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蜃気楼を淘汰する。
1 白昼夢と蝉時雨
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まだ暑かった。
いや、今年も去年の夏も一段と暑かったんだ。
だからクーラーを買い替えた。
それで快適に過ごせるようにと、わざわざ遠出して……。
いや、辰巳がいたときはまだ暖房機能なんてなかったから買い替えていなかったっけな。
あれ?どっちだっけ。
でも確かに寝汗をかいていないぐらいには部屋が涼しい。
「俺、冷房つけたっけ…」
比較的寝やすい温度に甘えつつも、少し冷えた畳の上で瞬きを重ねながらぼやく。
ちらりと壁にかけている時計を見る。洗濯物そろそろ干さなきゃなとかなんとか考えていると、
「あ、すいません、桜木さんが暑そうだったもので」
スッと通るような落ち着いた、家のなかでは全く聞き覚えのない声。
「…え」
返ってくると思ってなかった誰かの声に一瞬で眠気がさっぱり無くなった。
俺は跳ねるように立ち上がり、声の聞こえたキッチンの方を向く。
「…すみません、戸、鍵かかってなかったもので勝手ながらお邪魔させていただきました。」
申し訳無さそうにニッコリと笑う黒髪短髪のイケメン。
俺はこの男によく似た男を知っている。
「あっ、あー…じゃあ、君、星月の弟の……」
「あぁ、はい、そうです。兄がお世話になってます、弟の星月渉です」
「渉くん…、うん、今日、だったわ、出迎えできなくてごめんね……うん。
最近は暑くてかなわないのに、よくこんな辺鄙な場所まで来たねえ。いらっしゃい、歓迎するよ」
「俺の名前は…もう知ってると思うけど、桜木修。もっと気楽に呼んでくれたら嬉しいかな」
軽く寝癖がついていそうな自分の髪を慌てて直しながら、反対の手を差し出す。
渉くんは少し驚きつつも、快く俺の手を取ってくれた。
「修さん……いえ、こちらこそ二ヶ月程お世話になります」
手を取りながらも丁寧に腰を折る渉くん、二ヶ月程衣食住を共にするからどんな人なのか
少し心配だったけれど、それも杞憂だったようだ。
「よし、じゃあそんなに広くはないけれど部屋の場所だけでも案内しようか」
俺の言葉にやっと渉くんが頭をあげる、手を離すと彼は「ありがとうございます」と呟いた。
「一人で住むにしては広いお家ですね」
一通り簡単に一階を説明した後、「二階もあるけど今はほぼ物置だよ」と言った俺の言葉に渉くんは驚いたようにそんなことを口にした。
「俺も知り合いから譲り受けてね。親はどっちも、もうここには住めないし俺自身そんな熱中してる趣味もないから、部屋とか丁度持て余してた所だったんだ」
ひとまずリビングで一息つこうと冷蔵庫から冷えた麦茶ポットを取り出し、
2つのコップにそれぞれ同じくらい注ぐ。
氷を3個浮かべてから渉くんの方に少し滑らすと、ありがとうございます。
と、軽く頭を下げてから彼はコップを口にした。
「改めまして、俺の家にようこそ」
キッチンのカウンターに頬杖を付きながら、椅子に腰掛けゆっくりと麦茶を飲む渉くんを眺める。
「そういえば、渉くんの荷物ってあのボストンバック一つだけなの?」
「…はい、布団とか持ってこれなくてすみません」
起き上がって渉くんを見た時から既に、アウトドアブランドのボストンバックを肩にかけていたとは思ったが、
まさかそれだけだったとは。
「え、中になに詰めてきたの?」
「着替えがほとんどで…後は財布とかスマホとか、?」
「身分証明の類は?」
「大学の学生証が」
椅子にかけられているボストンバックから取り出された財布。
学生証を取り出す際に見えたカードの数々、あー、なるほど。
「…よし、来たばっかりの渉くんには悪いけど、とりあえずこの後車出そうか。まずは一緒に買い物から行こう」
渉くんは俺の提案に自分の荷物が圧倒的に足りない事に気づいたのか、俺が気を利かせていると思ったのか、
「すみません、ありがとうございます」と一言。
素直でよろしい、と思いながら「13:30には出ようね」とだけ渉くんに伝えて俺は洗面台へ向かった。
本当、愛車が軽トラじゃなくてよかったと思う。
でも、
「ススキのシムニー…」
「…なかなかにかわいい車でごめんな」
渉くんの呟きに、俺はそう返すしかない。
簡単に言えばコンパクト四駆、軽四駆。
見た目と内装のゴテゴテギャップに引かれて購入したが、やっぱり見てくれはかわいさがあるというか。
というかミルクティーカラーにしちゃったのが更に……。はぁ。
「渉くん、車酔いとか大丈夫な感じ?」
「そこらへんは大丈夫です、船も乗れます」
船って、と軽く笑いながら助手席に座るよう促す。
エンジンをかけてクーラーをきかせた後、
ルームミラーの位置をちょっとだけ調整していると、ルームミラーに飾っている、手のひらほどの風鈴がチリンと鳴った。
「さてと、そろそろ行きますか」
軽くアクセルを踏んで砂利道をゆっくり下る、日差しは強いし今日も変わらず体は面白いくらい揺れた。
山道を抜けて見えてきたのは田畑と緑のあぜ道。
しばらくはこんな風景だし、ここだとまだラジオは受信できない。
The 田舎。
「渉くんはまだ車の免許取ってないんだっけか」
「えっと、バイクなら持ってます普通二輪と大型二輪」
通学ために、と付け加える渉くん。
確かに渉くんの体格だと、容易にあの鉄の塊を持ち上げることができるんだろうなとか思う。
「へー、良いねえ。俺も友達が風を切って走るあの感覚が最高、なんて言っててさー、一時期取ろうかなとか思ってたんだけど」
「そいつが事故って骨盤骨折して悶えてるの見てからソッコーで諦めた」
空気が漏れた声が聞こえたので、ちらりと隣を見ると口元を緩めた渉くんと目が合った。
「しょうがないじゃん、大人も痛いの怖いんだから」
そう付け加えると渉くんは更に笑みを深めた。
そんな渉くんを見て笑いどころわかってんなと思うと同時に少し安心した。
21歳がそんな無理やり表情つくる必要ないし、何よりしょうもない事で笑えるぐらい元気で良かった。
渉くんはただの旅行でこっちに来たわけじゃない。
大学側から言い渡された謹慎期間、それが彼がここに留まる期限であり理由。
詳しくは星月兄の方からも聞いていないし聞こうとも思っていない。
ただ渉くんから打ち明けられたら素直に聞いてあげて欲しいとのこと、
俺の役割は謹慎期間の生活援助。
にしても二ヶ月の謹慎とは、どれほど重い話が渉くんの口から聞けるのかほくそ笑みながら、ぶつ切りながら少しずつ聞こえ始めてきたラジオの音量を上げる。
アオンに行ったらまずは歯ブラシとかからゲットしなくちゃな。
まだ暑かった。
いや、今年も去年の夏も一段と暑かったんだ。
だからクーラーを買い替えた。
それで快適に過ごせるようにと、わざわざ遠出して……。
いや、辰巳がいたときはまだ暖房機能なんてなかったから買い替えていなかったっけな。
あれ?どっちだっけ。
でも確かに寝汗をかいていないぐらいには部屋が涼しい。
「俺、冷房つけたっけ…」
比較的寝やすい温度に甘えつつも、少し冷えた畳の上で瞬きを重ねながらぼやく。
ちらりと壁にかけている時計を見る。洗濯物そろそろ干さなきゃなとかなんとか考えていると、
「あ、すいません、桜木さんが暑そうだったもので」
スッと通るような落ち着いた、家のなかでは全く聞き覚えのない声。
「…え」
返ってくると思ってなかった誰かの声に一瞬で眠気がさっぱり無くなった。
俺は跳ねるように立ち上がり、声の聞こえたキッチンの方を向く。
「…すみません、戸、鍵かかってなかったもので勝手ながらお邪魔させていただきました。」
申し訳無さそうにニッコリと笑う黒髪短髪のイケメン。
俺はこの男によく似た男を知っている。
「あっ、あー…じゃあ、君、星月の弟の……」
「あぁ、はい、そうです。兄がお世話になってます、弟の星月渉です」
「渉くん…、うん、今日、だったわ、出迎えできなくてごめんね……うん。
最近は暑くてかなわないのに、よくこんな辺鄙な場所まで来たねえ。いらっしゃい、歓迎するよ」
「俺の名前は…もう知ってると思うけど、桜木修。もっと気楽に呼んでくれたら嬉しいかな」
軽く寝癖がついていそうな自分の髪を慌てて直しながら、反対の手を差し出す。
渉くんは少し驚きつつも、快く俺の手を取ってくれた。
「修さん……いえ、こちらこそ二ヶ月程お世話になります」
手を取りながらも丁寧に腰を折る渉くん、二ヶ月程衣食住を共にするからどんな人なのか
少し心配だったけれど、それも杞憂だったようだ。
「よし、じゃあそんなに広くはないけれど部屋の場所だけでも案内しようか」
俺の言葉にやっと渉くんが頭をあげる、手を離すと彼は「ありがとうございます」と呟いた。
「一人で住むにしては広いお家ですね」
一通り簡単に一階を説明した後、「二階もあるけど今はほぼ物置だよ」と言った俺の言葉に渉くんは驚いたようにそんなことを口にした。
「俺も知り合いから譲り受けてね。親はどっちも、もうここには住めないし俺自身そんな熱中してる趣味もないから、部屋とか丁度持て余してた所だったんだ」
ひとまずリビングで一息つこうと冷蔵庫から冷えた麦茶ポットを取り出し、
2つのコップにそれぞれ同じくらい注ぐ。
氷を3個浮かべてから渉くんの方に少し滑らすと、ありがとうございます。
と、軽く頭を下げてから彼はコップを口にした。
「改めまして、俺の家にようこそ」
キッチンのカウンターに頬杖を付きながら、椅子に腰掛けゆっくりと麦茶を飲む渉くんを眺める。
「そういえば、渉くんの荷物ってあのボストンバック一つだけなの?」
「…はい、布団とか持ってこれなくてすみません」
起き上がって渉くんを見た時から既に、アウトドアブランドのボストンバックを肩にかけていたとは思ったが、
まさかそれだけだったとは。
「え、中になに詰めてきたの?」
「着替えがほとんどで…後は財布とかスマホとか、?」
「身分証明の類は?」
「大学の学生証が」
椅子にかけられているボストンバックから取り出された財布。
学生証を取り出す際に見えたカードの数々、あー、なるほど。
「…よし、来たばっかりの渉くんには悪いけど、とりあえずこの後車出そうか。まずは一緒に買い物から行こう」
渉くんは俺の提案に自分の荷物が圧倒的に足りない事に気づいたのか、俺が気を利かせていると思ったのか、
「すみません、ありがとうございます」と一言。
素直でよろしい、と思いながら「13:30には出ようね」とだけ渉くんに伝えて俺は洗面台へ向かった。
本当、愛車が軽トラじゃなくてよかったと思う。
でも、
「ススキのシムニー…」
「…なかなかにかわいい車でごめんな」
渉くんの呟きに、俺はそう返すしかない。
簡単に言えばコンパクト四駆、軽四駆。
見た目と内装のゴテゴテギャップに引かれて購入したが、やっぱり見てくれはかわいさがあるというか。
というかミルクティーカラーにしちゃったのが更に……。はぁ。
「渉くん、車酔いとか大丈夫な感じ?」
「そこらへんは大丈夫です、船も乗れます」
船って、と軽く笑いながら助手席に座るよう促す。
エンジンをかけてクーラーをきかせた後、
ルームミラーの位置をちょっとだけ調整していると、ルームミラーに飾っている、手のひらほどの風鈴がチリンと鳴った。
「さてと、そろそろ行きますか」
軽くアクセルを踏んで砂利道をゆっくり下る、日差しは強いし今日も変わらず体は面白いくらい揺れた。
山道を抜けて見えてきたのは田畑と緑のあぜ道。
しばらくはこんな風景だし、ここだとまだラジオは受信できない。
The 田舎。
「渉くんはまだ車の免許取ってないんだっけか」
「えっと、バイクなら持ってます普通二輪と大型二輪」
通学ために、と付け加える渉くん。
確かに渉くんの体格だと、容易にあの鉄の塊を持ち上げることができるんだろうなとか思う。
「へー、良いねえ。俺も友達が風を切って走るあの感覚が最高、なんて言っててさー、一時期取ろうかなとか思ってたんだけど」
「そいつが事故って骨盤骨折して悶えてるの見てからソッコーで諦めた」
空気が漏れた声が聞こえたので、ちらりと隣を見ると口元を緩めた渉くんと目が合った。
「しょうがないじゃん、大人も痛いの怖いんだから」
そう付け加えると渉くんは更に笑みを深めた。
そんな渉くんを見て笑いどころわかってんなと思うと同時に少し安心した。
21歳がそんな無理やり表情つくる必要ないし、何よりしょうもない事で笑えるぐらい元気で良かった。
渉くんはただの旅行でこっちに来たわけじゃない。
大学側から言い渡された謹慎期間、それが彼がここに留まる期限であり理由。
詳しくは星月兄の方からも聞いていないし聞こうとも思っていない。
ただ渉くんから打ち明けられたら素直に聞いてあげて欲しいとのこと、
俺の役割は謹慎期間の生活援助。
にしても二ヶ月の謹慎とは、どれほど重い話が渉くんの口から聞けるのかほくそ笑みながら、ぶつ切りながら少しずつ聞こえ始めてきたラジオの音量を上げる。
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