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第十一話 バカ王子は勝負を望むみたいです

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「お、お前……!」
「あ、あなた…!」
「ライナ!?」
「ライヴ王子!?」
どちらも驚いたせいか、互いに相手を指で差す。
…まさかこんな所に落とし穴があろうとは…!!
このまま、王子ぶん殴って逃げてしまおうか!?
「おい!!気高い王子に指を差すとはいい度胸してるな!?そこになおれーーい!」
はいはい、相変わらずアホさ全開精神年齢3歳おこちゃまめ。
「でも、なんでその気高い王子がこんな奴隷市場に来てるんでしょうね?」
「ぐぬぬ!お前こそなんで神聖な聖女がこんな醜悪なとこに来てるんだよ!!」
はいはーい、負けてますよーっ
「私はこの子を買いに来たんで。ほっといてくれますか?それに、私家出したからもう聖女じゃないしー」
「なっ…!勝手な家出なんて許されると思ってるのか!?それにそいつ戦闘奴隷じゃねえか!」
戦闘奴隷…?
「戦闘奴隷って、何ですか?」
「お前、知らないのか!バカだな!」
精神年齢はいちおう25歳ぐらいですが?
「いいか?戦闘奴隷とは戦い、戦場に借りられる奴隷だ!そういうのに長けているからそんなんになるんだ!」
戦いに、長けている?
こんな小さな子が?
、…そういえばクリスタルホーン、もしかしたらこの子が倒したのかもしれない…
それにスキルも「戦闘」「獣」「道具使い」…
「でも!私この子を買うって決めたんですから!」
「ふあ!?ふざけるなーー!その奴隷はもともと王宮の所に買われる予定だったのだぞ!」
王宮に買われる予定?
上等!
「買っちゃえばこっちのもんですから!」
「よーし!分かった!勝負をしようではないか…!お前のその戦闘奴隷が俺の護衛に勝ったのなら、諦めてやろう!だが!その戦闘奴隷が負けたのなら、お前はその戦闘奴隷と一緒に王宮行きだ!!」
なーーっ!?
なんて理不尽な!
「僕…戦うの?」
はっと気がつくと、子供が震えながら私にしがみついている。
こんな小さな子供を戦わせるわけには…
「おい、いったん引くぞ」
師匠が後ろから、つぶやいた。
師匠のいうとうり、ここは逃げるしか…!
と、
「僕、戦うよ!」
「え?」
子供が、叫んだ。
「だって、勝てばライナお姉ちゃんの近くにずっといられるんでしょ?だっだら僕、頑張るよ!」
「……、っ」
子供の健気さにジ~ンとくる。
よし、ここは決意に委ねていってしまおうではないか!
「わかりたしたよ!!その勝負、おうけします!」
「よし!では決闘場で待っているぞ!」
ハハハハッと王子は高笑いを残し、去っていった。
見てろや!あのバカ王子にギャフンと言わせてみせるんだから!
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