逆転の異世界生活~最強のチートスキルは『蠕動運動』でした。最高の逆転劇を見せてやる

先川(あくと)

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プロローグ hole ass グッド異世界生活

四話 命がいくつあっても足りやしない!

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「じゃあ、嬉しいこと言ってあげるわよ。あなた、顔の真ん中についた情けないケツアナを隠せば、結構男前よ?」
「嬉しくないんですけど」
「黄色い手拭いも様になってるわよ。言うなればそう一人黄巾軍ね」
「ひとり黄巾軍……」
 俺は悲しくなってきた。

「もう、そんなにめそめそされたんじゃ、こっちの寝覚めも悪いってものよ? 過ぎちゃったことは仕方ないんだし、前向きに生きなさいよ!」

「そんなこと言われても……」
「あ、そうだ。あなた今から異世界に転生するんでしょう? あなたの向かう先には魔王が居て、その魔王を倒せば、現世に生き返ることができるのよ。そのときは身体も元に戻るからさ、頑張りなさい!」
「さっき、身の丈にあった生活でせいぜい二度目の人生を満喫しろって……」
「そんなこと言っても仕方ないじゃない。こういう場合なんだから、さっさと魔王を倒しなさいよ」
「そんな無茶っすよ……魔法も使えない、武術の才能もない、身体だって大きくない。人より秀でているのは蠕動運動だけって男がどうやって最悪にして最強の魔王を倒すんですか」
「出来ても出来なくても、やるしかないわよ」
「無理っすよ……」

 俺の声はケツの脂肪に吸収され、空気を震わすことなく消えていった。
「もう、しょうがないわねえ! それなら出血大サービスよ。あなたに三つの命を与えるわ」
「三つの命?」
「そうよ。あなたの魂は一度死んでも、すぐに消えたりなんかしない。三回までは、ここに戻ってこられるようにしてあげる。だから、頑張りなさい」
「残機数より、超能力とかをくれよ……。こんなほっといても、やがて死ぬような身体じゃ……命なんていくつあっても……」

「うるさい!! いつまでもうじうじしてるなんてみっともないわよ!! みんな与えられたもので頑張ってるんだから、あんたもさっさと行ってきなさい」
 アオイは転移の呪文を唱え始めた。俺の身体は光に包まれ、ゆっくりと上昇していく。

「おい!! 話は終わってねえぞ!!」

「むにゃむにゃ…………むにゃむにゃ…………」
 アオイはもう俺を無視して、一心不乱に魔法を唱え続けた。
「おい!! バカ天使!! こんな消化管が逆になった状態で、どうやって異世界生活を送るんだよ!!」
 俺は泣きながら、アオイを怒鳴りつけた。
 だがいつの間にかアオイは居なくなっており、俺は街外れにある大樹の前に立っていた。
 どうやら本当に異世界生活が始まるようだ。顔の真ん中に、いつも人知れず頑張ってきたケツの穴をぶら下げて……。

 これはどう考えてもグッド異世界は送れそうにない。

『hole ass グッド異世界生活』 プロローグ(終)
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