24 / 153
黒の帳 『一つ目の帳』
夢にまで見た場所
しおりを挟む
「…ふふ、ふふっ…」
「どうしたの、クロちゃん」
「ふふ、嬉しくて」
大好きなサンミオ。そのコラボカフェとなれば、是非行きたい。
中学の冬から、そのコラボは行われていた。受験に集中しないと、と自分に言い聞かせていたけれど、行きたいという思いは私の中でどんどん募っていく。
しかし、受験が終わっても、私は行くことが出来なかった。勇気が湧かなかったからだ。世間ではサンミオ男子だとか言われ、可愛いもの好きの男性が許容されているようにも思えるが、男一人で女性層をターゲットにした可愛らしいカフェに入れるだろうか。
答えは否だ。
恥を忍んで友達に頼もうにも、そんな友達は居なかった。クリミツのイジメから助けてくれたとはいえ、学校生活が寂しくない程度の友人だ。それに皆、私の顔を見て態度を変えるような人間だったから、どうにも踏み込むことが出来ず、友達は大勢居ても、一緒に出かけるような友達は一人も居なかった。
中学時代には何度か女の子とお付き合いをした事もあるけど、煌めく可愛い笑顔で、かっこいい人が好き、なんて言われては、サンミオがどうのなど話せなかった。結局、その女の子達はどの子も、思ってたのと違った、とか、優しすぎる、とかで別れてしまった。私もしっくりこなかったし、拗れるようなことも無かったから良かったのだけど。
コラボ開催は3月末まで。そのお知らせを見て、諦めていたのだけど、紅陵さんが先程見せてくれたホームページには、大好評につき開催期間延長!との言葉があった。そして今は一緒に行ってくれる友人が居る。何たる幸運…
そして、今は皆でショッピングモールを歩いている。
あの後、帰る為に鞄を取りに行ったら、菊池君達に出くわした。でも、紅陵さんが睨みつけると皆あっという間にあちこちへ散らばってくれたので、何か言われることはなかった。何か話しかけられたら抜け出せる気がしなかったので、助かった。紅陵さんって本当にすごいな。
私の右には紅陵さん、左には龍牙、その向こうにクリミツが居る。クリミツはカフェに入らないけど、暇だから着いて来たとのことだ。
「あ、でも私、甘過ぎると食べられないんですが…」
「そういう時は俺が食べるからな。クロちゃんは気にせずにシナモ…、シナノン?頼んだらいいから」
「はい!ありがとうございます」
確かに、紅陵さんは甘いものが大好きみたいだ。初めて会った時もペッキーの箱を持っていた。
「鈴っ、俺も食べるからな!」
「龍牙は何食べるの?プリンはまだ好き?」
「え、あ、好き…いや、そういうことじゃなくて…」
龍牙が言い淀んでいるけど、これはいつものアレだ。纏まりの無い話を続けてしまう、龍牙の癖。何を言っているか分からないので、落ち着くまで放っておこう。
「紅陵さんって、いつクリミツ達と連絡先交換したんですか?」
「え、昨日のお昼だけど。クロちゃん居たよな?」
「…多分、ぼーっとしてました」
「ふふっ…、色んなこと考えてんだろ。…当ててやろう、俺が猫みたい、って思ってたことあるだろ」
「……あ!!」
そうだ、目が細くなる生き物は猫か!
紅陵さんは怒ると目が細くなるから、その様子を見て何かそんな動物いたなぁ~と呑気に考えていたんだ。
成程、ああ~スッキリした。
うんうんと頷いていると、頬に何かが触れた。
「…可愛い」
「………ぇ」
紅陵さんの手だった。
その大きな手に、一瞬あの時の褐色さん…誰だっけ、ああ、渡来君だ、渡来君の手を思い出した。優しく撫でるような手付きも似ていたけど、何だろうか、どうにも嫌な気分にはならなかった。まああの時は彼らには抑えつけられていたし、このリラックスした状況とアレを比べてしまうのは違うだろうな。
「おいそこ、イチャイチャすんな。カフェ行くんだろうが」
「ちょっ、イチャイチャなんてっ…」
「へいへい、片桐は先行ったのか」
「そうっすね、見てられねえって言ってました」
クリミツに茶化され、私は今の状況を認識し、急に恥ずかしくなった。頬を包まれて抵抗するどころか、少し、ほんの少しだけど、安心感を覚えていた。ここ、ショッピングモールなのに。
でもそんな私を置いて、紅陵さんは何事も無かったかのように颯爽と歩いて行ってしまった。
何だか、私ばかり意識していたようで、より一層恥ずかしくなってしまう。赤くなった頬をぺちぺちと叩き、二人の後を追った。
私達が目指すカフェは二階の奥の方にあるから、どこかから上がらなければいけない。そこのエリアには女性向けの服や化粧品を販売する店が集まっている。奥なので他の場所への通過点でもなく、間違っても男数人で行く場所ではない。だから、私はそのコラボカフェに行くどころか、見ることさえ初めてだった。
エスカレーターを上がって暫く歩くと、漸くカフェが見えた。龍牙もそこで待っている。見たところ列は無く、店内も空いている。すぐに入れそうだ。店前にはコラボ開催を示す看板と、キャラクターの大きなパネルがあった。シナノンちゃん、マイメモちゃん、ケティちゃんの三人だ!後で写真を撮っておこう。
…今更だが、学ラン三人でここに入る事に緊張してきた。入店禁止ではないけど、それなりの視線は向けられるだろう。でも紅陵さんが誘ってくれたし、龍牙も来てくれる。怖気付いてどうする、私!
自分を励ましていると、紅陵さんが私にちょいちょいと手招きをした。何だろうと思って歩いて行くと、前髪をピンで留められた。
「よし。これなら、ちゃんと自分の目で見られるだろ?」
「……はい、ありがとうございます!」
ここは中央柳高校ではなく、ショッピングモールだから、雅弘さんとの約束は破っていない。そう自分に言い聞かせ、紅陵さんにお礼を伝える。
「うーん、自分でピン持ち歩かないとですね…」
「いや、それは止めとけよ。俺が守ってやれる時だけ顔を出すってことで、俺が貸すから。自分がピン付けてること忘れるようなうっかりさんは、それくらいがいいと思うぞ?」
「うう、確かに…」
昨日の天野君のことか。確かに、ピンを付けっぱなしだったせいで天野君に顔を見られてしまった。そういえば天野君は今どこにいるんだろう。まだ私を探しているのだろうか。まあこんな可愛らしいカフェにまで探しに来るわけがない。周りには女性向けの店ばかりだから、余程のことがない限り出くわすことは無い。
クリミツはカフェに入らないので、ここでお別れだ。ゲーセンで待っているとの事なので、食べ終わったらそこで合流しようとなった。クリミツもやはりここは入り難いらしく、別れを告げるなり逃げるように走っていった。
店内に入ろうとしたら、店内から驚いた声がした。一体なんだろうか。
「どうしたの、クロちゃん」
「ふふ、嬉しくて」
大好きなサンミオ。そのコラボカフェとなれば、是非行きたい。
中学の冬から、そのコラボは行われていた。受験に集中しないと、と自分に言い聞かせていたけれど、行きたいという思いは私の中でどんどん募っていく。
しかし、受験が終わっても、私は行くことが出来なかった。勇気が湧かなかったからだ。世間ではサンミオ男子だとか言われ、可愛いもの好きの男性が許容されているようにも思えるが、男一人で女性層をターゲットにした可愛らしいカフェに入れるだろうか。
答えは否だ。
恥を忍んで友達に頼もうにも、そんな友達は居なかった。クリミツのイジメから助けてくれたとはいえ、学校生活が寂しくない程度の友人だ。それに皆、私の顔を見て態度を変えるような人間だったから、どうにも踏み込むことが出来ず、友達は大勢居ても、一緒に出かけるような友達は一人も居なかった。
中学時代には何度か女の子とお付き合いをした事もあるけど、煌めく可愛い笑顔で、かっこいい人が好き、なんて言われては、サンミオがどうのなど話せなかった。結局、その女の子達はどの子も、思ってたのと違った、とか、優しすぎる、とかで別れてしまった。私もしっくりこなかったし、拗れるようなことも無かったから良かったのだけど。
コラボ開催は3月末まで。そのお知らせを見て、諦めていたのだけど、紅陵さんが先程見せてくれたホームページには、大好評につき開催期間延長!との言葉があった。そして今は一緒に行ってくれる友人が居る。何たる幸運…
そして、今は皆でショッピングモールを歩いている。
あの後、帰る為に鞄を取りに行ったら、菊池君達に出くわした。でも、紅陵さんが睨みつけると皆あっという間にあちこちへ散らばってくれたので、何か言われることはなかった。何か話しかけられたら抜け出せる気がしなかったので、助かった。紅陵さんって本当にすごいな。
私の右には紅陵さん、左には龍牙、その向こうにクリミツが居る。クリミツはカフェに入らないけど、暇だから着いて来たとのことだ。
「あ、でも私、甘過ぎると食べられないんですが…」
「そういう時は俺が食べるからな。クロちゃんは気にせずにシナモ…、シナノン?頼んだらいいから」
「はい!ありがとうございます」
確かに、紅陵さんは甘いものが大好きみたいだ。初めて会った時もペッキーの箱を持っていた。
「鈴っ、俺も食べるからな!」
「龍牙は何食べるの?プリンはまだ好き?」
「え、あ、好き…いや、そういうことじゃなくて…」
龍牙が言い淀んでいるけど、これはいつものアレだ。纏まりの無い話を続けてしまう、龍牙の癖。何を言っているか分からないので、落ち着くまで放っておこう。
「紅陵さんって、いつクリミツ達と連絡先交換したんですか?」
「え、昨日のお昼だけど。クロちゃん居たよな?」
「…多分、ぼーっとしてました」
「ふふっ…、色んなこと考えてんだろ。…当ててやろう、俺が猫みたい、って思ってたことあるだろ」
「……あ!!」
そうだ、目が細くなる生き物は猫か!
紅陵さんは怒ると目が細くなるから、その様子を見て何かそんな動物いたなぁ~と呑気に考えていたんだ。
成程、ああ~スッキリした。
うんうんと頷いていると、頬に何かが触れた。
「…可愛い」
「………ぇ」
紅陵さんの手だった。
その大きな手に、一瞬あの時の褐色さん…誰だっけ、ああ、渡来君だ、渡来君の手を思い出した。優しく撫でるような手付きも似ていたけど、何だろうか、どうにも嫌な気分にはならなかった。まああの時は彼らには抑えつけられていたし、このリラックスした状況とアレを比べてしまうのは違うだろうな。
「おいそこ、イチャイチャすんな。カフェ行くんだろうが」
「ちょっ、イチャイチャなんてっ…」
「へいへい、片桐は先行ったのか」
「そうっすね、見てられねえって言ってました」
クリミツに茶化され、私は今の状況を認識し、急に恥ずかしくなった。頬を包まれて抵抗するどころか、少し、ほんの少しだけど、安心感を覚えていた。ここ、ショッピングモールなのに。
でもそんな私を置いて、紅陵さんは何事も無かったかのように颯爽と歩いて行ってしまった。
何だか、私ばかり意識していたようで、より一層恥ずかしくなってしまう。赤くなった頬をぺちぺちと叩き、二人の後を追った。
私達が目指すカフェは二階の奥の方にあるから、どこかから上がらなければいけない。そこのエリアには女性向けの服や化粧品を販売する店が集まっている。奥なので他の場所への通過点でもなく、間違っても男数人で行く場所ではない。だから、私はそのコラボカフェに行くどころか、見ることさえ初めてだった。
エスカレーターを上がって暫く歩くと、漸くカフェが見えた。龍牙もそこで待っている。見たところ列は無く、店内も空いている。すぐに入れそうだ。店前にはコラボ開催を示す看板と、キャラクターの大きなパネルがあった。シナノンちゃん、マイメモちゃん、ケティちゃんの三人だ!後で写真を撮っておこう。
…今更だが、学ラン三人でここに入る事に緊張してきた。入店禁止ではないけど、それなりの視線は向けられるだろう。でも紅陵さんが誘ってくれたし、龍牙も来てくれる。怖気付いてどうする、私!
自分を励ましていると、紅陵さんが私にちょいちょいと手招きをした。何だろうと思って歩いて行くと、前髪をピンで留められた。
「よし。これなら、ちゃんと自分の目で見られるだろ?」
「……はい、ありがとうございます!」
ここは中央柳高校ではなく、ショッピングモールだから、雅弘さんとの約束は破っていない。そう自分に言い聞かせ、紅陵さんにお礼を伝える。
「うーん、自分でピン持ち歩かないとですね…」
「いや、それは止めとけよ。俺が守ってやれる時だけ顔を出すってことで、俺が貸すから。自分がピン付けてること忘れるようなうっかりさんは、それくらいがいいと思うぞ?」
「うう、確かに…」
昨日の天野君のことか。確かに、ピンを付けっぱなしだったせいで天野君に顔を見られてしまった。そういえば天野君は今どこにいるんだろう。まだ私を探しているのだろうか。まあこんな可愛らしいカフェにまで探しに来るわけがない。周りには女性向けの店ばかりだから、余程のことがない限り出くわすことは無い。
クリミツはカフェに入らないので、ここでお別れだ。ゲーセンで待っているとの事なので、食べ終わったらそこで合流しようとなった。クリミツもやはりここは入り難いらしく、別れを告げるなり逃げるように走っていった。
店内に入ろうとしたら、店内から驚いた声がした。一体なんだろうか。
0
あなたにおすすめの小説
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
俺の親友がモテ過ぎて困る
くるむ
BL
☆完結済みです☆
番外編として短い話を追加しました。
男子校なのに、当たり前のように毎日誰かに「好きだ」とか「付き合ってくれ」とか言われている俺の親友、結城陽翔(ゆうきはるひ)
中学の時も全く同じ状況で、女子からも男子からも追い掛け回されていたらしい。
一時は断るのも面倒くさくて、誰とも付き合っていなければそのままOKしていたらしいのだけど、それはそれでまた面倒くさくて仕方がなかったのだそうだ(ソリャソウダロ)
……と言う訳で、何を考えたのか陽翔の奴、俺に恋人のフリをしてくれと言う。
て、お前何考えてんの?
何しようとしてんの?
……てなわけで、俺は今日もこいつに振り回されています……。
美形策士×純情平凡♪
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
モブらしいので目立たないよう逃げ続けます
餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。
まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。
モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。
「アルウィン、君が好きだ」
「え、お断りします」
「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」
目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。
ざまぁ要素あるかも………しれませんね
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
あの夏の日を忘れない ~風紀委員長×過去あり総長~
猫村やなぎ
BL
椎名由は、似てるという言葉が嫌いだった。
髪を金にして、ピアスを付けて。精一杯の虚勢を張る。
そんな彼は双子の兄の通う桜楠学園に編入する。
「なぁ由、お前の怖いものはなんなんだ?」
全寮制の学園で頑張り屋の主人公が救われるまでの話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる