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瞳惚れ vaundy

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2022年、テレビ朝日の秋ドラマ「ジャパニーズスタイル」の主題歌になっていたことで知った曲であり、歌っているvaundyのこともこの曲で初めて知った。

エンドロールで流れているのを耳にして「カッティングギターかっこいいし、めちゃくちゃノリが良い曲だなぁ」というのが第一印象だったのでまさかラブソングだとは思わず、きちんと聞いた時に歌詞を見て驚いた。具体的に言えば「瞳惚れ」とは「一目惚れ」を文字った造語だそうで「相手と目があった瞬間に恋に落ちる」というような意味だそう。つまり「瞳」に「惚れる」ということ。vaundyの言葉選びのセンスに脱帽だ。

私はこの曲に出会ったちょうどその時、ある作品を執筆中だった。その作品には美しい瞳を持つ女の子が登場するのだが、その「瞳」に心を奪われた一人の青年が彼女に「一目惚れ」し、恋に落ちるという内容である。偶然にもこの曲の歌詞とリンクする部分があったので、執筆の参考にこの曲をよく聞いていた。(その作品はここでは公開していない)

vaundyが気になった私は他の曲も次々と聞いていった。だが、良い意味で期待を裏切られた。曲によって全くイメージが違うのである。私は当初、「瞳惚れ」のようなポップなイメージを想像していた。だが、vaundyはロック、ポップ、R&B、HIPHOPなどありとあらゆる音楽ジャンルを絶妙なアレンジで自分の作品に落とし込んでいた。

紅白歌合戦のパフォーマンスで話題になった「怪獣の花唄」のような疾走感のあるメロディアスなロックもあれば、「東京フラッシュ」のようなシティポップ、「不可幸力」のようなHIPHOP、「走馬灯」のような90年代を彷彿とさせるノスタルジックなバラード、またoasisなどのUKロックを彷彿とさせる「benefits」(しかもサビは完全英詞)のような曲もある。

「彼の音楽の引き出し一体何個あんの?!」

思わずこんなツッコミをしてしまったほど。更に驚くべきは彼がまだ23歳の現役美術大学生だということ。将来が楽しみなアーティストの一人である。

また、紅白歌合戦でも話題になるほど歌唱力が高いのも特徴。それもそのはず、YUIや絢香などを輩出した某音楽専門学校出身なのだ。

余談だが「瞳惚れ」のMVにはドラマで主演を務めた俳優の仲野太賀が出演している。サビの部分で不思議なダンスを披露しており、とてもシュールで面白いMVになっているので興味のある方はぜひ見てみてはどうだろうか。
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