真探偵

ASKAkeru

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謎の密室殺害事件

一話 謎の男

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もうこんな人生うんざりだ。
夢を見ていたように感じた。目が覚めるとそこは見たこともない病室だった。何も覚えていない。いや、覚えている。頭を強く殴られた事だけは。頭が酷く痛む。水を飲もうと起き上がると誰かが泣いていた。名前は知らない。だけど、何か自分の中からも悲しみがこみ上げてきて自分も泣いてしまった。この人見たことがある、ふいにそう思った。だけど、思い出せない何があったのか。必死に思い出そうとしていると、医者が来た。多分容態を見てくれた医者だろう。こいつは、ふいに頭をよぎった。頭を強く殴られた時殴った犯人の顔が一瞬だけ見えた。
「いや、そんなわなけないか」
そう呟いた。医師から話を聞くとさっき目の前で泣いていた女性は俺の彼女らしい。心配して毎日見舞いに来てたらしいから生きていたことがよっぽど嬉しかったらしい。そこで俺は思った。何日間入院していたのかと、聞く前に医師は俺に伝えた。1ヶ月間も眠っていたらしい。驚いた。だが、何も覚えていない事を伝えると頭を殴られた。記憶が戻ったのだ。こいつは何者なんだと思っていたら。急に悲しみがこみあげてきた。だんだん記憶が戻り、姉が謎の男に殺された事を思い出した。俺は寒気を感じた。この医師が謎の男だと分かった。探偵の勘ってやつだ。俺は動けなかった。あの日動けていれば、今もあの日の事を思い出す。あの日何があったのか調べようとした。必死に調べた。その事件に関して自分に有利な証拠が出てこないのは、後から分かった事なのだがあの医師に記憶をいじられていたからである。そんな事を考えていると電話が鳴った。出てみると不倫の調査をしてほしいらしい。
全くそんな事に探偵を使わないでくれと思いながら俺は探偵の顔とも言われる服装をして出掛けた。自分はふと思った。姉が亡くなる前ならばめんどくさい事件も喜んで解決していた。全てはあの日からあの日があったから...
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