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4 古代ギリシャで謎といったらスフィンクス!

あとがき

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 我ながら迷走中のこのシリーズ。
 今回、アレキサンドリアの天才数学者、ディオファントスが登場しました。
 彼は代数学の父と言われています。

 小説では、自分の墓の文句を完成させるために息子を殺そうとする、トンデモナイおじいさんにしました。ごめんなさい。
 もちろん、そんな方ではありません!
 そもそもどういう人か、ほとんどわかっていないようです。

 作中に出てきた、ディオファントスの一生の歌は、『ギリシア詞華集』という、古代ギリシャのあらゆる詩を集めた本に載っているそうです。
 ディオファントスが本当にこの歌の通りに生きたのではなく、彼を讃えるために詩人が創作したかと思われます。
 そもそも84歳という便利な年数(7でも12でも割れる!)ぴったりに一生を終えなければ、この謎は成立しませんから。

 ディオファントスが記した『算術』は、あのフェルマーの最終定理と深く結びついています。
 フェルマーはディオファントスの『算術』を読みながら、余白に自分の着想を書き込んだそうです。
 書き込みの一つが、フェルマーの最終定理です。フェルマーの息子がこの書き込みを加えた『算術』を刊行したことで、最終定理が知られるようになりました。
 フェルマー親子、素晴らしい。この小説の親子とは大違いです。
(私の小説って、ロクでもない親ばかり登場する。たまにはまともな親を出そう)


 書き出し当初はファンタジーに限らず、いろいろなジャンル……恋愛やミステリーなどの「とりあえず終了パターン」文章に挑戦するつもりでしたが、パリスのキャラが気に入ってしまい、なんちゃってファンタジーになりました。
 今回は怪物が出てきて、一番ファンタジーらしい話になったかと思います。

 次は最終章にするつもりです。書き始めのきっかけがふざけているので、この先、本当にノープランです。
 なるべく今年中に再開しますが、もし今回で本当の「第一部 完」になったら、ごめんなさい。
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