもしれない。
「…あ、これじゃ靴下汚れるな。クロちゃん、ちょっと揺れるぞ」
「…え?」
肩と太腿の辺りに紅陵さんの腕が触れたかと思えば、次の瞬間には抱き上げられていた。所謂、お姫様抱っこ。少し恥ずかしいけど、きっと善意から……
ん?
あれ、紅陵さんも私にキスしたりとか…。いや、彼らと違ってあれ以上のことはしなかった。それに無理やりどこかへ連れて行こうとも…、まあ、していない。少なくとも、彼らに感じたような恐怖は感じていない。
私は紅陵さんの腕に揺られながら教室を出た。
教室を出ると、意外な人に出会った。その人は壁に張り付くようにして、ぷるぷると震えている。
「くろみや、くん?」
「しっ、し、紫川氏っ、無事でありますか!?というかその体勢…いや、何でもありません」
「…ああ、黒宮っていうのか。コイツが教えてくれたんだよ、クロちゃんが連れて行かれたって」
朝会った眼鏡の人だ。そうか、あの時どこかで見ていたんだろう。
「…ありがとう、黒宮君」
「れっ、礼など…、小生は、情けなく…黙って見ているしか、出来なかったのに」
「ううん、いいの、ありがと」
気まずそうにしていた黒宮君は、私の言葉を聞いて照れ臭そうに眼鏡の位置を直した。
「…ところで、お聞きしても差し支えなければ、でありますが…どうして紫川氏はあのような輩に?」
「………歩いてたら、ぶつかっちゃった」
「な、成程。ぶつかるだけで連れ込み、リンチ…、何たる不条理さっ」
黒宮君は私の素顔を知らない。ここでバラして騒がれるより、誤魔化しておいた方がいい。今は、顔で騒がれるとちょっと辛い。いい機会があればそこで明かそう。まだあまり私のことは知らないはずなのに、不良が怖いのに、助けてくれた。だから、黒宮君は信用出来るだろう。
「…紫川氏、……その、紫川氏が良ければでありますが、今市や宇野を含めた我々五人と行動を共にするというのはどうでしょうか。放課後、我々はUFOキャッチャーなるものをですね…嗜みたく、紫川氏さえよければ、共に向かおうという…」
「ああごめん、クロちゃんは俺と行くから、な?な?」
要するに、放課後ゲーセンに行きませんか、ということか。
放課後は龍牙達と帰りたいから、遠慮しようとしたら、紅陵さんが私より先に返事をしてしまう。押し付けるように何度も黒宮君に問いかけたせいで、黒宮君はあっという間に萎縮してしまった。
紅陵さんの顔を見れば、気だるげなジト目が威嚇するように細められている。何だっけ、目が細くなる生き物。昨日も同じことを考えていたな。何だっけなあ。
「は、はいっ!も、もう、もうしわけっ、ごっ、ごっ」
「紅陵さん、黒宮君が怖がってるから止めてください。黒宮君は不良…ああいや、えーっと、見た目が派手な人が苦手のに、私を助けてくれたんですから」
紅陵さんに止めてもらえるように、とんとんと胸を叩いて話しかける。わあ、分厚い胸板。
「クロちゃんを助けたのは俺だ、コイツじゃないだろ」
「あ、はい、そうですね…、すみません。でも、黒宮君が居なかったら私、酷いことになっていたと思います。だからその怖い目はダメですよ」
咎めるために、顔を両手で挟み、こちらに向ける。力を入れると口がアヒル口になってしまった。美丈夫が台無しになり、少し面白い。
「…ふっ」
「黒宮」
「わっ、笑ってませんっ!!」
「…ふふ、紅陵さん可愛い」
私が喋ると、紅陵さんがこちらを向く。黒宮君を睨みつける気は無くなったようだ。黒宮君も安堵の表情を浮かべている。
「…うるせ」
「紅陵氏、名は体を表すと言」
「うるせェぞ黒宮ァ!」
「ひぃい!!」
怒鳴りつける紅陵さんの頬は赤かった。黒宮君はそんな紅陵さんを、紅のように赤いですよ、と言いたかったのか。
変顔が恥ずかしかったんだろうな。やはり可愛い人だ。
照れ隠しで怒鳴ったせいか、覇気がない。そんな紅陵さんが可愛くて、くすくす笑っていたら、ふと、紅陵さんがこちらを見つめていることに気づいた。
「…泣き止んだし、笑ったな。よかった」
囁く声は、砂糖を煮つめたような甘さだ。それと、同じくらいの優しさも感じた。耳が赤いまま言われたせいか、恋人のような甘い雰囲気を感じてむずむずする。
何だか恥ずかしくなり、私は顔を背けた。
「こう、りょうっ…さん…」
私達の足元には、佐野君達三人が転がっている。意識はないようで、声は何も聞こえなかった。
助けてもらっても涙の止まらない私の背中を、紅陵さんがあやす様にとんとんと叩いてくれる。泣き止めとは言わず、もっと泣けと紅陵さんは言う。私のシャツのボタンを留め、私に学ランを着せながら紅陵さんは続けて話した。
「いーっぱい泣いたらスッキリするからな。スッキリして、眠たくなったら屋上で寝ようぜ。学校帰るなら送って行く。気分転換したいならゲーセンに連れて行く。俺が守るからな、大丈夫だ」
「…ぁ…あ、ぃ…あ…」
「どうした?落ち着いてからでいいからな」
誰も来ないと思ってたのに。
何故か、偶然にもこの人が来てくれた。
彼らを退けた後も、私のそばに居てくれる。
何だか龍牙みたいだ。でも、龍牙とは違う。
龍牙はこんな香水の香りはしないし、私に覆いかぶさるように抱きしめることも出来ない。聞いているだけで安心するような低い声は、きっとこの人にしか出せないだろう。
女の子じゃあるまいし、襲われる前に助けてもらったというのに、私は余程恐怖を味わったのか、涙が止まらなかった。紅陵さんは、ずっとそばに居てくれるみたいだ。涙が止まらなくて、紅陵さんに申し訳ない。それに、言わなきゃいけないことがある。しゃくり上げながらも、引き攣る喉から必死に声を絞り出す。
「あっ、あ、ぅ、ありがとっ、ご…ざい、ますっ…」
「…クロちゃん」
紅陵さんが悲しそうに声を出す。そんな声を出さないで欲しい。
貴方が助けてくれなかったら、もっと酷いことになるところだった。感謝を伝えたいのに、泣き止めず、笑顔も感謝の言葉も向けることが出来ない。どうしたらいい、何か言いたいのに、この人に気持ちを伝えたいのに。
「落ち着いてから話せばいいからな。とりあえず屋上だ。あそこなら誰も来ない」
「…すっ、ぁ、すっ、すみませっ、ん」
紅陵さんの胸に頭を預けていたけど、紅陵さんが私の肩をしっかり抱いて扉の方へ向かう。私もその歩みに合わせて、足を踏み出した。
その時、何か液体のようなものを踏んでしまった。ぴちゃ、と音がして、驚いて足を止めた。何を踏んだのかな。下を向こうとしたら、物凄い勢いで頬を包まれ、阻止された。
「…ふふ、クロちゃん泣きすぎだ。あれ、靴ボロボロじゃん。これ転けるぞ。危ないから、ほら」
泣きすぎ、ということは、まさか踏んだのは涙?そんなわけない、と言いたいけど、中々の時間ずっと泣いていたから否定ができない。
私に代わって下を向いた紅陵さんが、私の足元を見て靴を脱がせ始めた。確かに、中学二年生からずっと履いていたクロッケスだし、買い替えていなかった。入学時に洗って、校内を歩くスリッパ代わりにしていたが、そこまでボロボロになっていただろうか。どこかに引っ掛けてしまったのかもしれない。
「…あ、これじゃ靴下汚れるな。クロちゃん、ちょっと揺れるぞ」
「…え?」
肩と太腿の辺りに紅陵さんの腕が触れたかと思えば、次の瞬間には抱き上げられていた。所謂、お姫様抱っこ。少し恥ずかしいけど、きっと善意から……
ん?
あれ、紅陵さんも私にキスしたりとか…。いや、彼らと違ってあれ以上のことはしなかった。それに無理やりどこかへ連れて行こうとも…、まあ、していない。少なくとも、彼らに感じたような恐怖は感じていない。
私は紅陵さんの腕に揺られながら教室を出た。
教室を出ると、意外な人に出会った。その人は壁に張り付くようにして、ぷるぷると震えている。
「くろみや、くん?」
「しっ、し、紫川氏っ、無事でありますか!?というかその体勢…いや、何でもありません」
「…ああ、黒宮っていうのか。コイツが教えてくれたんだよ、クロちゃんが連れて行かれたって」
朝会った眼鏡の人だ。そうか、あの時どこかで見ていたんだろう。
「…ありがとう、黒宮君」
「れっ、礼など…、小生は、情けなく…黙って見ているしか、出来なかったのに」
「ううん、いいの、ありがと」
気まずそうにしていた黒宮君は、私の言葉を聞いて照れ臭そうに眼鏡の位置を直した。
「…ところで、お聞きしても差し支えなければ、でありますが…どうして紫川氏はあのような輩に?」
「………歩いてたら、ぶつかっちゃった」
「な、成程。ぶつかるだけで連れ込み、リンチ…、何たる不条理さっ」
黒宮君は私の素顔を知らない。ここでバラして騒がれるより、誤魔化しておいた方がいい。今は、顔で騒がれるとちょっと辛い。いい機会があればそこで明かそう。まだあまり私のことは知らないはずなのに、不良が怖いのに、助けてくれた。だから、黒宮君は信用出来るだろう。
「…紫川氏、……その、紫川氏が良ければでありますが、今市や宇野を含めた我々五人と行動を共にするというのはどうでしょうか。放課後、我々はUFOキャッチャーなるものをですね…嗜みたく、紫川氏さえよければ、共に向かおうという…」
「ああごめん、クロちゃんは俺と行くから、な?な?」
要するに、放課後ゲーセンに行きませんか、ということか。
放課後は龍牙達と帰りたいから、遠慮しようとしたら、紅陵さんが私より先に返事をしてしまう。押し付けるように何度も黒宮君に問いかけたせいで、黒宮君はあっという間に萎縮してしまった。
紅陵さんの顔を見れば、気だるげなジト目が威嚇するように細められている。何だっけ、目が細くなる生き物。昨日も同じことを考えていたな。何だっけなあ。
「は、はいっ!も、もう、もうしわけっ、ごっ、ごっ」
「紅陵さん、黒宮君が怖がってるから止めてください。黒宮君は不良…ああいや、えーっと、見た目が派手な人が苦手のに、私を助けてくれたんですから」
紅陵さんに止めてもらえるように、とんとんと胸を叩いて話しかける。わあ、分厚い胸板。
「クロちゃんを助けたのは俺だ、コイツじゃないだろ」
「あ、はい、そうですね…、すみません。でも、黒宮君が居なかったら私、酷いことになっていたと思います。だからその怖い目はダメですよ」
咎めるために、顔を両手で挟み、こちらに向ける。力を入れると口がアヒル口になってしまった。美丈夫が台無しになり、少し面白い。
「…ふっ」
「黒宮」
「わっ、笑ってませんっ!!」
「…ふふ、紅陵さん可愛い」
私が喋ると、紅陵さんがこちらを向く。黒宮君を睨みつける気は無くなったようだ。黒宮君も安堵の表情を浮かべている。
「…うるせ」
「紅陵氏、名は体を表すと言」
「うるせェぞ黒宮ァ!」
「ひぃい!!」
怒鳴りつける紅陵さんの頬は赤かった。黒宮君はそんな紅陵さんを、紅のように赤いですよ、と言いたかったのか。
変顔が恥ずかしかったんだろうな。やはり可愛い人だ。
照れ隠しで怒鳴ったせいか、覇気がない。そんな紅陵さんが可愛くて、くすくす笑っていたら、ふと、紅陵さんがこちらを見つめていることに気づいた。
「…泣き止んだし、笑ったな。よかった」
囁く声は、砂糖を煮つめたような甘さだ。それと、同じくらいの優しさも感じた。耳が赤いまま言われたせいか、恋人のような甘い雰囲気を感じてむずむずする。
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