騎士様も異世界人

キマイラ

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 夕飯後に恋人らしいことをする時間というのができてしまった。正直恥ずかしい。恥ずかしいけど嬉しい気持ちもあるのだ。だって私はパーシヴァルさんのことが好きだから。好きな人に触れられて嬉しくない人間なんている? 少なくとも私は嬉しい。

「ミナーヴァ、どうしてほしいですか?」

 指先に口付けたパーシヴァルさんがそう問いかける。唇はそのまま掌を這って、手首へと移動していった。ちゅ、と手首の内側を優しく吸われた。パーシヴァルさんは窺うように私の様子を見ている。

「答えてください、ミナーヴァ」

 口付けた場所に舌を這わせて視線を絡ませながらそう問われればもういっぱいいっぱいだった。いつもならもう十分だと言うところだけれど今日の私はいつもと違う。一歩踏み出そうと決めたのだ。

「少し、待ってください。心の準備があるので」

 なんとか絞り出した言葉にパーシヴァルさんは僅かに目を見開いて、それから口を開いた。

「待ちます。いくらでも。あなたが待てと言うのなら」

 僅かに口角を引き上げた笑みはいつもと同じ穏やかさのはずなのにどこか獰猛に見えるのは私の気のせいだろうか。

 ゆっくり息を吸って、吐いて。一度目を閉じた。取られた手に感じるパーシヴァルさんの体温がより鮮明に、より熱く感じられる。ああ、目を閉じたのは失敗だった。息を吐ききって目を開けた。

「キスしましょう? パーシヴァルさん」

「ミナーヴァ、あなたがそう望むのならば」

 そう言ってパーシヴァルさんは私の頬に触れると顔が近づいてくる。羞恥心が限界を超えてぎゅっと目を閉じた。唇に柔らかいものが触れた。ああ、今、私達、キスしてる。すぐに離れると思ったのにそのまま唇を食まれて驚きに口を開く。

「え、ちょ……ん、はあ」

 開いた口から舌が入り込んできて逃げた私の舌を捕まえた。舌先を擦り合わせて絡められてもうわけが分からない。

 パーシヴァルさんが離れていった時、私は息も絶え絶えだった。

「……いきなりレベルが上がり過ぎでは?」

「お嫌でしたか?」

 眉を下げてそう問われれば嘘でも肯定なんてできるわけない。

「嫌ではなかったです」

 そう、嫌ではなかった。恥ずかしかっただけで。それにしても、びっくりした。いきなりあんなディープなキスをされるとは思ってもみなかった。でもパーシヴァルさんは指を甘噛みしたり私の手に舌を這わせたりしていたしキスしたいと言ったらああなるのは想像できたかも。うん、ちょっとえっちい触れ方をしてきていたのだからああなってもおかしくない。次からは驚かないぞ。そう意気込んで、それから次があると思っている自分に照れた。恥ずかしい。

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