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龍たちの会合
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自分の角がルイの影響を受けた父ユンロンからさらに伝わったものかもしれないと思うと、フェイはなんだかよりルイとのつながりを強く感じるような気がした。事実としてフェイは父ユンロンとその妻の子であるが、それではまるでユンロンとルイの子みたいだと思ったが、それは言わなかった。
いちばんに哀れなのはやはりフェイの母だった。自分がつのつきの子を産んでしまったことで、つよく負い目を感じて自分を呪ったこともあっただろう。そもそも母に落ち度など何一つない話なのだが、きっかけが己の知らぬところで結ばれた夫と龍の絆であったならば、それは母にはどうしようもなく関係のないことだ。母はそれで心を病み、心の病は体をも蝕んでいった。
フェイは母のことを思えば、いまだ胸がずきずきと痛む。愛してくれなかった母であっても、フェイは愛していた。うまくフェイロンのことを愛することができなかった彼女が、それでも愛そうともがいていたことも知っている。
「龍のことを知ったついでに、フェイも明日の会合に行ってみるかい」
「龍が集まるという西の向こうですか?」
「ああ。ちょうど明日に予定されている。私が飛べばすぐだよ」
「私は歓迎されるでしょうか」
「されるとも。むしろはやく嫁を連れてこいとせっつかれている」
「ふふ。会いたがってくださっているのですね」
「そうだ。それに何かあれば私が守るから大丈夫だよ。私もあの場ではそろそろ古株だ、私のものに手を出す者は居ない」
「信頼しています」
そうしてふたりは連れ立って、龍の会合に出向くことになった。
翌日昼前に、会合へと向かった。ルイの背にフェイを乗せ、西の山をふたつ超えた先の広い丘に出る。そこには既に何頭かの龍が集まっていた。
ルイ以外の龍を見たのは初めてだった。龍の会合など言葉で聞いただけでは信じ難かったが、こうして目の前にすると壮観だなとフェイは思った。
「おやおや、その子がルイの嫁さんか」
「なに、よく見せろ。なんだ、ずいぶん細っこいな」
「なんと、かわいらしい娘っ子じゃないか。ルイを夫にするなんてどんな物好きかと思えば」
龍に囲まれたフェイはついおろおろとしてしまう。そこで先に人の姿をとっていたルイが袖でフェイの目を隠す。
「おい、フェイが怖がるだろう。そうわらわらと囲むんじゃあないよ。我らはただでさえ図体がでかくておそろしいのだから、さっさと人の姿におなりなさい」
「それもそうだな」
「むう、人に化けるのは苦手だが、こわがらせるのはよくないな」
ルイがそう言うと、口々にそれに従う声がする。龍の姿だとどうしても少し強面のように見えてしまうけれど、確かにルイの言っていた通り皆人間に興味津々で、素直にルイの言葉を受け入れる様子はなんだかかわいらしいとフェイは思った。
「すまないねフェイ、驚いただろう。ほら、もう目を開けてもいいよ」
「ありがとうございます、ルイ」
目を開くとそこに居た全員が人の姿をとっていた。変化には得意不得意があると聞いていたけれど、まだほとんど龍の姿を残したままに人型をとっている者や、もうすっかり人にしか見えないような者も居た。
「ルイの妻、フェイと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
フェイがしずしずと頭を下げ挨拶をすると、龍たちはほうほうとその姿を観察している。
「礼儀正しい子だ。よく見りゃ男じゃないか」
「龍と婚姻するのに、性別などどちらでもよかろう」
「そりゃそうだ。それにそこらの女よりもしとやかで美しい」
「ああ、人の子と話すのなんてずいぶん久しぶりだ。緊張するなあ」
性格も様々なようだけれど、誰も彼もおしゃべりだった。皆どこか神々しく近寄りがたい雰囲気があるのに、各々が好きなようにぺちゃくちゃとおしゃべりする様はかわいらしい妖精たちとあまり変わりがなく、フェイはそれがおかしくてくすくすと笑った。
「いくら美しくてかわいらしくて羨ましくても私の妻だ。手を出したら承知しないよ」
「誰が出すか。ルイを怒らせたらうちの山ごとなくなっちまうよ」
「本当に溺愛しているのだなあ。会うたびに妻の自慢をしてのろけるのだから、いったいどんな子かと気になっていたんだ」
「の、のろけ?」
「そうだよフェイ。あんたの夫ときたら、このところずっとあんたの話ばかりする。よっぽどあんたのことがかわいいんだね」
「そうとも。うちの妻は世界で一番かわいいのだ」
「はいはい、それはもう何度も聞いたよ」
「しかしそう言いたくなるのもわかる気がするよ。ルイにはもったいないくらいの愛らしい子だ」
ルイはフェイのいないところで龍たちにいつもフェイの話をしていた。そんなことは露とも知らなかったフェイは恥ずかしくなりほんのりと頬を染める。
「あの、先日は私が体調を崩した際に皆さまが食べるものをわけてくださったり知恵をいただいたとお聞きしました。その節は本当にありがとうございました。おかげで回復いたしました」
「ああ、そんなこともあったねえ。元気になったならなによりだ」
「我々の趣味が役に立つことなどあるものだな。いやあのときのルイの慌てようといったらなかった」
「ほんとうに!あれは見ものだったな」
「おい笑うのじゃないよ。こんなにも小さくてか細い命が弱っていたら、誰であれ心配になるだろう」
あの時のルイは冷静そうに見えてかなり慌てていたらしい。龍たちのおしゃべりで、フェイの普段知らないルイの姿がどんどんと暴かれていく。
「あのときのお礼に、国から贈られてきた豆を炊いたものをお持ちしました。みなさまがこういうものがお好きだとルイが」
フェイがそう言って包みをひらくと、屋敷を出る前に用意していた炊き立ての豆がまだほかほかと湯気を立てていた。
弟のジンユェが来てから、谷の祠にはこれまでよりも高い頻度で献上物が供えられていた。この豆は弟から贈られたものだ。たくさんの量があったし、フェイがあまり食べずともよくなった事情からも、普段ルイがお世話になっている方々に差し入れましょうということになったのだった。
「おお、いいかおりだ。食ってもいいのか?」
「ええ、もちろん。あたたかいうちに」
「おいしそうだね。立派な豆だ」
「酒だ、酒も用意しようじゃないか。誰か持ってきたか?」
「この前うちの村から贈られた酒があるよ。味見したがなかなかだった」
「いいぞ、いいぞ。今日も皆で楽しくやろう」
龍たちはにこにこと嬉しそうだ。
いちばんに哀れなのはやはりフェイの母だった。自分がつのつきの子を産んでしまったことで、つよく負い目を感じて自分を呪ったこともあっただろう。そもそも母に落ち度など何一つない話なのだが、きっかけが己の知らぬところで結ばれた夫と龍の絆であったならば、それは母にはどうしようもなく関係のないことだ。母はそれで心を病み、心の病は体をも蝕んでいった。
フェイは母のことを思えば、いまだ胸がずきずきと痛む。愛してくれなかった母であっても、フェイは愛していた。うまくフェイロンのことを愛することができなかった彼女が、それでも愛そうともがいていたことも知っている。
「龍のことを知ったついでに、フェイも明日の会合に行ってみるかい」
「龍が集まるという西の向こうですか?」
「ああ。ちょうど明日に予定されている。私が飛べばすぐだよ」
「私は歓迎されるでしょうか」
「されるとも。むしろはやく嫁を連れてこいとせっつかれている」
「ふふ。会いたがってくださっているのですね」
「そうだ。それに何かあれば私が守るから大丈夫だよ。私もあの場ではそろそろ古株だ、私のものに手を出す者は居ない」
「信頼しています」
そうしてふたりは連れ立って、龍の会合に出向くことになった。
翌日昼前に、会合へと向かった。ルイの背にフェイを乗せ、西の山をふたつ超えた先の広い丘に出る。そこには既に何頭かの龍が集まっていた。
ルイ以外の龍を見たのは初めてだった。龍の会合など言葉で聞いただけでは信じ難かったが、こうして目の前にすると壮観だなとフェイは思った。
「おやおや、その子がルイの嫁さんか」
「なに、よく見せろ。なんだ、ずいぶん細っこいな」
「なんと、かわいらしい娘っ子じゃないか。ルイを夫にするなんてどんな物好きかと思えば」
龍に囲まれたフェイはついおろおろとしてしまう。そこで先に人の姿をとっていたルイが袖でフェイの目を隠す。
「おい、フェイが怖がるだろう。そうわらわらと囲むんじゃあないよ。我らはただでさえ図体がでかくておそろしいのだから、さっさと人の姿におなりなさい」
「それもそうだな」
「むう、人に化けるのは苦手だが、こわがらせるのはよくないな」
ルイがそう言うと、口々にそれに従う声がする。龍の姿だとどうしても少し強面のように見えてしまうけれど、確かにルイの言っていた通り皆人間に興味津々で、素直にルイの言葉を受け入れる様子はなんだかかわいらしいとフェイは思った。
「すまないねフェイ、驚いただろう。ほら、もう目を開けてもいいよ」
「ありがとうございます、ルイ」
目を開くとそこに居た全員が人の姿をとっていた。変化には得意不得意があると聞いていたけれど、まだほとんど龍の姿を残したままに人型をとっている者や、もうすっかり人にしか見えないような者も居た。
「ルイの妻、フェイと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
フェイがしずしずと頭を下げ挨拶をすると、龍たちはほうほうとその姿を観察している。
「礼儀正しい子だ。よく見りゃ男じゃないか」
「龍と婚姻するのに、性別などどちらでもよかろう」
「そりゃそうだ。それにそこらの女よりもしとやかで美しい」
「ああ、人の子と話すのなんてずいぶん久しぶりだ。緊張するなあ」
性格も様々なようだけれど、誰も彼もおしゃべりだった。皆どこか神々しく近寄りがたい雰囲気があるのに、各々が好きなようにぺちゃくちゃとおしゃべりする様はかわいらしい妖精たちとあまり変わりがなく、フェイはそれがおかしくてくすくすと笑った。
「いくら美しくてかわいらしくて羨ましくても私の妻だ。手を出したら承知しないよ」
「誰が出すか。ルイを怒らせたらうちの山ごとなくなっちまうよ」
「本当に溺愛しているのだなあ。会うたびに妻の自慢をしてのろけるのだから、いったいどんな子かと気になっていたんだ」
「の、のろけ?」
「そうだよフェイ。あんたの夫ときたら、このところずっとあんたの話ばかりする。よっぽどあんたのことがかわいいんだね」
「そうとも。うちの妻は世界で一番かわいいのだ」
「はいはい、それはもう何度も聞いたよ」
「しかしそう言いたくなるのもわかる気がするよ。ルイにはもったいないくらいの愛らしい子だ」
ルイはフェイのいないところで龍たちにいつもフェイの話をしていた。そんなことは露とも知らなかったフェイは恥ずかしくなりほんのりと頬を染める。
「あの、先日は私が体調を崩した際に皆さまが食べるものをわけてくださったり知恵をいただいたとお聞きしました。その節は本当にありがとうございました。おかげで回復いたしました」
「ああ、そんなこともあったねえ。元気になったならなによりだ」
「我々の趣味が役に立つことなどあるものだな。いやあのときのルイの慌てようといったらなかった」
「ほんとうに!あれは見ものだったな」
「おい笑うのじゃないよ。こんなにも小さくてか細い命が弱っていたら、誰であれ心配になるだろう」
あの時のルイは冷静そうに見えてかなり慌てていたらしい。龍たちのおしゃべりで、フェイの普段知らないルイの姿がどんどんと暴かれていく。
「あのときのお礼に、国から贈られてきた豆を炊いたものをお持ちしました。みなさまがこういうものがお好きだとルイが」
フェイがそう言って包みをひらくと、屋敷を出る前に用意していた炊き立ての豆がまだほかほかと湯気を立てていた。
弟のジンユェが来てから、谷の祠にはこれまでよりも高い頻度で献上物が供えられていた。この豆は弟から贈られたものだ。たくさんの量があったし、フェイがあまり食べずともよくなった事情からも、普段ルイがお世話になっている方々に差し入れましょうということになったのだった。
「おお、いいかおりだ。食ってもいいのか?」
「ええ、もちろん。あたたかいうちに」
「おいしそうだね。立派な豆だ」
「酒だ、酒も用意しようじゃないか。誰か持ってきたか?」
「この前うちの村から贈られた酒があるよ。味見したがなかなかだった」
「いいぞ、いいぞ。今日も皆で楽しくやろう」
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