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異世界に召喚されてしまった。それはこの際いいだろう。五歳の姿になってしまったのでもうどうしてくれよう。
私ともう一人の幼女は異世界に召喚された。彼女は元々女子高生で栗田あまねと名乗った。私は二十七才で町田和美と名乗った。この世界に召喚する際に不手際があって子供になってしまったとこの国の王に謝られたが許せなかった。というか勘弁してくれという気持ちが強かった。最初は悪い夢だと思っていたくらいだ。
私とあまねは聖女様と呼ばれていた。彼女とは共に異世界に召喚された被害者同士よく話をしたのだが日に日に彼女の言動が幼くなっていくことを私は恐ろしく感じていた。そうして彼女がこの国の王女と人形の取り合いをしているのを見て悟ったのだ。彼女は本当に五歳の子供になってしまったのだと。それからの私はできるだけ周囲と話さないようにした。肉体の年齢に相応しい精神に退行してしまった彼女がおかしいのか、肉体にそぐわぬ精神を保ち続ける私がおかしいのか判断できなかったからだ。もちろん、私からすれば彼女がおかしいのだがこの世界の人間がどう判断するか分からないので下手なことはできないと思った。
その頃から、栗田あまねはクリスティーナと、私、町田和美はマチルダと呼ばれるようになった。ある日、彼女にあまねと呼びかけると「クリスティーナのこと?」と言われてしまった。彼女はもう自分が栗田あまねという女子高生だったことを覚えていないのだ。悲鳴をあげてしまいたかった。けれどもなんとか飲み込んだ。「ごめんなさい、お友達と間違えたの」と言えばクリスティーナは許してくれた。少しずつ、クリスティーナの髪や目の色が明るくなっていく。心なしか顔立ちも変わっているような気がする。二ヶ月ほど経つ頃にはクリスティーナは栗田あまねとは全くの別人となっていた。金の髪に水色の目の美少女。まるでこの世界の人間のようだ。私の姿も変わっていた。髪と目の色こそ変わらなかったが顔立ちは完全にこの世界の住人と言えるだろう。少し意地が悪そうだが美しい幼女だった。ああ、本当に気味が悪い。けれど誰もそのことに言及してこない。そのことも不気味だった。
「マチルダ様は本当に本がお好きですね」
微笑ましそうに侍女が言う。私はもっぱら読書をして過ごしていた。だって遊び相手として用意されるのはこの国の王子や王女、その取り巻き、それからクリスティーナなのだ。正直関わりたくなかった。それに子供の世話なんてごめんだった。そんなわけで私は少し引っ込み思案な読書好きの少女という評価を得ていた。聖女様なんて呼ばれたりもするけど特になにをしろとも言われていない。この王城で子供らしく健やかに過ごすだけだ。聖女はいるだけでいいらしい。それだけでこの国に豊穣がもたらされるそうだ。
関わるのは侍女のポーラと護衛騎士のオスカーくらいだ。プラチナブロンドに水色の目のポーラは美人で、見ているだけで眼福だった。対するオスカーはダークブラウンの髪にグレイの目でちょっと顔が怖い。でもいい男だと思う。強面だけど。基本的に大人しく読書をしているので私の子守りは楽だと思う。二人には町田和美と名乗ったけれどポーラは私をマチルダ様と呼ぶ。普段からマチルダ様って呼んでないと大事な場面で間違えそうだからだそうだ。オスカーは三人だけの時は和美と呼んでくれる。ポーラよりは器用なんだろう。ポーラ、おっとりしてるけどうっかりさんだから。まあ天然の自覚があるだけいいと思う。基本的に読書をして過ごしているがオスカーに肩車をしてもらったり冬には雪合戦をして二人でポーラに叱られたりした。それでも二人とも他の子供たちと遊べとは言わないので付き合いやすかった。
五年、そんなふうに暮らしていたら婚約の話が出た。王妃様が「好きな人はいる?」と聞いてきて何事かと思えばそういう話だった。クリスティーナは王子様と婚約したと噂に聞いたが私はごめんだった。未成年と婚約するとかあり得ない。無理。
「結婚するならオスカーがいいです」
私は自分の護衛騎士の名前を出した。そうすると王妃様は面食らったような顔をして「サミュエルはどう?」と聞いてきたのだ。サミュエルは公爵家の嫡男で見た目は美少年だがなかなかのやんちゃ坊主だった。子守りなんてしたくないしサミュエルと結婚なんて犯罪である。だって見た目はともかく私は今年で三十二よ? サミュエルなんてあり得ない。オスカーだって二十六だから年下なんだけど私の唯一の未婚の成人男性の知り合いだから名前を出させてもらった。王妃様は少し考え込むような素振りを見せたけれどその話はそれで終わった。
十歳になった私とクリスティーナは時折式典やパーティーに引っ張り出されていた。そこでは誰もが私達に媚びを売った。この世界では聖女に気に入られたいと誰もが思うものらしい。私には分からない感覚だ。そして特に自分の子供を聖女の婚約者にしたい親達が私達に群がるのだ。うんざりだった。婚約者を決めてしまえばこういう煩わしさから抜け出せるのだろうか。そんなことを考えながら自室へと戻った。
「無茶なことをおっしゃらないでくださいカズミ様」
何事かと思えば婚約の話の際にオスカーの名前を出したことで叱られた。解せぬ。
「でもオスカー、私は本気よ? だって誰もが私を欲しがるの。聖女を妻にした男になりたいがためにね。あなたは違うでしょう? それに私のことをちゃんと和美と呼んでくれるわ」
「周囲に人がいる時はマチルダ様と呼びますけどね」
「それは仕方のないことよ。町田和美はなぜかマチルダってことになってるんだもの」
「それでも俺は無理ですよ。あなたを娶れるほどの身分はありません」
「ねえ、オスカー。あなた、私が聖女じゃなかったら結婚してくれた?」
「そのもしもはあり得ませんよ。その場合俺たちは出会わないんですから」
「それはそうね。ねえオスカー。私を娶れるほどの身分はないって言ったわよね。じゃあ成り上がってよ、私を娶れるくらいに」
「馬鹿なことを言ってないで身分の釣り合う方と婚約してくださいね」
そう言って私の頭を撫でた。ほらまた子供扱い。でもそれが心地よかった。だって彼は私を普通の子供として扱ってくれるから。聖女なんてたいそうな肩書の付いた私にそんなふうに接してくれる人は他にいなかった。
この会話がオスカーとの最後の会話になった。どういうわけか彼の上司が呼びに来て、そのままオスカーは私の護衛騎士ではなくなったのだ。それ以降彼がどこでなにをしているのか私は知らない。聞いても誰もが知らないというのだ。嘘だと思った。結局私は公爵家の嫡男と婚約した。私がオスカーと結婚したいと言ったから引き離されたのだろうとその頃ようやく気付いた。婚約はしたけど幸せにはなれないんだろうな。私は彼のことを庇護すべき子供としか見れないし、彼が好きなのは私じゃなくてクリスティーナだから。
それから五年が経った。公爵家の嫡男のサミュエルとはさほど仲良くない。政略結婚ならこんなものよね、という距離感を互いに保っている。私と違ってクリスティーナは王子様と仲良くやっているようだ。この五年の間に私はこの世界が自分のプレイしていた乙女ゲームの世界だと気付いた。そして私は悪役令嬢。私だけじゃなくクリスティーナもだ。幼児だった頃は分からなかったが成長した王子やサミュエルの顔を見てピンと来た。私はサミュエルルートの悪役でクリスティーナは王子ルートの悪役だ。だがしかしクリスティーナはともかく私は自分の婚約者に興味がない。サミュエルルート? どうぞご自由にという感じだ。
そして私は新たに将軍の位につく男の名を知った。オスカー・シールド。私の護衛騎士だった男と同姓同名だった。就任式でみたオスカー・シールドは私の知っているオスカーだった。オスカー、成り上がったんだ。どうせなら私を攫ってくれればいいのにと叶わぬ願いを抱いた。そうすれば私は悪役令嬢としてヒロインと対立することもないのだし。あんまり私が見つめていたからだろう。オスカーと目が合った。体感で二秒ほど。私は無意識に微笑みかけていた。オスカーの表情は動かない。それっきり目が合うことはなかった。その日以来、私がオスカーを見ることもなかった。
私ともう一人の幼女は異世界に召喚された。彼女は元々女子高生で栗田あまねと名乗った。私は二十七才で町田和美と名乗った。この世界に召喚する際に不手際があって子供になってしまったとこの国の王に謝られたが許せなかった。というか勘弁してくれという気持ちが強かった。最初は悪い夢だと思っていたくらいだ。
私とあまねは聖女様と呼ばれていた。彼女とは共に異世界に召喚された被害者同士よく話をしたのだが日に日に彼女の言動が幼くなっていくことを私は恐ろしく感じていた。そうして彼女がこの国の王女と人形の取り合いをしているのを見て悟ったのだ。彼女は本当に五歳の子供になってしまったのだと。それからの私はできるだけ周囲と話さないようにした。肉体の年齢に相応しい精神に退行してしまった彼女がおかしいのか、肉体にそぐわぬ精神を保ち続ける私がおかしいのか判断できなかったからだ。もちろん、私からすれば彼女がおかしいのだがこの世界の人間がどう判断するか分からないので下手なことはできないと思った。
その頃から、栗田あまねはクリスティーナと、私、町田和美はマチルダと呼ばれるようになった。ある日、彼女にあまねと呼びかけると「クリスティーナのこと?」と言われてしまった。彼女はもう自分が栗田あまねという女子高生だったことを覚えていないのだ。悲鳴をあげてしまいたかった。けれどもなんとか飲み込んだ。「ごめんなさい、お友達と間違えたの」と言えばクリスティーナは許してくれた。少しずつ、クリスティーナの髪や目の色が明るくなっていく。心なしか顔立ちも変わっているような気がする。二ヶ月ほど経つ頃にはクリスティーナは栗田あまねとは全くの別人となっていた。金の髪に水色の目の美少女。まるでこの世界の人間のようだ。私の姿も変わっていた。髪と目の色こそ変わらなかったが顔立ちは完全にこの世界の住人と言えるだろう。少し意地が悪そうだが美しい幼女だった。ああ、本当に気味が悪い。けれど誰もそのことに言及してこない。そのことも不気味だった。
「マチルダ様は本当に本がお好きですね」
微笑ましそうに侍女が言う。私はもっぱら読書をして過ごしていた。だって遊び相手として用意されるのはこの国の王子や王女、その取り巻き、それからクリスティーナなのだ。正直関わりたくなかった。それに子供の世話なんてごめんだった。そんなわけで私は少し引っ込み思案な読書好きの少女という評価を得ていた。聖女様なんて呼ばれたりもするけど特になにをしろとも言われていない。この王城で子供らしく健やかに過ごすだけだ。聖女はいるだけでいいらしい。それだけでこの国に豊穣がもたらされるそうだ。
関わるのは侍女のポーラと護衛騎士のオスカーくらいだ。プラチナブロンドに水色の目のポーラは美人で、見ているだけで眼福だった。対するオスカーはダークブラウンの髪にグレイの目でちょっと顔が怖い。でもいい男だと思う。強面だけど。基本的に大人しく読書をしているので私の子守りは楽だと思う。二人には町田和美と名乗ったけれどポーラは私をマチルダ様と呼ぶ。普段からマチルダ様って呼んでないと大事な場面で間違えそうだからだそうだ。オスカーは三人だけの時は和美と呼んでくれる。ポーラよりは器用なんだろう。ポーラ、おっとりしてるけどうっかりさんだから。まあ天然の自覚があるだけいいと思う。基本的に読書をして過ごしているがオスカーに肩車をしてもらったり冬には雪合戦をして二人でポーラに叱られたりした。それでも二人とも他の子供たちと遊べとは言わないので付き合いやすかった。
五年、そんなふうに暮らしていたら婚約の話が出た。王妃様が「好きな人はいる?」と聞いてきて何事かと思えばそういう話だった。クリスティーナは王子様と婚約したと噂に聞いたが私はごめんだった。未成年と婚約するとかあり得ない。無理。
「結婚するならオスカーがいいです」
私は自分の護衛騎士の名前を出した。そうすると王妃様は面食らったような顔をして「サミュエルはどう?」と聞いてきたのだ。サミュエルは公爵家の嫡男で見た目は美少年だがなかなかのやんちゃ坊主だった。子守りなんてしたくないしサミュエルと結婚なんて犯罪である。だって見た目はともかく私は今年で三十二よ? サミュエルなんてあり得ない。オスカーだって二十六だから年下なんだけど私の唯一の未婚の成人男性の知り合いだから名前を出させてもらった。王妃様は少し考え込むような素振りを見せたけれどその話はそれで終わった。
十歳になった私とクリスティーナは時折式典やパーティーに引っ張り出されていた。そこでは誰もが私達に媚びを売った。この世界では聖女に気に入られたいと誰もが思うものらしい。私には分からない感覚だ。そして特に自分の子供を聖女の婚約者にしたい親達が私達に群がるのだ。うんざりだった。婚約者を決めてしまえばこういう煩わしさから抜け出せるのだろうか。そんなことを考えながら自室へと戻った。
「無茶なことをおっしゃらないでくださいカズミ様」
何事かと思えば婚約の話の際にオスカーの名前を出したことで叱られた。解せぬ。
「でもオスカー、私は本気よ? だって誰もが私を欲しがるの。聖女を妻にした男になりたいがためにね。あなたは違うでしょう? それに私のことをちゃんと和美と呼んでくれるわ」
「周囲に人がいる時はマチルダ様と呼びますけどね」
「それは仕方のないことよ。町田和美はなぜかマチルダってことになってるんだもの」
「それでも俺は無理ですよ。あなたを娶れるほどの身分はありません」
「ねえ、オスカー。あなた、私が聖女じゃなかったら結婚してくれた?」
「そのもしもはあり得ませんよ。その場合俺たちは出会わないんですから」
「それはそうね。ねえオスカー。私を娶れるほどの身分はないって言ったわよね。じゃあ成り上がってよ、私を娶れるくらいに」
「馬鹿なことを言ってないで身分の釣り合う方と婚約してくださいね」
そう言って私の頭を撫でた。ほらまた子供扱い。でもそれが心地よかった。だって彼は私を普通の子供として扱ってくれるから。聖女なんてたいそうな肩書の付いた私にそんなふうに接してくれる人は他にいなかった。
この会話がオスカーとの最後の会話になった。どういうわけか彼の上司が呼びに来て、そのままオスカーは私の護衛騎士ではなくなったのだ。それ以降彼がどこでなにをしているのか私は知らない。聞いても誰もが知らないというのだ。嘘だと思った。結局私は公爵家の嫡男と婚約した。私がオスカーと結婚したいと言ったから引き離されたのだろうとその頃ようやく気付いた。婚約はしたけど幸せにはなれないんだろうな。私は彼のことを庇護すべき子供としか見れないし、彼が好きなのは私じゃなくてクリスティーナだから。
それから五年が経った。公爵家の嫡男のサミュエルとはさほど仲良くない。政略結婚ならこんなものよね、という距離感を互いに保っている。私と違ってクリスティーナは王子様と仲良くやっているようだ。この五年の間に私はこの世界が自分のプレイしていた乙女ゲームの世界だと気付いた。そして私は悪役令嬢。私だけじゃなくクリスティーナもだ。幼児だった頃は分からなかったが成長した王子やサミュエルの顔を見てピンと来た。私はサミュエルルートの悪役でクリスティーナは王子ルートの悪役だ。だがしかしクリスティーナはともかく私は自分の婚約者に興味がない。サミュエルルート? どうぞご自由にという感じだ。
そして私は新たに将軍の位につく男の名を知った。オスカー・シールド。私の護衛騎士だった男と同姓同名だった。就任式でみたオスカー・シールドは私の知っているオスカーだった。オスカー、成り上がったんだ。どうせなら私を攫ってくれればいいのにと叶わぬ願いを抱いた。そうすれば私は悪役令嬢としてヒロインと対立することもないのだし。あんまり私が見つめていたからだろう。オスカーと目が合った。体感で二秒ほど。私は無意識に微笑みかけていた。オスカーの表情は動かない。それっきり目が合うことはなかった。その日以来、私がオスカーを見ることもなかった。
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