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ミナト電機Ⅱ(メモリービジョン)
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ミナト社長は研究室に十日間籠っていた。 開発中の装置は
九十パーセント完成していたが最後の詰めが思うようにならず、
ここ数日間ミナトは自分に苛立っていた。
開発中の装置とは特殊ヘッドホン。 以前パナソニー電機から
委託された体外離脱装置の作成後、ミナトは人間の脳や潜在意識に
興味が湧き、以降そっちの分野での研究開発が主流になりつつあった。
考えた商品は就寝簡単暗記装置というものである。 潜在意識に
働きかける英会話学習装置は既に市販されているが、その商品には
難点があった。 それは個人差もあるし、なにしろ成果が出るまでに
数ヶ月、人によっては数年という時間が必要。
ミナトの商品がデジタルならそれらはアナログに近い商品だった。
ミナトの商品は英会話能力なら三日間で習得出来、飲み込みの遅い
人間でも一週間で習得が出来るという優れ物。
その成果は洋画なら字幕無しで理解でき、ニュースなどの専門用語でも
二週間あればほぼ完璧に聞き取れた。 他社との違いは歴然であった。
ミナト社長曰く「潜在意識に働きかける脳の部位がコツ」とのこと。
商品の特許使用はパナソニー電機以外は認めていた。 早い話が
パナソニー電機は特許の使用を除外された。
他にも、波動チューニング装置なる商品も、医療の分野で高評価を
得ていた。 その装置とは、潜在意識にある悪い気の流れを、
装置から発生する正常な周波数と同調させ、身体に流すことで
病気を癒そうという装置。 今、手がけている装置はそれらの医療や、
記憶の装置と違い、万人受けする手軽な商品をミナト社長は考えた。
題して[潜在意識のビジョン再生装置]という仮名があった。
解りやすくいうと、思いでに残る曲を聴くとシンクロした脳の一部が、
当時のその場面をリアルに映像で再現できるという商品。
つまり、仰げばとうとしや蛍の光を聞くと同時に、思い出に残る
自分の卒業式の映像が瞼に蘇る。
だがこれは誰もが普通に経験してること。 ミナトが開発してるのは
もっとリアルに、その時の風景やまわりの情景がリアルに映像で
視えるという装置。右を向けば当時の右に座していた友人の顔が
リアルに視えるというもの。
今の段階では映像が白黒になってしまうのでもうひと工夫必要であった。
夢にもカラーと白黒があるように、ほんのちょっとした細工が必要と
ミナトは考えた。
関連ある歌がシンクロし脳内の視野領域の映像を通して、リアルに
再現できる商品で、これが開発されたら他界した人との想い出の曲を
通してリアルなビジョンで、時、場所、関係なく再現。
亡くなった家族や親友とリアルに再会出来るという商品であった。
ミナトは今日も朝から研究室に入ったままだった。
店に山田が来店した。 山田は透明金属の発明で会社を興し、
今では世界的に注目を集める企業になっていた。
因みに株の半分は共同開発者のミナトが所有していた。
「ごめん下さい」
奥から、やつれた顔をしたミナト社長が出て来た。
「おっ、山田くん久しぶりだね。 元気にしてた?」
「先月会ったばかりじゃないですか。 それより社長は凄く
やつれている様ですけど、また何か開発中ですね?」
少しにやけた目で「やっぱりわかる……?」
「社長の目をみればわかりますよ…… で、今度は何ですか?」
「ちょうどよかった、手伝ってくれんかね?」ミナトは笑みを浮かべた。
「また、被験者ですね?」
「わかる?」
「いつものことですから」
二人は秘密部屋に行った。 山田をリクライニングシートに座らせた。
「このヘッドホンを付けて、目を閉じて楽にしてくれないかね、
次に君の想い出に残る音楽はなにかあるかね?
例えば卒業式なら仰げばとおとしとか、自分の結婚式の入場の音楽とか……
音楽と情景がシンクロした想い出なにかないかね?」
「じゃあ、ツェッペリンの天国への階段でお願いします」
「ツェッペリンの天国への階段か……ユーチューブでダウンロードするか」
ミナトはPCを操作して音楽を取り込んだ。
「便利になったね、昔ならレコード店走ってたところだよ」
「本当に凄い進歩ですよね」山田が頷いた。
準備が整いミナトはスイッチを入れた。 それから数分が過ぎ、
山田の目から涙が流れてきた。 そしてヘッドホンを外した。
「社長、凄いです! これはほんとうに凄いですよ!」
「下手な説明より経験した方が解りやすいと思って、いきなり試したが
どうだった? 山田くんはこの曲にどんな想い出があったのかな?」
「ツェッペリンの天国への階段は、僕の幼なじみが好きな曲です。
実は、そいつは車の事故で他界してしまったんです。
僕の家に遊びに来てはこの曲が好きでいつもレコードをかけて
聞いていたんです・・・・
その事故以来僕の中でこの曲は封印したままなんです。
想い出が多すぎて、葬儀の時もこの曲で弔いました。
今、まるでその場に彼がいるようでした。 テレビを見ているようで、
いやそれよりもリアルでした。 さすがミナト社長です。
感激しました……」山田は目を赤くしながら語った。
ミナトは「これでも、未完成なんだよ……」
「えっ、なにがです? どこが……?」
「なんどやっても白黒なんだよ。 加減がわからん……」
「えっ、……? でも、僕はカラーでしたよ」
「なに? えっ、カラー? うそっ……?」
「ちゃんとカラーでしたけど!」
「僕は何度やっても白黒なんだ」
「えっ、白黒ですか?」
「妻も白黒なんだ」
二人はこの装置で視るビジョンはいつも白黒だった。
夢と何か関係あるのかもしれんな?
「良いじゃないですか、このまま製品化したら。 人によっても
違うのも面白いと思いますが」
「うん、それもそうだ、さすが山田くんいいこと いうねわかった。
とりあえずこれでいくことにするよ! 君に聞いてよかった……」
こうして、潜在意識のビジョン再生装置は生まれた。
装置は「メモリービジョン」と命名され例によって、パナソニー電機
以外の家電、音響メーカーで生産され瞬く間に世界中で販売された。
この商品はパナソニー電機が昔、開発したウォーク音機を越える
商品となった。 各メーカーには反響の手紙が殺到した。
故人との想い出がリアルに再現できることや、忘れ去っていた想い出が
甦ったと、各製造メーカーや販売会社に感謝の手紙が数万通に及んだ。
製造やそれに携わる職業への影響は計り知れなかったが、そんな中で
ミナト社長が気になる手紙があった。
前略
メモリービジョン開発スタッフ様
私は、還暦を迎えたばかりの早坂寿史と申します。 この商品の
開発スタッフ様には大変感謝いたします。
と同時に私の話もお聞き下さい。
私ども夫婦には結婚後遅くに授かった女の子がひとりおりました。
そんな娘も年頃となり人並みに結婚の時期がやってまいりました。
なんと申しましょうか、今、流行の出来ちゃった婚というやつです。
出産を前に結婚式を挙げようと順調に話しが進み、婚礼とその後の
出産をみんなが待ちわびておりました。
挙式3日前のことです。 娘と彼が式の最終打合せで挙式場に向かう
途中事件に遭遇したのです。 会場直前の交差点で覚醒剤で常軌を
逸した車が、歩道に乗り上げ娘を跳ねたのです。
娘は重体となりました。 お腹の6ヶ月の赤ちゃんも心音が
途絶えてしまいました。 娘も二日間危篤でついに目覚めぬまま
他界してしまいました。
その頃、娘が好きでしつこいくらい聞いていた歌が荒井由美さんの
「春よ来い」でした。
演歌しか聞かない私も、この歌は空で歌えるぐらい聞きました。
いつも家ではこの歌が聞こえておりました。 この歌は、
その位私ども家族にとっての想い出の曲だったんです。
そして月日が過ぎこの度、妻がメモリービジョンを購入したのです。
亡き娘との思いでをかみしめるためです。 最初は、私も妻も何度も
聞いてその都度涙しました。
そのうち妻は家事もそっちのけで四六時中聞くことになったのです。
まるで薬物中毒の患者のように、我を忘れて思い出に入り込んだのです。
私が装置を隠そうものなら妻は半狂乱。 いつも穏やかな妻からは
想像もつきません。
悲しい記憶や思い出したくない記憶は忘れること……
神が人間に与えてくれたものとわたしは思うようになりました。
どんなによい想い出も、悪い想い出も薄れるぐらいがちょうどいい
ような気がしました。
これはあくまでも私個人の感想です。 でも、ビジョンであっても
娘にリアルに会えたことはよかったと感謝しております。
早坂寿史
その後、各社には似たような手紙が届くようになりミナト社長の
呼びかけで、各社の販売を徐々に自粛するようになった。
だが医療の分野では認知症患者にいい効果があると、
積極的に使用する病院も増えてきた。
その頃にはミナト社長は次の開発に取りかかりその商品は完成間近だった。
END
九十パーセント完成していたが最後の詰めが思うようにならず、
ここ数日間ミナトは自分に苛立っていた。
開発中の装置とは特殊ヘッドホン。 以前パナソニー電機から
委託された体外離脱装置の作成後、ミナトは人間の脳や潜在意識に
興味が湧き、以降そっちの分野での研究開発が主流になりつつあった。
考えた商品は就寝簡単暗記装置というものである。 潜在意識に
働きかける英会話学習装置は既に市販されているが、その商品には
難点があった。 それは個人差もあるし、なにしろ成果が出るまでに
数ヶ月、人によっては数年という時間が必要。
ミナトの商品がデジタルならそれらはアナログに近い商品だった。
ミナトの商品は英会話能力なら三日間で習得出来、飲み込みの遅い
人間でも一週間で習得が出来るという優れ物。
その成果は洋画なら字幕無しで理解でき、ニュースなどの専門用語でも
二週間あればほぼ完璧に聞き取れた。 他社との違いは歴然であった。
ミナト社長曰く「潜在意識に働きかける脳の部位がコツ」とのこと。
商品の特許使用はパナソニー電機以外は認めていた。 早い話が
パナソニー電機は特許の使用を除外された。
他にも、波動チューニング装置なる商品も、医療の分野で高評価を
得ていた。 その装置とは、潜在意識にある悪い気の流れを、
装置から発生する正常な周波数と同調させ、身体に流すことで
病気を癒そうという装置。 今、手がけている装置はそれらの医療や、
記憶の装置と違い、万人受けする手軽な商品をミナト社長は考えた。
題して[潜在意識のビジョン再生装置]という仮名があった。
解りやすくいうと、思いでに残る曲を聴くとシンクロした脳の一部が、
当時のその場面をリアルに映像で再現できるという商品。
つまり、仰げばとうとしや蛍の光を聞くと同時に、思い出に残る
自分の卒業式の映像が瞼に蘇る。
だがこれは誰もが普通に経験してること。 ミナトが開発してるのは
もっとリアルに、その時の風景やまわりの情景がリアルに映像で
視えるという装置。右を向けば当時の右に座していた友人の顔が
リアルに視えるというもの。
今の段階では映像が白黒になってしまうのでもうひと工夫必要であった。
夢にもカラーと白黒があるように、ほんのちょっとした細工が必要と
ミナトは考えた。
関連ある歌がシンクロし脳内の視野領域の映像を通して、リアルに
再現できる商品で、これが開発されたら他界した人との想い出の曲を
通してリアルなビジョンで、時、場所、関係なく再現。
亡くなった家族や親友とリアルに再会出来るという商品であった。
ミナトは今日も朝から研究室に入ったままだった。
店に山田が来店した。 山田は透明金属の発明で会社を興し、
今では世界的に注目を集める企業になっていた。
因みに株の半分は共同開発者のミナトが所有していた。
「ごめん下さい」
奥から、やつれた顔をしたミナト社長が出て来た。
「おっ、山田くん久しぶりだね。 元気にしてた?」
「先月会ったばかりじゃないですか。 それより社長は凄く
やつれている様ですけど、また何か開発中ですね?」
少しにやけた目で「やっぱりわかる……?」
「社長の目をみればわかりますよ…… で、今度は何ですか?」
「ちょうどよかった、手伝ってくれんかね?」ミナトは笑みを浮かべた。
「また、被験者ですね?」
「わかる?」
「いつものことですから」
二人は秘密部屋に行った。 山田をリクライニングシートに座らせた。
「このヘッドホンを付けて、目を閉じて楽にしてくれないかね、
次に君の想い出に残る音楽はなにかあるかね?
例えば卒業式なら仰げばとおとしとか、自分の結婚式の入場の音楽とか……
音楽と情景がシンクロした想い出なにかないかね?」
「じゃあ、ツェッペリンの天国への階段でお願いします」
「ツェッペリンの天国への階段か……ユーチューブでダウンロードするか」
ミナトはPCを操作して音楽を取り込んだ。
「便利になったね、昔ならレコード店走ってたところだよ」
「本当に凄い進歩ですよね」山田が頷いた。
準備が整いミナトはスイッチを入れた。 それから数分が過ぎ、
山田の目から涙が流れてきた。 そしてヘッドホンを外した。
「社長、凄いです! これはほんとうに凄いですよ!」
「下手な説明より経験した方が解りやすいと思って、いきなり試したが
どうだった? 山田くんはこの曲にどんな想い出があったのかな?」
「ツェッペリンの天国への階段は、僕の幼なじみが好きな曲です。
実は、そいつは車の事故で他界してしまったんです。
僕の家に遊びに来てはこの曲が好きでいつもレコードをかけて
聞いていたんです・・・・
その事故以来僕の中でこの曲は封印したままなんです。
想い出が多すぎて、葬儀の時もこの曲で弔いました。
今、まるでその場に彼がいるようでした。 テレビを見ているようで、
いやそれよりもリアルでした。 さすがミナト社長です。
感激しました……」山田は目を赤くしながら語った。
ミナトは「これでも、未完成なんだよ……」
「えっ、なにがです? どこが……?」
「なんどやっても白黒なんだよ。 加減がわからん……」
「えっ、……? でも、僕はカラーでしたよ」
「なに? えっ、カラー? うそっ……?」
「ちゃんとカラーでしたけど!」
「僕は何度やっても白黒なんだ」
「えっ、白黒ですか?」
「妻も白黒なんだ」
二人はこの装置で視るビジョンはいつも白黒だった。
夢と何か関係あるのかもしれんな?
「良いじゃないですか、このまま製品化したら。 人によっても
違うのも面白いと思いますが」
「うん、それもそうだ、さすが山田くんいいこと いうねわかった。
とりあえずこれでいくことにするよ! 君に聞いてよかった……」
こうして、潜在意識のビジョン再生装置は生まれた。
装置は「メモリービジョン」と命名され例によって、パナソニー電機
以外の家電、音響メーカーで生産され瞬く間に世界中で販売された。
この商品はパナソニー電機が昔、開発したウォーク音機を越える
商品となった。 各メーカーには反響の手紙が殺到した。
故人との想い出がリアルに再現できることや、忘れ去っていた想い出が
甦ったと、各製造メーカーや販売会社に感謝の手紙が数万通に及んだ。
製造やそれに携わる職業への影響は計り知れなかったが、そんな中で
ミナト社長が気になる手紙があった。
前略
メモリービジョン開発スタッフ様
私は、還暦を迎えたばかりの早坂寿史と申します。 この商品の
開発スタッフ様には大変感謝いたします。
と同時に私の話もお聞き下さい。
私ども夫婦には結婚後遅くに授かった女の子がひとりおりました。
そんな娘も年頃となり人並みに結婚の時期がやってまいりました。
なんと申しましょうか、今、流行の出来ちゃった婚というやつです。
出産を前に結婚式を挙げようと順調に話しが進み、婚礼とその後の
出産をみんなが待ちわびておりました。
挙式3日前のことです。 娘と彼が式の最終打合せで挙式場に向かう
途中事件に遭遇したのです。 会場直前の交差点で覚醒剤で常軌を
逸した車が、歩道に乗り上げ娘を跳ねたのです。
娘は重体となりました。 お腹の6ヶ月の赤ちゃんも心音が
途絶えてしまいました。 娘も二日間危篤でついに目覚めぬまま
他界してしまいました。
その頃、娘が好きでしつこいくらい聞いていた歌が荒井由美さんの
「春よ来い」でした。
演歌しか聞かない私も、この歌は空で歌えるぐらい聞きました。
いつも家ではこの歌が聞こえておりました。 この歌は、
その位私ども家族にとっての想い出の曲だったんです。
そして月日が過ぎこの度、妻がメモリービジョンを購入したのです。
亡き娘との思いでをかみしめるためです。 最初は、私も妻も何度も
聞いてその都度涙しました。
そのうち妻は家事もそっちのけで四六時中聞くことになったのです。
まるで薬物中毒の患者のように、我を忘れて思い出に入り込んだのです。
私が装置を隠そうものなら妻は半狂乱。 いつも穏やかな妻からは
想像もつきません。
悲しい記憶や思い出したくない記憶は忘れること……
神が人間に与えてくれたものとわたしは思うようになりました。
どんなによい想い出も、悪い想い出も薄れるぐらいがちょうどいい
ような気がしました。
これはあくまでも私個人の感想です。 でも、ビジョンであっても
娘にリアルに会えたことはよかったと感謝しております。
早坂寿史
その後、各社には似たような手紙が届くようになりミナト社長の
呼びかけで、各社の販売を徐々に自粛するようになった。
だが医療の分野では認知症患者にいい効果があると、
積極的に使用する病院も増えてきた。
その頃にはミナト社長は次の開発に取りかかりその商品は完成間近だった。
END
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