半世紀生きて、やっと小説完成しました

さんかく ひかる

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斬新なポエムを作ってみた

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 全払い 専守防衛 段重ね 名誉

 呼び捨て 素読み 物理 防寒

 十徳じっとく アーチ 録画 しばれる

 麦の秋 ガラナ 左右 取り合わせる


 万年初心者の投稿小説エッセイ、いきなり謎ポエムから始めました。
 いかがでしょうか? このポエム……バレバレですね。
 作者は私ではありません。


 昨今はAIが大活躍。それっぽい小説も書けるようです。
 が、私はデジタル化の波に(昔はそこそこ得意だったが)乗れず、スマホのフリック入力で泣いております。
 冒頭のなんちゃってポエムは、プログラムやすごいアプリと縁のない私、とっても原始的な方法で作りました。

 手元に三十年前の辞典『三省堂国語辞典 第四版』があります。
 上記のポエムは、この辞書からランダムに単語を抜き出して作りました。抜き出す方法は、表計算ソフトのエクセルの乱数関数を使うという、力技です。
 辞典の本文は1333ページ、3段組、36行の構成となっています。このページ数、段組み、行に対応する乱数を発生させ、単語を抜きます。
 具体的には、以下の関数をセルに入れるだけです。

=RANDBETWEEN(1,1333) =RANDBETWEEN(1,3) =RANDBETWEEN(1,36)


 今回は、「644」「1」「13」と、三つの数字が出ました。この数字から、644ページ・1段目・13行目の単語を辞典から探すと、「全払い」とあります。
 単語四つ×四行とするとポエムっぽくなりそうなので、十六個の単語を発生させます。
 ちなみにこれは乱数を発生させる関数なので、うっかりエンターキーを押すと数字が変わります。
 数字がでたら、コピーして「数値だけ貼り付け」をしておきましょう……って、誰も真似する人いないか。

 事務仕事でエクセルさんには何十年もお世話になっています。Windows3.1時代からです。MOTってインストラクターの資格も取ったんですが、二十年も前のこと。更新していないので、失効しちゃいました。
 事務仕事では、乱数発生させる関数なんて使いませんね。

 で、並べてみたら……やっぱりポエムというには無理がありますね。
 でも最後の行「麦の秋 ガラナ 左右 取り合わせる」は、何となくポエムっぽくありません? だめ?


 何でこんなしょーもないことをしたか? 昨今のAIブームより何十年も前、どこかの文学の先生が、コンピューターにランダムで単語を抽出させた詩を作ったんです。
 その詩は、なかなか詩っぽい感じでした。
 どうも先生は、人間というのは無意味なものにも意味を求める、ということをおっしゃりたくて、コンピューターに詩を作らせたみたいです。
 すごい昔、新聞でチラッと読んだので、ソースを提示できなくてすみません。

 なので私も、ランダムに単語を並べたら「詩」になるか、試したくなりました。
 しかし「全払い 専守防衛 段重ね 名誉」って、イミフすぎです。
 多分、先生は、それなりに条件をつけて単語を抽出したのでしょう。


 しょーもない試みで、いくつか発見しました。
 言葉って、圧倒的に名詞が多いんですね。このなんちゃってポエム、十六単語のうち、十四が名詞、残りが動詞です。いつもお世話になる形容詞さんは登場しません。

 ポエムは名詞を並べただけではポエムにならない、改めて発見しました。
 何となく最後の行「麦の秋 ガラナ 左右 取り合わせる」がポエムに見えなくもないのは、動詞が入っているからでしょう。

 そしてこの技を使うと、ボキャブラリーが増えそうです。このポエムの「十徳じっとく」って知りませんでした。男子の和服の一種です。
 それと「しばれる」「素読み」「全払い」といった単語も意味はわかるけれど、私の小説では、一度も登場しない単語です。


 さきほどのなんちゃってポエムに、ちょっとだけ助詞に助動詞くっつけてみました。


 全払いされた専守防衛は、段重ねの名誉

 呼び捨てした素読みは、物理的防寒

 十徳じっとくアーチの録画にしばれる

 麦の秋、ガラナ、左右取り合わせる


 うん、何となくポエムっぽくなってきたかな? やっぱり無理があるか。
 繰り返しになりますが、最近の賢いAIが作るちゃんとしたポエムではなく、無意味な単語の羅列を眺めたい気分なんです。


 これ、前回のエッセイの前振りのつもりでした。が、あまりに長くなってしまったので、カットしたのです。
「自由を求める」試みの一つですが……ということで、オチがありません。
 あえて言うなら、このなんちゃってポエム、紙の辞書ベースです。十六回も辞書を引くのは面倒でした。私は電子辞書を持っていないのでわかりませんが、電子辞書を使えばもっと簡単にポエムが作れるんでしょうか。
 エンターキーを押すたびに、ポンポンと無意味なポエムが表示されるようになるといいなあ。


 次回も、前回エッセイのおまけ作文を披露します。
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