ニート姉貴の婚約を破棄させた話

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金持ち婚約相手の父親であった。この光景には流石に背筋が凍った。何が起こっているのか理解出来なかった。しかし、そうとした言いようがない。金持ち婚約相手のお父さんとも肉体関係を結んでいたのだ。それからまた、探偵から写真が送られてきた。ホテルに入っていく先ほどの二人の後ろ姿が、パラパラ漫画の様に送られてきた。姉は何が目的で結婚するのか余計に分からなくなった。


その後、両家族集まるご飯会が開かれた。良家で生まれ育った貫禄のある中年男性が、実は息子の婚約相手を寝取っているなんて、誰も想像出来やしない。ましてや、この中で一番の小童に噛みつかれるなんて知る由も無いだろう。

ご飯会が終盤に差し掛かった頃、席を立つ。12個の目がこちらを見ている。中年男性の横に立ち、コンビニで事前にプリントアウトした写真を胸ポケットから差し出した。12個の目が写真へ移る。
「え。うん。何だこれは」
「写真です」
「そんなことを聞いてるんじゃない」
「どんな写真なのかも見れば分かりますよ」

「父さん。どういうこと」
「貴方説明して」
妻子が問いかける。
「これは。盗撮だろ。これ」
「僕カメラが趣味なもんで。たまたま映ってまして」
両親は呆然としている。僕に呆れていたのか、姉に呆れていたのか、分からなかったが、そんなことはどうでもいい。姉はこちらを睨んでいる。
「お前やっていいことと。悪いことがあるだろう」
「はい。そうですよね」

「いつから」婚約相手が重たい口を開いた。
「1年前から」姉が返答した。
「でも別に気持ちが変わったわけじゃないから」馬鹿すぎるこの発言に苦笑がこぼれる。
「私から誘ったんだ。許してやってくれ」
「ごめん。意味が分からない」

婚約相手の言葉を最後に、両家族は決別した。こうして姉は、またしてもニートに大降格した。それから僕は家を追い出され、両親とも疎遠になった。両親を失ったのは辛いが掌の爪痕も無くなり晴れ晴れしていた。
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