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孫子の兵法 世界で一番有名な中国の古典かも?

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 昔のホームページをコピーペーストする企画。本当にネタがなくなってきました。
 ということで、おそらく世界で一番メジャーな中国古典を取り上げます。
 中身すかすかなので、ごめんなさい。


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孫子

浅野 裕一

講談社学術文庫 1997年発行

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1999/9/23 記

読書期間
 1999年9月11日~21日

第一印象
 最後まで読めそう。おじさん雑誌に特集されるわけがわかる。


Q 結構読むの時間かかったじゃない。

A うん、通勤電車の中で少しずつ読んだの。
最初はすっ飛ばしたんだけど、それだとこの本、なーんにも頭に残らないの。
真っ当なことを古典の割には易しめの言葉で説明してくれるから、進みやすいんだよ。
でもそれだと、「目で字を追いかける」状態になっちゃうから、私にしては珍しく、じっくり読んだよ。


Q それだと、随分参考になったでしょう?

A この本の愛読者で有名なのが、曹操・ナポレオン・毛沢東。かなり変わった人が多いよね。
そこまでいかなくても、頭の良い人にはためになると思う。
でも、私にとっては、ここに出てくる「将軍」の仕事なんて人間技とは思えない。
敵を罠に填め味方も欺くところはいいんだけど、自分の感情を戦争のために完全にコントロールできるなんて、もはや人間とはいえないよ。


Q ありとあらゆる抑制ができないもんねえ。

A 自分に正直なだけよ! 正直のどこが悪いの? 正直じいさんだって最後には幸せになったじゃない。……本の感想の続きね。
この本はねえ、戦争万歳じゃないの。もちろん平和主義じゃない。主君への忠誠なんか邪魔なだけ。
何よりも優先するのは「国家の利益」。
実にドライ。いわゆる戦争オタクとは、この著者大分違うみたい。
でさあ、そのための色々な駆け引きが乗っているんだけど、一番「エグイ」と思ったのが、「敵を欺くには味方から」っていう、あれ。
兵士達には何も知らせないで、わざと窮地に追い込んで、戦わせよって言うわけ。ひどーい。
情報開示はどーした?
これじゃ、「教育無用論」の愚民政策ってことじゃないかあ。
だから偉い人って嫌いだァ!!


Q 文句以外にも、何かあるんでしょ?

A これを読むと、戦争小説が面白くなるよ。三国志で読むのがきつかった戦闘シーンも、楽しく読めそう……戦闘シーンが楽しく読めるなんてまずいかな?
私にとっての直接のメリットはそれぐらいだけど、実にビジネス書に取り上げられる理由ってわかるな。
割と抽象的な言葉が多いから、いろいろなジャンルで応用が利きそう。


Q じゃあ、自分の身近な問題に応用してみたら?

A うーん、やっぱり「ダイエット」ですかねえ?
孫子によるダイエットかあ……。
彼を知り己を知らば百戦危うからず。
ダイエットで自分のことといえば……体重か?
いやだ! 自分の体重なんて知りたくない! あんな悪魔の測定装置に自分の身体を預けるなんて、とんでもないことよ!!


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2024年5月 付記

『孫子』の兵法の解説書や訳本はたくさんありますが、この本は訳文・読み下し文・白文に加え、本編の何倍もの解説が加わり、わかりやすくなっています。

 といっても、私がホームページを作ったのは1999年。あれから二十年以上経っています。
 ということで久しぶりにAmazonで『孫子』と検索したら、『魏武注孫子』の訳本が出てるじゃありませんか!

 魏武注孫子とは、あの三国志の英雄曹操が注釈をほどこした孫子のことです。
 この本では曹操の注釈と共に、彼の起こした数々の戦いを解説しているので、孫子と共に、曹操その人の生きざまもわかるような作りになっているようです。
 買っちゃおうかなあ……あれ? 孫子じゃなくて曹操の話になっちゃった。
 いや、私、あまり曹操好きじゃないんだけど、やっぱり気になるなあ……。


 ネタがなくなってきたこのシリーズ、もう少しだけお付き合いください。
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